エンド・オブ・デイズ
エンド・オブ・デイズ | |
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End of Days | |
監督 | ピーター・ハイアムズ |
脚本 | アンドリュー・W・マーロウ |
製作 |
アーミアン・バーンスタイン ビル・ボーデン |
製作総指揮 |
マーク・エイブラハム トーマス・エイ・ブリス |
出演者 | アーノルド・シュワルツェネッガー |
音楽 | ジョン・デブニー |
主題歌 |
ガンズ・アンド・ローゼズ 「Oh My God」 |
撮影 | ピーター・ハイアムズ |
編集 | スティーヴン・ケンパー |
製作会社 | ビーコン・ピクチャーズ |
配給 |
ユニバーサル・ピクチャーズ 東宝東和/ギャガ |
公開 |
1999年11月24日 1999年12月25日 |
上映時間 | 122分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
英語 ラテン語 |
製作費 | $100,000,000[1] |
興行収入 |
$211,989,043[1] 31億4000万円[2] |
『エンド・オブ・デイズ』(End of Days)は、1999年に公開されたアメリカ合衆国のホラーアクション映画。アーノルド・シュワルツェネッガー主演、ピーター・ハイアムズ監督。
日本版ポスターなどでのキャッチコピーは、「1000年紀《ミレニアム》最後の衝撃」。
ストーリー
[編集]1979年のバチカンに「サタンの子を宿す運命を持った女が生まれる」という預言がもたらされる。その頃、ニューヨークでは1人の妊婦が奇妙な痣を持つ娘を出産していた。
20年後の1999年12月29日。かつて妻子を理不尽に失った経験から神への信仰を捨てて刑事を辞め、現在はニューヨークの民間警備会社に勤めているジェリコ・ケインは、株屋と呼ばれる男を護衛するチームの一員になる。株屋は屋上からスナイパーに狙撃されるが、直前に気付いたジェリコによって難を逃れる。ジェリコがスナイパーの男を地下鉄の線路内に追い詰めると、男は突然「ミレニアムは終わり、サタンが復活する」と叫んで銃を構えたため、ジェリコは足を撃って男を気絶させる。しかし、まもなく駆けつけた女刑事のマージによれば、男には舌がなかったという。
気になったジェリコは男の住処を突き止め、そこで彼が自ら切り取った舌と、若い女の写真を見つける。さらに、遅れて到着したマージから男が元神父のトマス・アキナスであることを聞き出したジェリコは、トマスの情報を得ようと彼の元所属先である教会へ向かうが、対応したコバック神父は信仰を捨てているジェリコに取り合わない。
12月30日。ジェリコが話を聞き出そうとトマスの入院先の病院へ向かったところ、彼は天井に括りつけられて死んでいた。トマスの体に刻まれた文字列から、写真の女がクリスティーン・ヨークであることが判明するが、彼女は自宅で謎の男たちに殺されそうになる。相棒のボビーと共にクリスティーンを救出したジェリコは、男が持っていた首飾りから彼らがバチカンの騎士であると気付く。
ジェリコがクリスティーンと共に事態を把握しようとしていたところ、ボビーの待機していた自動車を含む数台が爆発を起こし、クリスティーン宅も炎に包まれる。クリスティーンを逃がそうと考えたジェリコは、襲いかかってきた面々を返り討ちにして教会へ向かい、コバック神父に今度こそ事情を説明するように求める。コバック神父によれば、復活したサタンが人間に憑依し、12月31日の夜に奇妙な痣を持つクリスティーンと子供を作ることにより、現世を滅ぼそうとしているという。
ジェリコはコバック神父の話を信じず教会を去ろうとするが、クリスティーンは教会の庇護下に入ることを選ぶ。仕方なくジェリコが自宅に戻ると、中には株屋が待ち構えており、サタンとしての本性を表す。病室のトマスを襲撃したうえ、ボビーの車を爆破したのもクリスティーン宅を焼失させたのも、サタンの仕業だった。サタンはジェリコに彼の妻子が強盗たちに殺害された際の光景を再現してみせ、「何もしない神ではなく自分の味方になれば妻子を取り戻してやる」と唆す。しかし、ジェリコはサタンを拒絶して撃退すると、無事な姿で訪ねてきたボビーに車を教会へ寄越すよう頼む。
教会に戻ってきたジェリコが騎士たちに殺されそうなクリスティーンを助けたところ、その場にサタンが現れて騎士や神父たちを惨殺していく。教会の外には悪魔教の信者たちが迫っており、会社の車で駆けつけたボビーと共に逃げようとするが、サタンの手先と化していた彼はクリスティーンだけを乗せ、ドアをロックする。残されたジェリコは信者たちによる暴行を経て磔にされ、クリスティーンはサタンに連れ去られてしまう。
