XOOPS
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プログラミング 言語 | PHP |
対応OS | クロスプラットフォーム |
種別 | Webアプリケーションフレームワーク, CMS, ブログ |
ライセンス | GPL |
公式サイト | http://www.xoops.org/ |
XOOPS (ズープス、"eXtensible Object Oriented Portal System" ) は、、ポータルシステムとして開発された コンテンツマネージメントシステム (CMS) である。ユーザーはWebサイトを多数のモジュールとテーマを用いて構築・更新する。
XOOPS は PHP で記述されている。 GPL に基づいて無償で公開されており、修正・再配布することができる。
概要
XOOPS は、ポータルシステムとして開発が始められたが、現在はWebアプリケーションプラットフォームとして発展している。機能拡張の実装においてオブジェクト指向の考え方を適用した最初期の CMS のひとつである。
モジュールをインストールすることで、小規模から大規模までの様々なWebサイトの構築に使用できる。例えば、小規模な XOOPS の利用としては個人的なブログをすぐに作成できるが、これを拡張・カスタマイズすることも容易である。すなわち、更にモジュールを追加することで、ニュース・フォーラム(掲示板)・ファイルのダウンロード用ページなどの様々なコンテンツをユーザが追加でき、またそれらのコンテンツを常に更新・改善することができる[2]。
世界中で XOOPS の利用があり、2015年1月現在では5つの言語で XOOPS の書籍が出版されている[3]。
歴史
- 2001年〜2002年1月 - PHP-Nuke ベースの myPHPNuke を基にしたバージョンが日本人開発者により発表、公開
- 2002年1月 - XOOPS 1.3.0 がリリース。初の正規安定版となる
- 2003年4月 - XOOPS 2.0.0 リリース[4]
- 2005年7月27日 - XOOPS 2.2.0 をベータとして公開[5]
- 2008年9月22日 - XOOPS 2.0 に XOOPS 2.2 の機能を結合させた XOOPS 2.3.0 を発表[6]
- 2009年10月26日 - 管理画面が一新された XOOPS 2.4.0 を発表[7]
- 2010年2月13日 - XOOPS Project 公認の日本語サポートサイトの設置[8]
- 2011年11月10日 - 管理画面の一部に Ajax を採用した XOOPS 2.5.0 を発表[9]
受賞・評価
XOOPS は多数のメディアより高い評価を受け受賞もある。
- SourceForge.net's 2006 Community Choice Awards のデベロッパーカテゴリにて First Runner-Up の地位を得た。
- eWeek によるテスト用オープンソース CMS としての高評価のため。
- 2008年、ドイツの Chip Magazine により5つ星評価。
- Adobe Edge Magazine の CMS トップ3に挙げられる。
- ONDD による『医療関係者向けオープンソース CMS トップ 100』において2位。
- 2009年、2009 Grand Prize in OSS Challenge in Korea を受賞。
- 2008年、China-Japan-Korea Open Source Software Contest Award を受賞。
- イギリスの出版社 Packt による 2009 Best Overall CMS Award category のトップ5ファイナリストに選出[10]。
- XOOPS の生みの親である Onokazu 氏および開発リーダーである Taiwen Jiang は、2008年・2009年の Packt awards において "Open Source CMS Most Valued People" に共に選出されている。
特徴
- コミュニティ
- XOOPS は GNU General Public License (GPL) の条件下で公開されており、コミュニティベースの開発がなされている。
- アクセスコントロールレイヤー
- 管理者は編集・削除・アップロードのような操作に対し、各々のユーザーやグループに関してアクセス権を設定できる。
- モジュール化
- 管理システムより使用するモジュールのインストール・アンインストール・有効化・無効化処理ができる。
- コア機能のモジュールによる使用が可能
- 許可・コメント・通知・ブロック機能等、多数のコア機能が各モジュールにおいて利用可能である。
- パーソナライゼーション
- サイト上の個々の要素に対して、管理者はアクセスおよび制御の権限をユーザー毎に個別に設定することが可能。
- ユーザ管理
- 多様な条件を用いたユーザ検索ができ、ユーザに対する電子メールおよびプライベートメッセージを介したテンプレート・ベースのメッセージの(一斉)送信が可能。
- 多国語サポート
- XOOPS コミュニティは非英語圏にも多数の公式サイトがある。さらに、XOOPS 自体はマルチ・バイト文字セット(日本語の文字を含む)をサポートする。
- テーマベースのスキンを変更できるインターフェース
- XOOPS はページ表示にテーマを使用する。管理者・ユーザはテーマを選択し、Web サイトの表示を変更することができる。
- テンプレートエンジン
- XOOPS はロジック間の簡素化やキャッシュ機能を保障する Smarty をテンプレートエンジンとして使用する。
- SEO アドオン
- 多数の XOOPS モジュールが検索エンジンによるWebサイトのインデックス化を容易にするための機能(<meta> タグ、<title> タグ、および URL rewrite 機能など)を有する。しかし、ユーザは XOOPS 内の URL を自由に変更できるようになるわけではない。URL rewrite が可能な場合に、検索エンジンを撹乱するリダイレクトをしばしば行うためである。
