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キング・アニマル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『キング・アニマル』
サウンドガーデンスタジオ・アルバム
リリース
録音 ワシントン州シアトル スタジオX英語版、アヴァスト・レコーディング[3]
ジャンル グランジオルタナティヴ・ロック
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗リパブリック・レコード
欧州連合の旗ヴァーティゴ
プロデュース サウンドガーデン、アダム・キャスパー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 4位(ニュージーランド[6]
  • 5位(アメリカ[7]、デンマーク[8]
  • 6位(オーストラリア[9]、カナダ[7]
  • 9位(スイス[10]
  • 10位(ドイツ[11]、フィンランド[12]
  • 13位(ノルウェー[13]
  • 18位(イタリア[14]
  • 19位(オーストリア[15]
  • 21位(イギリス[16]
  • 22位(スペイン[17]
  • 24位(オランダ[18]
  • 25位(スウェーデン[19]
  • 43位(ベルギー・フランデレン地域[20]
  • 46位(ベルギー・ワロン地域[21]
  • 67位(日本[1]、フランス[22]
  • サウンドガーデン アルバム 年表
    Live on I-5
    (2011年)
    キング・アニマル
    (2012年)
    Echo of Miles: Scattered Tracks Across the Path
    (2014年)
    テンプレートを表示

    キング・アニマル』(King Animal)は、サウンドガーデン2012年に発表した6作目のスタジオ・アルバム。再結成後としては初の新作アルバムに当たる[2]

    また、本作はフロントマンのクリス・コーネルが2017年に死去し、2019年にバンドが解散する前にリリースされた、バンドにとって最後のスタジオ・アルバムとなった。

    背景

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    バンドは1997年4月9日に一度解散したが、2010年に再結成してライブ活動を再開し、コンピレーション・アルバム『Telephantasm』(2010年)とライブ・アルバム『Live on I-5』(1996年録音・2011年発売)のリリースを経て、本作の発表に至った[23]。なお、これらのアルバムはA&Mレコードとの契約消化のためのリリースで、バンドはレコーディング契約がない状態で本作をレコーディングし、完成後にリパブリック・レコードとの契約を得た[24]。本作のアートワークを手がけたジョシュ・グラハムは、ニューロシスの美術・映像担当者としても知られ、2009年にキム・セイルと出会ったのをきっかけに、バンドのクリエイティヴ・ディレクターに指名された[25]

    収録曲「バイ・クルックド・ステップス」は5/4拍子のリズムを取り入れた曲で、ミュージック・ビデオデイヴ・グロールが監督し、deadmau5が警官役でカメオ出演した[26]。また、「タリー」はベン・シェパードがサウンドガーデンの解散前に作った曲が原型となっており、14/4拍子のリズムが導入された[27]。「アイリッズ・マウス」には、パール・ジャムのギタリストであるマイク・マクレディクリス・コーネルおよびマット・キャメロンと共にテンプル・オブ・ザ・ドッグで活動していたこともある)がゲスト参加した[28]。なお、本作収録曲のデモ・ヴァージョンのうち6曲は、2013年のレコード・ストア・デイ(4月20日)に限定発売された10インチLPに収録されている[29]

    本作のプロモーションの一環として、コンバースとのコラボレーションによるスニーカー「サウンドガーデン・チャック・テイラー・オール・スター」(本作のアートワークがデザインに取り入れられている)が、60足限定で発売された[30]

    反響

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    母国アメリカでは発売初週に約8万3千枚を売り上げ、総合アルバム・チャートのBillboard 200では初登場5位となり[31]、バンドにとって5作目の全米トップ40アルバムとなった[7]。また、『ビルボード』のハード・ロック・アルバム・チャートでは1位を獲得し、ロック・アルバム・チャートでは最高2位を記録した[7]

    全英アルバムチャートでは3週トップ100入りして最高21位を記録し、『ダウン・オン・ジ・アップサイド』(1996年)以来となる全英トップ40入りを果たした[16]

    評価

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    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「往年よりも汚らしいユーモアに欠けることを除けば、サウンドガーデンらしさは貫かれている」と評している[32]。Ray Van Horn, Jr.はBlabbermouth.netのレビューで10点満点中8.5点を付け「メインストリーム・ロックのリスナーは、"Spoonman"や"Black Hole Sun"に匹敵する曲がないと不平を言いながらも喜ぶだろう。そして、1988年の『ウルトラメガ・OK』からサウンドガーデンの旅路を追い続けてきた人々こそ、特に『キング・アニマル』を歓迎すると思われる」と評している[4]。また、ダン・マーティンは『NME』誌のレビューで5点満点中3点を付け「クリス・コーネルがティンバランドにそそのかされて作った2009年のR&Bアルバム『スクリーム英語版』を聴いた人々は、サウンドガーデンへの復帰を切望したかもしれないが、グランジ界最強の再結成をもってしても、過去は過去でしかないことが例示された。様々な意味で猛烈に印象的だが、少々弛んでしまった感もある」と評している[5]