12月31日。ジェリコはサタンの手から逃れていたコバック神父に助けられるが、意識を取り戻すと時間は午後7時を迎えようとしていた。警備会社に向かったジェリコは満身創痍の体にありったけの武器や装備を纏うと、ボビーが乗ってきた車の位置を探り、地下で行われるサタン復活の儀式に潜入する[注 1]。儀式を妨害してクリスティーンを奪還した後、逃げ込んだ先の地下鉄の車両内ではサタンとの死闘になるが、なんとか撃退して逃走する。しかし、サタンは治癒が追いつかなくなった株屋の肉体から抜け出て、霊体状と化してジェリコたちの後を追う。
新年を迎えるまで10分を切った頃、ジェリコは街角の教会に逃げ込んでクリスティーンに隠れるよう告げ、銃を捨てて神に助力を乞う。そこに霊体状のサタンが現れ、隙を突いてジェリコに憑依し、彼の振りをして祭壇にクリスティーンを組み敷く。しかし、辛うじて自我を取り戻したジェリコはクリスティーンを逃がすと、倒れた天使像が掲げていた剣先に身を投げ出し、自らの胸を貫く。
新年を迎えると同時にサタンは地底へ引き戻され、ジェリコの目の前には愛する妻子が現れていた。妻子との再会に安らかな笑みを浮かべて息を引き取るジェリコを見届けたクリスティーンは、彼の手を取って心から感謝する。街では人々が2000年を迎えたことに沸き立っていた。
登場人物
[編集]- ジェリコ・ケイン
- 民間警備会社で働く男。元刑事。株屋を狙った男からクリスティーンにたどり着き、彼女を襲撃者から必ず守ることを決意する。
- サタンの誘惑にも負けない強い心を持つが、かつて刑事時代に不正を告発したところ、その報復として妻と娘を殺害されたことから、神への信仰を捨てて刑事を辞めたという辛い過去に苦しめられており、現在は自殺願望に駆られながら毎日を過ごしている。
- 株屋 / サタン
- 民間警備会社に護衛を頼んだ男。元はただの人間だったが、霊体状のサタンに肉体を奪われた際に自我は消失しており、成り代わったサタンがクリスティーンを自身の妻になる女として狙う。
- 冷酷な性格であり、役に立たない者は容赦なく命を絶つが、使い道のある者は蘇らせもする。爆炎を操る能力で対象を攻撃するほか、株屋の肉体から可燃性の黒い小便を放つ能力も持つ。少々の傷は瞬時に治癒し、それの追いつかない傷を負ってもサタン自身が死ぬことはない。身体能力もきわめて高く、大柄なジェリコを軽い蹴りで吹き飛ばせる。なお、株屋の肉体を奪って早々に他人の人妻の胸を揉んでキスする[注 2]、エイブルの妻にその娘を交えて3人で性行為を行うなど、性欲旺盛でもある。
- クリスティーン・ヨーク
- サタンの子を宿すと預言された女性。実の両親は他界しており、現在はメイベルの養子である。サタンの影響で幻覚や悪夢に悩まされている。
- ボビー・シカゴ
- ジェリコの相棒。ジェリコに協力してクリスティーンを救出した後、自身は車ごと爆死したと思われていたが、まもなくジェリコの自宅にやってくる。実は車の爆発は黒い小便を導火線のように用いたサタンによるものであり、爆死させられたうえで手先として蘇生させられ、クリスティーンを奪還したジェリコの殺害を命令されるが、彼への友情を捨てきれず銃を撃てなかったことからサタンに見限られ、焼き殺されてしまう。
- コバック
- 神父。サタンの復活を阻止するためにクリスティーンを守ろうとする。
- マージ
- 女刑事。ジェリコの元同僚であるが、実は悪魔教の手先でもある。クリスティーンを逃がそうとするジェリコを殺そうとして返り討ちに遭って死亡した後、サタンによって蘇生させられる。儀式に潜り込んだジェリコに気付いて背後に忍び寄るが、再び返り討ちに遭って死亡する。
- メイベル
- クリスティーンの養母。クリスティーンが生まれた場にいた看護師でもある。実は悪魔教の信者であり、夫と共にクリスティーンを監視していたが、ジェリコとクリスティーンに逃げられたことからサタンに見限られ、殺害される。
- エイブル
- 精神科医。クリスティーンのかかりつけ医であるが、実は悪魔教の信者にしてメイベルと同じく監視役でもある。なお、妻と娘は自宅へやってきたサタンに魅入られ、3人での性行為に耽る。
- トマス・アキナス
- 元神父にして預言者。秘密を他者に明かすことを避けるため、自らの舌を切り取っている。クリスティーンを守ろうと奔走し、サタンの憑依した株屋を狙撃するが、ジェリコによって阻まれて警察に逮捕された後、入院先の病院でサタンに襲撃される。病室の天井に磔にされた姿は訪ねてきたジェリコによって発見され、下に降ろされた後でいったん息を吹き返すが、サタンに籠絡されていた監視役の警察官に射殺される。
