大分弁
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大分弁(おおいたべん)は、九州地方で話されている日本語の方言の一つ。概ね現在の大分県で使われている方言を指す。地域差が大きく、特に日田地方、中津地方の方言はそれぞれ語彙などに独自性を持つ。
概要
全体として中国方言の影響が強く、九州方言の中ではやや異質な方言であると言える。例えば、九州方言に比較的広く見受けられる形容詞のカ語尾、終助詞の「たい」、逆説の接続詞「ばってん」、準体言助詞の「と」などは用いない。語尾が「~ちゃ」「~けん」(「ちゃ」は強意、「けん」は理由を表す)といった強い調子で終わることが多い。
周辺方言からの影響や小藩分立の歴史から地域差が大きく、北部(周防灘沿岸)、中部(別府湾沿岸)、南部沿岸部(豊後水道沿岸)、南部内陸部(竹田・大野周辺)、西部(日田・玖珠周辺)に大別することができるが、豊前国であった中津地方、天領であった日田地方の方言は他地域との相違が大きいため、中津方言(中津弁)、日田方言(日田弁)として独立して取り扱われることもある。
文法
可能表現の使い分け
西日本各地の方言と同様に、状態可能と能力可能の表現を使い分けるが、大分弁においては、状態可能表現が主観と客観によってさらに二分化され、あわせて三種類の使い分けがなされている。
- 「食べらるる」→(腐っていないから)食べることが出来る。(=状態可能/客観)
- 「食べれる」→(まだ満腹ではないので)食べることが出来る。(=状態可能/主観)
- 「食べきる」→(苦手だったりお腹にあたる人もいるけれども、自分は)食べることができる。(=能力可能)
不可能を表す場合には、上記を否定形で用いる。
- 「食べられん」(=状態不可能/客観)、「食べれん」(=状態不可能/主観)、「食べきらん」(=能力不可能)
「-よる」と「-ちょる」の使い分け
西日本各地の方言に共通して見受けられる、動作の進行・継続を表す「-よる」と、状態の完了・継続・結果を表す「-ちょる」の2種類のアスペクト表現が大分弁にも存在する。「-よる」は「-よん」、「-ちょる」は「-ちょん」に変化することもある。
- さっきから雨が降りよるなぁ。→さっきから雨が降っているね(今も降っている)(=進行・継続)
- いつん間にか雨が降っちょるなぁ。→いつの間にか雨が降っているね(今はもう上がっている)(=完了・存続・結果)
語尾・接続語
現在でも多くの世代に残っているものとしては以下が挙げられる。
- 「~っちゃ」- 文の内容を強調したい時に語尾につける。(例)違うっちゃ!俺はやっちょらんっちゃ!(違うって!俺はやってないって!)
- 「~っち」- 「~って」(例)あの二人結婚したっちえ(あの二人結婚したってよ)
大分弁だけでなく、博多弁でも使う。また大分弁は接続助詞の「て」以外の「て」も「ち」に変える傾向が強い。
(例)「ちょっと聞いちくり」(ちょっと聞いてくれ)「待っちくり」(待ってくれ)
- 「~に」- 標準語でいう「~だよ」に近い。(例)まだ宿題してないに(まだ宿題してないんだよ)
- 「~やに」-「~に」と使い方はほぼ同じ。(例)あんたの事が好きやに(あなたの事が好きなんだよ)
- 「~けん」-「~から」 九州全域で使う。
- 「そげえ」「どげえ」「こげえ」「あげえ」-「そんな」「どんな」「こんな」「あんな」
- 「~かえ」-標準語の「~かい?」や「~しなさい」に近い。ただ若い人は使わない人が多い。(例)元気かえ?(元気かい?) 使ったらちゃんと直さんかえ(使ったらちゃんと片付けなさい)
動詞の能動詞化
「ら抜き言葉」といわれる若者言葉ではなく、かなり古くからみられた。例:見る→見れる
活用
- ナ行変格活用の残存。(但し、「往(い)ぬ」は標準語では用いない)
基本形 | 方言 | 活用形 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 | ||
死(し)ぬ・往(い)ぬ | 標準語 | -な | -に | -ぬ | -ぬ | -ね | -ね |