    収録曲

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    1. ビーン・アウェイ・トゥー・ロング - "Been Away Too Long" - 3:36
    2. ノンステイト・アクター - "Non-State Actor" - 3:57
      • 作詞:キム・セイル、クリス・コーネル/作曲:ベン・シェパード
    3. バイ・クルックド・ステップス - "By Crooked Steps" - 4:00
    4. ア・サウザンド・デイズ・ビフォア - "A Thousand Days Before" - 4:23
      • 作詞:クリス・コーネル/作曲:キム・セイル
    5. ブラッド・オン・ザ・ヴァリー・フロア - "Blood on the Valley Floor" - 3:48
      • 作詞:クリス・コーネル/作曲:キム・セイル
    6. ボーンズ・オブ・バーズ - "Bones of Birds" - 4:22
      • 作詞・作曲:クリス・コーネル
    7. タリー - "Taree" - 3:38
      • 作詞:クリス・コーネル/作曲:ベン・シェパード
    8. アトリション - "Attrition" - 2:52
      • 作詞・作曲:ベン・シェパード
    9. ブラック・サタデイ - "Black Saturday" - 3:29
      • 作詞・作曲:クリス・コーネル
    10. ハーフウェイ・ゼア - "Halfway There" - 3:16
      • 作詞・作曲:クリス・コーネル
    11. ワース・ドリームス - "Worse Dreams" - 4:53
      • 作詞・作曲:クリス・コーネル
    12. アイリッズ・マウス - "Eyelid's Mouth" - 4:39
      • 作詞:クリス・コーネル/作曲:マット・キャメロン
    13. ローイング - "Rowing" - 5:08
      • 作詞:クリス・コーネル/作曲:ベン・シェパード、クリス・コーネル

    日本盤ボーナス・トラック

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    1. ワース・ドリームス(デモ) - "Worse Dreams (demo)" - 3:20
    2. ブラック・サタデイ(デモ) - "Black Saturday (demo)" - 3:16
    3. バイ・クルックド・ステップス(デモ) - "By Crooked Steps (demo)" - 4:23
    4. ボーンズ・オブ・バーズ(デモ) - "Bones of Birds (demo)" - 3:27

    参加ミュージシャン

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    アディショナル・ミュージシャン

    • アダム・キャスパー - タンブーラ(on #4)、ピアノ(on #6)
    • ジェフ・マクグラス - トランペット(on #4, #9)
    • グレッグ・パワーズ - トロンボーン(on #4, #9)
    • バーバ・デュプリー - スタン・ギター(on #8)
    • Bullet - アディショナル・ボーカル(on #9)
    • ブラッド・スティーヴンス - サクソフォーン(on #9)
    • マイク・マクレディ - アディショナル・ギター(on #12)

    脚注

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    1. ^ a b キング・アニマル - サウンドガーデン”. オリコン. 2021年9月27日閲覧。
    2. ^ a b サウンドガーデン/キング・アニマル”. CDJournal. 音楽出版社. 2021年9月27日閲覧。
    3. ^ CD英文ブックレット内クレジット
    4. ^ a b Van Horn, Jr, Ray. “CD Review: King Animal Soundgarden”. Blabbermouth.net. 2021年9月27日閲覧。
    5. ^ a b Martin, Dan (2012年11月9日). “Soundgarden - 'King Animal'”. NME. 2021年9月27日閲覧。
    6. ^ charts.org.nz - Soundgarden - King Animal
    7. ^ a b c d Soundgarden - Awards”. AllMusic. 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月27日閲覧。
    8. ^ danishcharts.com - Soundgarden - King Animal
    9. ^ australian-charts.com - Soundgarden - King Animal
    10. ^ Soundgarden - King Animal - hitparade.ch
    11. ^ Chartverfolgung / Soundgarden / Longplay”. musicline.de. 2016年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月27日閲覧。
    12. ^ finnishcharts.com - Soundgarden - King Animal
    13. ^ norwegiancharts.com - Soundgarden - King Animal
    14. ^ italiancharts.com - Soundgarden - King Animal
    15. ^ Soundgarden - King Animal - austriancharts.at
    16. ^ a b SOUNDGARDEN | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    17. ^ spanishcharts.com - Soundgarden - King Animal
    18. ^ Soundgarden - King Animal - dutchcharts.nl
    19. ^ swedishcharts.com - Soundgarden - King Animal
    20. ^ Soundgarden - King Animal - ultratop.be
    21. ^ Soundgarden - King Animal - ultratop.be
    22. ^ lescharts.com - Soundgarden - King Animal
    23. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Soundgarden - Biography”. AllMusic. 2021年9月27日閲覧。
    24. ^ Martins, Chris (2012年11月2日). “Animal Instinct: The Return of Soundgarden”. SPIN. 2021年9月27日閲覧。
    25. ^ Bobbitt, Melissa (2014年9月2日). “The Sound(garden) and the Fury of Creative Director Josh Graham”. Paste. 2021年9月27日閲覧。
    26. ^ By Crooked Steps by Soundgarden”. Songfacts. 2021年9月27日閲覧。
    27. ^ Taree by Soundgarden”. Songfacts. 2021年9月27日閲覧。
    28. ^ Manning, Craig (2012年11月14日). “Album Review: Soundgarden roars back from 16-year hiatus with "King Animal"”. westernherald.com. 2021年9月27日閲覧。
    29. ^ Childers, Chad (2013年3月14日). “Soundgarden to Unleash 'King Animal' Demos for Record Store Day Vinyl Release”. Loudwire. Townsquare Media. 2021年9月27日閲覧。
    30. ^ Converse Collaborates With Soundgarden To Release Limited-Edition Sneaker”. Blabbermouth.net (2012年11月13日). 2021年9月27日閲覧。
    31. ^ Soundgarden's 'King Animal' Cracks U.S. Top 5”. Blabbermouth.net (2012年11月21日). 2021年9月27日閲覧。
    32. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “King Animal - Soundgarden”. AllMusic. 2021年9月27日閲覧。

    外部リンク

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