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エド語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エド語
Ẹ̀dó
話される国 ナイジェリアの旗 ナイジェリア
地域 エド州
話者数 100万人
言語系統
表記体系 ラテン文字
言語コード
ISO 639-2 bin
ISO 639-3 bin
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エド語(エドご、Edo、声調記号付き: Ẹ̀dó [ɛ̀dó])は、ボルタ・ニジェール語群に属する言語である。話者は主にナイジェリアエド州に居住するエド人英語版

言語名別称

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  • ビニ語 Bini
  • Addo
  • Benin
  • Oviedo
  • Ovioba

音韻論

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エド語はエドイド諸語の平均的な子音数を持っている。鼻音は/m/だけであるが、13個の口音、すなわち/ɺ, l, ʋ, j, w/と8個の破裂音を持つ。鼻母音の前で[n, ɲ, ŋʷ]のような鼻音化した異音を持つ。母音は7つ/i e ɛ a ɔ o u/持ち、すべて長母音、鼻音化し、3つの声調を持つ。音素構成は単純で多くてもCVVである。VVは長母音か/i, u/の組合せに、口母音か鼻母音の違いが追加されたものである。

  両唇音 唇歯音 歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 両唇軟口蓋音 声門音
鼻音 [m]            
破裂音 [p  b]
[pm bm]
[t  d]
[tn dn]
[k  ɡ]
[kŋ ɡŋ]
[k͡p  ɡ͡b]
[k͡pŋ͡m ɡ͡bŋ͡m]
 
摩擦音 [f  v] [s  z] [x  ɣ]   [h]
上寄り 接近音   [ɹ̝̊  ɹ̝]        
接近音   [ʋ]
[ʋ̃]
[l  ɹ]
[n  ɾ̃]
[j]
[ɲ]
  [w]
[ŋʷ]
 

3つのR音は有声と無声のふるえ音にゆるみ音の英語型接近音を追加して表現してきた。しかしながらラディフォギッド[1]は、3つの接近音であるとした。有声-無声の対と上寄り(摩擦音無しで)で表現し、3つを比較するとわずかな違いの調音部位があるだけで、ふるえ音では無い。

エド語のアルファベットは鼻音化した異音ための文字で分けられる。 /ʋ//l/, mwn:

A B D E F G Gb Gh H I K Kh Kp L M Mw
/a/ /b/ /d/ /e/ /ɛ/ /f/ /ɡ/ /ɡb/ /ɣ/ /h/ /i/ /k/ /x/ /kp/ /l/ /m/ /ʋ/
N O P R Rh Rr S T U V Vb W Y Z
/l/ /o/ /ɔ/ /p/ /ɹ/ /ɹ̝̊/ /ɹ̝/ /s/ /t/ /u/ /v/ /ʋ/ /w/ /j/ /z/

長母音は文字を重ねることにより表記される。鼻母音は最後に-nとするか最初に鼻音で始まるかで表記される。声調はアキュート・アクセントグレイヴ・アクセント、記号なしで表記されるか最後に-h (-nh 鼻母音を伴う場合)で表記される。

Melzian (1937:xi) は vb を有声両唇摩擦音IPA: [β])と同定したが Ogieiriaixi (1973:23) はこれを否定し有声唇歯接近音(IPA: [ʋ])であり、また有声両唇接近音(IPA: [β̞])の可能性もあると述べている。

形態論

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統語論

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脚注

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  1. ^ Ladefoged, Peter; Maddieson, Ian (1996). The Sounds of the World's Languages. Oxford: Wiley-Blackwell. ISBN 978-0631198154

参考文献

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英語:

関連文献

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英語:

  • Agheyisi, Rebecca N. (1986). An Edo-English dictionary. Benin City: Ethiope. ISBN 9781232536. NCID BB16632525 (エド語-英語辞書。)

関連項目

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外部リンク

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