大分弁 | -な | -に | -ぬる | -ぬる | -ぬら | -ね・によ | |
古語 | -な | -に | -ぬ | -ぬる | -ぬれ | -ね |
基本形 | 方言 | 活用形 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 | ||
見(み)える | 標準語 | -え | -え | -える | -える | -えれ | -えろ・えよ |
大分弁 | -え | -え | -ゆる | -ゆる | -ゆれ | -えろ・えよ | |
見(み)ゆ | 古語 | -え | -え | -ゆ | -ゆる | -ゆれ | -えよ |
れる | 標準語 | れ | れ | れる | れる | れれ | れろ・れよ |
大分弁 | れ | れ | るる | るる | るれ | れろ・れよ | |
らる | 古語 | れ | れ | る | るる | るれ | れよ |
- 標準語の上一段活用・下一段活用動詞が、一段活用と五段活用との混合した活用をする。
基本形 | 方言 | 活用形 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 | ||
見(み)る | 標準語 | み | み | みる | みる | みれ | みろ・みよ |
大分弁 | みら | み | みる | みる | みら | みれ・みよ |
- ア段+い → エ段+長音 例:「辛い」→「辛え」(カレー)
- ウ段+い → イ段+長音 例:「明るい」→「明りい」(アカリー)
- オ段+い → イ段+長音、または、エ段+長音 例:「黒い」→「黒い」(クリー)、「黒え」(クレー)
音韻
- 例:「年をとって」→「としゅとっち」、「何を言っているの」→「なん、言いよんのかぇ(なんいいよんのかのぅ、なにょういいよんのかぇ)」(なにょいうちょんのかえ、とは言わない。)
- 連声 例:「みかんは」→「みかんな」
音便
早口になりやすく、音便を多用する。
共通語とは異なる音便
- ウ音便
- ワ行五段活用動詞・連用形:促音便→ウ音便 例:「思った」→「思うた」(オモータ)、「揃った」→「揃うた」(ソロータ)
- 語幹の末尾がア段の場合には、オ段への変化を伴う。例:「買った」→「買うた」(コータ)、「貰った」→「貰うた」(モロータ)
- バ・マ行五段活用動詞・連用形:撥音便→ウ音便※ 例:「遊んだ」→「遊うだ」(アソーダ)、「読んだ」→「読うだ」(ヨーダ)
- 形容詞・連用形:音便なし→ウ音便 例:「赤くて」→「赤うて」(アコーテ)、「高くて」→「高うて」(タコーテ)
- イ音便
- サ行五段活用動詞・連用形:音便なし→イ音便※ 例:「差した」→「差いた」(サイタ)、「貸した」→「貸いた」(カイタ)
- 語幹の末尾がオ段の場合には、イ段への変化を伴う。例:「残した」→「残いた」(ノキータ)、「戻した」→「戻いた」(モヂータ)
- 促音便
- ラ行五段活用動詞・連用形:音便なし→促音便※ 例:「借りた」→「借った」(カッタ)、「足りた」→「足った」(タッタ)
- 注:※を付した音便は、高齢者しか使わなくなってきている。
アクセント
アクセントは外輪型東京式アクセントに分類される。西部の日田地方は東京式ながらもやや特殊なアクセントとなり、内陸部の熊本・宮崎県境に近い所では無アクセントの地域も存在する。
共通語と異なるアクセントの語
左が共通語、右が伝統的な大分弁のアクセントである。
- や(頭高):や「矢」 - 大分では平板
- おの:おの「斧」 - 大分では尾高
- くも:くも「雲」 - 大分では尾高
- ふく(尾高):ふく「服」
- のみ(尾高):のみ「蚤」
- あいだ(平板):あいだ「間」 - 大分では尾高
- あぶら(平板):あぶら「油」
- あわび:あわび「鮑」
- いたち(平板、尾高):いたち「鼬」
- かわら(尾高):かわら「瓦」
- きもの(平板):きもの「着物」
- きんじょ:きんじょ「近所」