- また、XOOPS のモジュールの中には複数の URL に対して同一の情報を提供することで重複したコンテンツを作成するものもある。一方で、(特に多言語対応がなされているサイトにおいて、)複数の組み合わせのコンテンツが同一の URL より入手可能となる場合もある。
動作環境
XOOPS 2.5.6 現在での動作環境は下記の通り[1]
モジュールの後方互換性
XOOPS 2.3 より、デフォルトの文字コードが UTF-8 となっている[6]。 XOOPS 2.3 以降向けのモジュールでは MySQL の使用文字コードを UTF-8 に決め打ちしているものもあり、古いバージョンの MySQL では動作しない状況も増えている。
基本的に、モジュールのサイトにおける表示デザインは XOOPS 2.0 でのそれを継承しており、XOOPS 2.0 のモジュールも多くは動作可能である。加えて、ベータ公開されていた XOOPS 2.2 のモジュールも最新バージョンでは対応されている。
バージョン
XOOPS Project では XOOPS 2.0 系とは別に、機能拡張のためのベータ版として XOOPS 2.2 が開発された[5]。その後、XOOPS 2.0 のモジュール動作を可能にさせると共に XOOPS 2.2 の機能追加にも対応させた XOOPS 2.3 が公開された[6]。後に、管理画面を一新させる等、機能を一新させた XOOPS 2.4 が公開され、[7]更に一部管理機能に Ajax を採用して操作性を向上された XOOPS 2.5 が公開された[9]。
XOOPS 2.0
XOOPS 2.0 は、多くのユーザーを獲得し XOOPS の普及要因となり、現在でも汎用CMSとして世界中で幅広く利用され多数のモジュールが公開されている。本バージョンが普及するにつれて次第に開発コミュニティが肥大化・多国籍化し、チームの分割を行うなど開発の体制作りを進めるも、意思決定の遅れなどからセキュリティパッチの適用の遅延、マルチバイト処理の整合性が失われる変更が発生するなどの混乱が生じた[11]。この事態に接した日本人の開発コミュニティは、日本におけるサポート体制の分離を受けて、日本コミュニティによる独自バージョンとなる XOOPS 2.0.x JP プロジェクトを派生させた[11]。2.0.x JP 系列のバージョンは後の XOOPS Cube Legacy への開発・公開へと繋がっている。
その他、XOOPS 2.0 を XOOPS Cube や現行の XOOPS Project による最新版から独立してサポートする動きもあったが、現在は同バージョンのサポート・配布は停止されている。
現在の開発体制
XOOPS Project によって XOOPS が引き続き製作・公開されている。
日本では日本語サポートから XOOPS Cube が派生したため、XOOPS Cube の方が知名度が高いが、海外では XOOPS の利用者が多い[要出典]。
XOOPS Project では「XOOPS」という名称を継続使用しているが、XOOPS Cube との分離直後からロゴを一新させている。
ローカライゼーション
XOOPS の日本語等へのローカライゼーション対応は XOOPS Cube の分離後、公式にはしばらく行われていなかったが、その間個人やグループで日本語言語ファイルを公開する動きがあった。その後、XOOPS Project 公認の XOOPS 日本語サポートサイトが別途立ち上げられ、2.4 〜 2.5 をサポートした。現在では同サポートサイトは閉鎖し、公式な日本語サポートを行うサイトは、再度失われた状況となっている。
その他の XOOPS 日本語版に関連する動き
XOOPS および XOOPS JP 等より数多くの CMS が派生しており、下記はその一例である[4]。
- XOOPS Cube Legacy
- XOOPS JPEx - XOOPS Cube が独自サポートした XOOPS 2.0 JP をベースに、セキュリティサポートしたバージョン
- TOKYOPen - XOOPS Cube Legacy からの派生
- ImpressCMS
- NetCommons - 1.x系は XOOPS をベースに開発された。
XOOPS は PHP-Nuke からの派生であるが、ソースコードはほぼ独自のものとされる[12]。
2010年11月、本家 XOOPS プロジェクトから XOOPS Cube に対するプロジェクト統合の働きかけが行われている。
関連項目
脚注
- ^ a b “XOOPS 2.5.7 Final Released”. XOOPS. 2015年4月14日閲覧。
- ^ Spick, Goeff. “Latest XOOPS Web CMS Release Bolsters Admin Usability”. CMS Wire. October 27, 2009閲覧。
- ^ “XOOPS Books - XOOPS - XOOPS News :: XOOPS Web Application System”. XOOPS. January 20, 2015閲覧。
- ^ a b XOOPS年表 XGUJ
- ^ a b XOOPS 2.2 Released
- ^ a b c XOOPS 2.30 Final Is Released
- ^ a b XOOPS 2.4.0 FINAL Is Released
- ^ XOOPS Japanese Support is online
- ^ a b XOOPS 2.5.0 Final Released
- ^ Ruby, Bryan. “Finalists in Packt's 2009 Open Source CMS Award announced”. CMS Report. September 22, 2009閲覧。
- ^ a b “XOOPS Cube日本サイト”. インターネット・アーカイブ. January 24, 2015閲覧。
- ^ XoopsとPHP-Nukeの関係は?
外部リンク
- Powered by You! :: XOOPS Web Application System - XOOPS Project による公式サイト
- 日本XOOPSユーザーズグループ
- XOOPS九州ユーザー会(XOOPS9)