- アルビーノ
- 悪魔教の信者。
- ケロッグ
- ジェリコとボビーが所属している会社の上司。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | テレビ朝日版 | ||
ジェリコ・ケイン | アーノルド・シュワルツェネッガー | 玄田哲章 | |
株屋/サタン | ガブリエル・バーン | 小川真司 | 津嘉山正種 |
クリスティーン・ヨーク | ロビン・タニー | 小林さやか | 林真里花 |
ボビー・シカゴ | ケヴィン・ポラック | 麦人 | 岩崎ひろし |
コバック神父 | ロッド・スタイガー | 稲垣隆史 | 堀勝之祐 |
マージ | CCH・パウンダー | 塩田朋子 | |
メイベル | ミリアム・マーゴリーズ | 藤夏子 | 野沢雅子 |
エイブル | ウド・キア | 佐々木梅治 | 有本欽隆 |
トマス・アキナス | デリック・オコナー | 千田光男 | 水野龍司 |
アルビーノ | ヴィクター・ヴェルナド | 後藤哲夫 | 立木文彦 |
カーソン | ロバート・レッサー | 仲野裕 | |
ローマ法王 | マーク・マーゴリス | 佐々木敏 | 三谷昇 |
枢機卿 | マイケル・オハガン | 仲野裕 | 佐々木梅治 |
ケロッグ | ジャック・シアラー | 岩田安生 | 手塚秀彰 |
修道士 | モー・ガリーニ | 中田和宏 | 松本大 |
神父の助手 | デイヴ・フランコ | 大黒和広 | 諸角憲一 |
車掌 | ウォルター・フォン・ヒューン | 後藤哲夫 | |
実業家 | スティーブ・クレイマー | 稲垣隆史 | |
病院の警官 | ジョン・ニールセン | 成田剣 | 星野充昭 |
トマスの担当医 | エリオット・ゴールドワーグ | 佐々木敏 | 水野龍司 |
エイブルの妻 | リン・マリー・セイガー | なし | |
エイブルの娘 | リンダ・パイン | 八十川真由野 | 朴璐美 |
エミリー | デニス・D・ルイス | 佐藤しのぶ | |
エイミー | レネー・オルステッド | 松下亜紀 | |
ジェリコの妻子を殺す強盗 | スヴェン=オーレ・トールセン | なし | |
その他 | 野島昭生 | 唐沢潤 小暮英麻 藤井佳代子 吉田孝 鳥畑洋人 矢薙直樹 | |
演出 | 松川陸 | 蕨南勝之 | |
翻訳 | 平田勝茂 | 武満真樹 | |
効果 | リレーション | ||
調整 | 山田太平 | ||
制作 | ムービーテレビジョン | ||
初回放送 | 2001年12月16日 『日曜洋画劇場』 35周年特別企画 (21:00~23:09) |
スタッフ
[編集]- 監督:ピーター・ハイアムズ
- 製作:アーミアン・バーンスタイン、ビル・ボーデン
- 脚本:アンドリュー・W・マーロウ
- 撮影:ピーター・ハイアムズ
- 音楽:ジョン・デブニー
評価
[編集]レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは102件のレビューで支持率は11%、平均点は3.80/10となった[3]。Metacriticでは33件のレビューを基に加重平均値が33/100となった[4]。
逸話
[編集]メイベル役のミリアム・マーゴリーズは、本作でのアーノルド・シュワルツェネッガーを「これまで共演した俳優で最も嫌い」と断じ、2022年放送の番組にて挙げている[5]。その理由は、格闘戦の撮影中にわざと顔の前で放屁されたというものであった[5]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “End of Days (1999)” (英語). Box Office Mojo. 2010年10月22日閲覧。
- ^ 2000年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟 2017年10月30日閲覧。
- ^ "End of Days". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2022年11月13日閲覧。
- ^ "End of Days" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2022年11月13日閲覧。
- ^ a b “『ハリー・ポッター』スプラウト先生役ミリアム・マーゴリーズ、一番キライな共演者を暴露! 「彼は私の顔に向かってオナラをした」 その超大物俳優とは・・?”. tvgroove (TVグルーヴ・ドット・コム). (2022年7月22日) 2024年10月1日閲覧。