- せなか(平板):せなか「背中」
- たすき(尾高):たすき「襷」
- たばこ(平板):たばこ「煙草」
- ちよこ:ちよこ「千代子」(固有名詞 美代子、春子なども同様)
- つつじ/つつじ(平板):つつじ「躑躅」
- はしら(平板、尾高):はしら「柱」
- ゆうべ(尾高):ゆうべ「夕べ」
- おばさん(平板):おばさん「小母さん」 ※叔母、伯母の意味では共通語と同じアクセント
- こうもり:こうもり「蝙蝠」
- さく(平板):さく「咲く」
- ぬく(平板):ぬく「抜く」
- はいる:はいる「入る」
- おおい:おおい「多い」
- 2拍名詞第2類で共通語は尾高型、大分方言では平板型になる。このことから外輪型東京式に分類される。
- いし:いし「石」、いわ:いわ、その他「歌」「紙」「川」「旅」「寺」「梨」「夏」「橋」「旗」「肘」「冬」「町」「胸」「村」「雪」
- 3拍名詞第5類は共通語が頭高型、大分方言では中高型が多くなる。
- もみじ:もみじ「紅葉」、いのち:いのち、その他「蕨」「姿」「朝日」「涙」
- 3拍名詞第6類、第7類は共通語が平板型、大分方言では頭高型が多くなる。
- ねずみ:ねずみ「鼠」、いちご:いちご「苺」、その他「兎」「鰻」「狐」「雲雀」「雀」「蚯蚓」「後ろ」「鯨」「盥」
その他
- 「ざ」、「ぞ」→「だ」、「ど」 例:「ぞうきん」→「どうきん」
- 「のう」→「にょう」 例:「昨日」→「きにょう」
- 「らだ」→「だら」 例:「からだ」(体)→「かだら」 ※「からだ」以外の言葉で「だ」と「ら」が入れ替わる例は無い。高齢者以外にはほとんど見られない。
- 「あんな」→「あげな」、「そんな」→「そげな」、「どうにもこうにも」→「どげんこげん」など。なお、早口のときは、「あんな」→「あいな」などと変化することもある。
- 「つ tsu」→「とぅ tu」 例:「つまらん」→「とぅまらん」 - 少なくとも北部では、中年以上でこの発音をする人が時折いる。
代表的な語彙
太字部分にアクセント。
あ行
- あいい/あええ:青い。
- あたる:さわる。
- あど:踵。
- あぼ:餅。
- あゆる:強風などで、枝についている実が落ちてしまうこと。
- あらきい/あらけねえ:荒っぽい。
- あんし:「あの人」の意味。「し」は氏。
- いいちこ:県北部で使われる(中津弁)。「ちこ」は強意の接尾辞。三和酒類の麦焼酎としてよく知られる。
- いかずとうきょうべん:気取って、普段の会話も共通語で話そうとする人を馬鹿にする言葉。
- いかちい:「(性格が)悪い」のほうの「おろいい」とほぼ同じで、県北で使う。なお、「おろいい」「いかちい」はそんなに深い意味はなくても、会話の中で冗談交じりに「あんたおろいいわあ」などと使うものであり、その場合は別に人格を否定しているわけではない。ただし第三者をさして「~はおろいい」などと言う場合は別である。
- いっすんずり:渋滞がひどいさま。少し動いては止まりを繰り返す様子。、
- いっちかっち:マテバシイ、イチイガシなど、アク抜きをせずに食べられるどんぐりの類。
- いど:お尻(女性がつかう言葉)
- いびしい/いびしげねえ:汚い、気味悪い
- いやり/いあり:蟻。「家蟻」が訛ったもので、食物等を狙って家の中に侵入してくる蟻を指して言う。
- うたちい:汚い、不潔だ
- ええらしい:「かわいい」の意味。しばしば「えらしい」と発音される。
- えのは:ヤマメ(魚の名)。
- おいさん、おばさん、:親しみをこめた呼びかけ。
- おくど:釜戸。
- おじい/おでえ/おぞい/おどい:怖い
- おじゃみ:お手玉
- おっさん:和尚さん。
- おっとろしい:「恐ろしい」の意味。
- おっとろしゅなこつ:「すごいなあ」の意味の感嘆の言葉。
- おっとろっしゃのう:上に同じ。
- おらぶ:「叫ぶ」の意味。
- おろいい:北部や日田では「古い」、杵築市などでは「(性格が)悪い」の意。北部では「ずるい」の意でも用いられる。
- おんぼ/おっぽ:おんぶ。
か行
- かく:(大きなものを)持つ、担ぐ
