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鬼面川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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鬼面川
鬼面川 2016年8月31日撮影
米沢市の松ヶ根橋から眺める鬼面川。台風の影響で増水している
水系 一級水系 最上川
種別 一級河川
延長 32.936[1] km
流域面積 約110 km2
水源 不洞沢の合流地点(米沢市
河口・合流先 最上川(高畠町
流路 山形県米沢市東置賜郡川西町高畠町
流域 山形県米沢市、東置賜郡川西町、高畠町
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鬼面川(おものがわ)は、山形県を流れる一級河川最上川の支流である。

概要

米沢市西部を流れ、川西町高畠町の町境を経て最上川に合流する。延長は32.936km、流域面積は約110km2。上流部は小樽川(こたるがわ)とも呼ばれる。

源流は大峠北部にあり、八谷沢、天狗沢、不洞沢[2]などの支流を合わせる。八谷沢と不洞沢の合流地点から鬼面川(小樽川)となり、北北西から北へ流れる。入田沢から口田沢の付近で北東方向へ流れを変え、米沢盆地西縁の玉庭丘陵を広く開析する。館山付近で南の白布温泉方面から流れてきた大樽川を合わせる[3]。以後も北東から北北東へ流れ、米沢市北部から川西町と高畠町の町境を経て、川西町州島(すのしま)・高畠町上平柳および夏茂付近の町境上で最上川に合流する。大樽川合流地点より上流は国道121号会津街道)に沿って流れている。支流の大樽川と合わせて鬼面川扇状地を形成している[4]

古くから用水として利用され、江戸時代の米沢藩では慶長15年(1610年)に既に直江兼続により帯刀堰と木場川が築かれ米沢城の城下町北西部の用水として利用されている。以後も堀金堰、高山堰、州島堰、元堰、田谷堰が築かれ、米沢盆地西部の村の灌漑に利用された。また林業にも使用され、上流の各村から切り出した木材を米沢の城下町へ流して、木場川を経由して米沢城下の木場町まで運び、米沢の薪木の大半を賄っていた。この木流しは近代に入り自動車輸送に切り替えられるまで存続していた[5]

かつては流路の変遷が著しく、時代によって成島・塩井・窪田(いずれも米沢市内)を経たり、塩野の南を経たりして最上川に合流していた[5]

河川名の由来は、小野小町が病後のやつれた顔を映したところ鬼のように見えたためという伝説があるほか、「おも(面)の(野)」の意味であるという説、アイヌ語の「氾濫する川」に由来するという説がある[4][6][7]

支流

上流より記載

  • 小樽川
    • 八谷沢
      • 天狗沢
        • 大猿倉沢
    • 蓼沼沢
    • 不洞沢(普洞沢)
    • 大荒沢
    • 小荒沢
    • 白夫沢
    • 脇之沢
    • 松尾沢
  • 大樽川
    • 淀沢
    • 藤右ェ門沢
      • 小和須知沢
      • 湯ノ入沢
    • 大矢櫃
    • 滝沢
    • 大白布沢
    • 大佐田川
    • 綱木川
      • 中丸沢
      • 岩利沢
      • 二ノ沢
      • 大沢
      • 烏川
        • 助ノ沢
    • おその沢
    • 太田川 - 流路上に「鬼面川貯水池」を持つ。
      • 桂沢
      • 笹沢

橋梁

上流より記載

小樽川
  • 水沢橋
  • 座留橋
  • 湯ノ花橋
  • 上ノ在家橋
  • 上屋敷橋
  • 下屋敷橋
鬼面川

脚注

  1. ^ 山形県県土整備部河川部『平成28年6月1日現在 山形県河川調書』78頁。指定区間と指定外区間の合計。
  2. ^ 普洞沢とも表記される。
  3. ^ 鬼面川と小樽川を分ける場合は、大樽川との合流地点より上流を小樽川、下流を鬼面川とする。
  4. ^ a b 『角川日本地名大辞典 6 山形県』 角川書店、1981年、208頁。
  5. ^ a b 『日本歴史地名体系第六巻 山形県の地名』 平凡社、1990年、75頁。
  6. ^ 『山形県大百科事典』 山形新聞・山形放送、昭和58年、128頁。
  7. ^ 安彦良重 『山形県の地名―その語源をたずねて―』 高陽堂書店、1978年、45頁。

参考文献

  • 国土地理院 2万5千分の1地形図 飯森山、白布温泉、入田沢、米沢、米沢北部、糠野目

関連項目

外部リンク