ボエーム
『ボエーム』は1800年代初期にアンリ・ミュルジェール(1822年-1861年)の一連の雑誌記事で初めて登場し、度々翻案された物語である。これらの記事は1949年に『ボヘミアン生活』として戯曲化、その後小説『ボヘミアン生活の情景』として1851年にパリで出版された。また、いくつかのオペラにも翻案され、なかでもプッチーニの作品が有名である。
物語にはフランスのボヘミアン芸術家一派のグループが登場する。かれらは貧しく女性の仲間のなかには娼婦をしているものもいる。このため、結核を患う登場人物の一人がロマンティックな恋愛と、病気回復のおりあいをつけねばならなくなり、こみ行った状況を生じさせることとなる。
また1996年初演のミュージカル『レント (ミュージカル)|レント』はプッチーニの『ラ・ボエーム』を下敷きにしていほか、また映画『ムーラン・ルージュ』(2001年)もまた、概略このあらすじに基づいている (この映画のバズ・ラーマン監督は、これに先立ちオーストラリアで『ラ・ボエーム』を演出してたが、この時代設定を現代に移した『"レント版" ラ・ボエーム』は評判を呼び。2002年にはブロードウェイでも公開された。
『ボエーム』、あるいは「死にゆく娼婦」を題材とした諸版
- 『ボヘミアン生活』 アンリ・ミュルジェールの短編集
- 『ボヘミアン生活』 上にもとづく戯曲 (1848年)
- 『椿姫』 アレクサンドル・デュマ (フィス) (1848年)
- 『ボヘミアン生活の情景』 ミュルジュールの小説 (1849年)
- 『椿姫』 ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ (1853年)
- 『ラ・ボエーム』 ジャコモ・プッチーニのオペラ (1896年)
- 『ラ・ボエーム』 ルッジェーロ・レオンカヴァッロのオペラ (1897年)
- 『椿姫』 ジョージ・キューカー監督の映画 (1936年) グレタ・ガルボ主演
- 『カミーユ』 チャールズ・ラドラムによる演劇 (1974年)
- 『レント』 ジョナサン・ラーソンのミュージカル (1996年)
- 『ムーラン・ルージュ』 バズ・ラーマン監督の映画 (2001年)