- かたぐる:荷物などを担う。
- ~するかたで:~しながら。
- かたる:参加する・仲間に入る
- かちこわす:「かち」は強意で、「(ばらばらになるほど)ひどく壊す」の意味。
- かって:借りて(例:タオルをかってくる→タオルを借りてくる)
- かてる:参加させる・仲間に入れる
- かやす:コップなどを間違えて倒したり、液体などをこぼすこと。また、物を裏返したりすること。
- かるう:「(荷を)担う」の意味。背負う。全ての世代で使われる。大分県人が方言だと気づいていない単語の代表格。
- きちい:きつい、激しい、辛い、疲れた、具合が悪い
- きな:黄色
- きのどきい:気の毒だ。形容動詞「気の毒」が形容詞化されたもの。転じて、「恐縮です」「かたじけない」の意味で用いられる。
- きばる:用意周到に支度をする、頑張る、力を入れる。
- きいねえ:黄色い
- きびがいい:いい気味だ。
- ぎゅうらし:「仰らしい」。仰々しい。
- くで:傷が入って売り物にならない果物など。
- くびる:「結ぶ」の意味。
- くゆる:崩れる。
- くりい:黒い
- けしょうもしれん:「話題にする価値もない」という意味。
- けっちゃらきい:とにかく嫌で嫌で仕方がないときに使う。「誰々さんはけっちゃらきい」などとは言わずに、半ば独り言のように使う言葉である。これもほとんど聞かなくなった。
- げってん:性根が曲がっている。
- こき:ここ。
- こしきい/こしい:「ずる賢い」の意味。老人以外にはあまり使わない。
- ごと:「~のように」の意味。しばしば、ごと→ごつ。「ごとく」の変化と思われる。
- こびる/こびり:農作業時の間食、おやつ。
- こぶる:かじる、くいつく。
さ行
- さありゃまなあ:「そうだね」の意味。これはほとんど死語と化している。
- しおふき:アオヤギ(貝の名)。
- しかたもしれん:「(馬鹿らしいほど)つまらない」の意味。
- しかぶる、まりかぶる:子供が排泄を失敗すること。「しかぶる」は特に小用の場合を示す。
- しちくじい:「しつこい」の意味。
- しっとい:七島藺(畳表の材料)。
- じなし:意味のない会話。
- しねっと:人の性格の表裏が激しいさま。ころっと変わるさま。例1:~さんなしねっとしちょん。(~さんは表裏が激しい) 例2:~さんな先生ん前じゃおとなしゅしちょってん、先生のおらんとこじゃとしねっとわりいことんじょうする。(~さんは先生の前では静かにしているが、先生のいないところではころっと変わっていたずらばかりする)
- しゃあしい:「(音が)うるさい」「(作業が煩雑で)嫌だ」の意味。
- しゃかき:榊
- しゃっち・しゃって:「強いて」「無理に」「わざと」「しょっちゅう」の意味。
- しょうもねえ:「どうしょうもない」「つまらない」の意味。
- しょわしい:「忙しい」の意味。
- じりい:雨の降ったあとで、地面がややぬかるんでいる様子。
- しらしんけん:一所懸命
- しんけん:非常に、とても
- すかんたらしい:「好かん」の強意。「ばされえ好かん」よりもさらにひどい。
- ずつねえ:せんない、どうしようもない、身の詰まりだ。
- ずる:物事が先に進むこと。
- すもつくれん:「くだらない」「馬鹿馬鹿しい」の意味。多く年配者が使う。
- せく:「急ぐ」「混む」「逸る」「(水路などを)堰き止める」の意味。
- せごう(せがう):「いじめる」の意。
- せせろしい:「うるさい」「やかましい」の意。
- せちい:切ない、やるせない、きつい、面倒だ、情けない。
- せど:路地(通常、非常に狭い路地を指す)
- そこらそんばし:適当に、ぞんざいに。
- そでんした:賄賂。そこから派生して、雇い主と親密な関係になることで他の従業員よりも多く賃金を貰ったりして優遇されること。
た行
- たゆうさん:唄、踊りなどが上手な人への冗談交じりの呼びかけ。
- ちゃあまぁ:驚いた時に思わず出る言葉(「あらまぁ」等)。主に女性が用いる。
- ちゃいねえ:茶色い
- ちちまわす:「何回もぶん殴る」の意味。
- つば:唇
- つぶし:膝。
- つぼ:庭、空き地。
- とう:「(手や梯子などが)届く」の意味。
- ~どう:「~達」の意味。
- とうきび:とうもろこし。
- とうてん:とても。
- とぎ:友人。
- とっぱくろ:嘘、ホラ
- どべ:「びり」「最下位」の意味。びびたんとも言う。
- どろよこい:農繁期が落ち着くこと。
- とわずべん:独り言。
な行
- なおす:「(ものを)しまう」の意味。
- なしか:なんでだ? という意味だが、実際は「なしかえ」と語調を和らげる場合が多い。「夕方なしか」という本やラジオ番組があり、全県的に知名度が高い。
- なば:きのこ。主に椎茸の肉厚をさす
- なんかかる:大分市より北の地方で使われる。寄りかかるという意味。鹿児島弁でも使われる。熊本弁では「ねんかかる」と言うようだ。
- なんくりかやす:「裏返す」の強意。
- にき:「ねき」と同様に用いる。
- ねき:「~んねき」の形で使われ、意味は「~の辺り」「~の近所」。
- ねじきね:気難しい、天邪鬼な。またはそのような人。
は行
- はかわら:墓地。地名や「新」などの後につける場合、しばしば「ばから」と転訛する。例:新墓原(しんばから)
- ばされえ:「もの凄く」の意味だが老人以外あまり使わない。
- はじけえ:ワラくずが袖に入ったりしてちくちくして痒いときや、めざしなどを食べて喉がガサガサするときに使う。「はじかいい」とも言う。
- ばとこ:駐車料金や小作料など、一定の土地を借りて支払う対価。家賃などには使わない。
- はわく:「(ほうきで)はく」の意味。
- びきたん:蛙
- ふける:さえずる。この単語は下1段活用ではなく、5段活用である。したがって打消しはふけらん。
- びこ:娘(自分の子とはかぎらない)。
- ひこじる:引きずる。
- ひじい:辛い、きつい、疲れた
- ひだりい:「おなかがすいた」の意味。
- びったれ:だらしない・不潔な・汚い人
- ひどる:前を向いたまま下がる動作。加えて、目上の人に対して一歩引いた立場を取る様。
- びびんこ:めだか
- びんびんこ/びびんこ:肩車
- ひりかぶる:おもらしをする事。特に大用を示す。
- ぶっさめえ:宇佐市で使われている、面倒くさいという意味、「よだきい」に近いだろうか。
- ほかる、ほかす:「捨てる」の意味。
- ほき:崖。または崖道の難所。
- ほたる:「放っておく」「(相手を)そっとしておく」「そのままにしておく」「捨てる」の意味。
- ぼる:「(屋根から雨水が)漏れる」の意味。同じ「漏れる」でも、「話がぼる」などとはいわない。
- ほん:「とても」の意味。早く喋っているときや感情がこもったときに、「ほんに」が詰まったもの。 例:ほんちいせえ(とても小さい)
- ぼん:男の子。
- ほんなこてなあ:「ほんとだね」の意味。「さありゃまなあ」は、本心から「そうだね」と言っているのに対して、「ほんなこてなあ」の場合は相槌のようなものであり、強く同意して「ほんとだね」と言っているわけではない。(否定しているわけでもないが)
ま行
- まう:回る。
- まん:運。 例:まんがいい
- むげねえ:「かわいそう」の意味。若者にもよく使われる。むげしねぇとも言う。
- めんどしい:恥ずかしい。誤って「面倒くさい」の意味で使う若者も少なくない。
- もうが:馬鍬。
- もな:豊後高田市周辺の市町村で使われる、凄く~という意味(もなおもしれえ/もうなおもしりい→すごく面白い)。
や行
- やぜねえ:「忙しい」「せわしない」の意。
- やぜんのはなに:途端に。
- ゆんべ/よんべ:昨夜。
- よこう:休憩する。憩うの転訛。
- よだきい:めんどう、つかれたなどの気持ちを表わす、県全体、多くの世代が使う。語源は平安時代の「よだけし」。宮崎弁でも使われる。
わ行
- わやく:「いたずら」の意味。
- わくど:蛙。
- われ:あんた、お前さんといったニュアンスの呼びかけ。男性が用いる。中部では「貴様」のニュアンスの場合もある。地域によって意味するものが「お前さん」と「貴様」の場合があるので、注意が必要。