キング・アニマル
『キング・アニマル』 | ||||
---|---|---|---|---|
サウンドガーデン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ワシントン州シアトル スタジオX、アヴァスト・レコーディング[3] | |||
ジャンル | グランジ、オルタナティヴ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
リパブリック・レコード ヴァーティゴ | |||
プロデュース | サウンドガーデン、アダム・キャスパー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
サウンドガーデン アルバム 年表 | ||||
|
『キング・アニマル』(King Animal)は、サウンドガーデンが2012年に発表した6作目のスタジオ・アルバム。再結成後としては初の新作アルバムに当たる[2]。
また、本作はフロントマンのクリス・コーネルが2017年に死去し、2019年にバンドが解散する前にリリースされた、バンドにとって最後のスタジオ・アルバムとなった。
背景
[編集]バンドは1997年4月9日に一度解散したが、2010年に再結成してライブ活動を再開し、コンピレーション・アルバム『Telephantasm』(2010年)とライブ・アルバム『Live on I-5』(1996年録音・2011年発売)のリリースを経て、本作の発表に至った[23]。なお、これらのアルバムはA&Mレコードとの契約消化のためのリリースで、バンドはレコーディング契約がない状態で本作をレコーディングし、完成後にリパブリック・レコードとの契約を得た[24]。本作のアートワークを手がけたジョシュ・グラハムは、ニューロシスの美術・映像担当者としても知られ、2009年にキム・セイルと出会ったのをきっかけに、バンドのクリエイティヴ・ディレクターに指名された[25]。
収録曲「バイ・クルックド・ステップス」は5/4拍子のリズムを取り入れた曲で、ミュージック・ビデオはデイヴ・グロールが監督し、deadmau5が警官役でカメオ出演した[26]。また、「タリー」はベン・シェパードがサウンドガーデンの解散前に作った曲が原型となっており、14/4拍子のリズムが導入された[27]。「アイリッズ・マウス」には、パール・ジャムのギタリストであるマイク・マクレディ(クリス・コーネルおよびマット・キャメロンと共にテンプル・オブ・ザ・ドッグで活動していたこともある)がゲスト参加した[28]。なお、本作収録曲のデモ・ヴァージョンのうち6曲は、2013年のレコード・ストア・デイ(4月20日)に限定発売された10インチLPに収録されている[29]。
本作のプロモーションの一環として、コンバースとのコラボレーションによるスニーカー「サウンドガーデン・チャック・テイラー・オール・スター」(本作のアートワークがデザインに取り入れられている)が、60足限定で発売された[30]。
反響
[編集]母国アメリカでは発売初週に約8万3千枚を売り上げ、総合アルバム・チャートのBillboard 200では初登場5位となり[31]、バンドにとって5作目の全米トップ40アルバムとなった[7]。また、『ビルボード』のハード・ロック・アルバム・チャートでは1位を獲得し、ロック・アルバム・チャートでは最高2位を記録した[7]。
全英アルバムチャートでは3週トップ100入りして最高21位を記録し、『ダウン・オン・ジ・アップサイド』(1996年)以来となる全英トップ40入りを果たした[16]。
評価
[編集]Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「往年よりも汚らしいユーモアに欠けることを除けば、サウンドガーデンらしさは貫かれている」と評している[32]。Ray Van Horn, Jr.はBlabbermouth.netのレビューで10点満点中8.5点を付け「メインストリーム・ロックのリスナーは、"Spoonman"や"Black Hole Sun"に匹敵する曲がないと不平を言いながらも喜ぶだろう。そして、1988年の『ウルトラメガ・OK』からサウンドガーデンの旅路を追い続けてきた人々こそ、特に『キング・アニマル』を歓迎すると思われる」と評している[4]。また、ダン・マーティンは『NME』誌のレビューで5点満点中3点を付け「クリス・コーネルがティンバランドにそそのかされて作った2009年のR&Bアルバム『スクリーム』を聴いた人々は、サウンドガーデンへの復帰を切望したかもしれないが、グランジ界最強の再結成をもってしても、過去は過去でしかないことが例示された。様々な意味で猛烈に印象的だが、少々弛んでしまった感もある」と評している[5]。
収録曲
[編集]- ビーン・アウェイ・トゥー・ロング - "Been Away Too Long" - 3:36
- ノンステイト・アクター - "Non-State Actor" - 3:57
- 作詞:キム・セイル、クリス・コーネル/作曲:ベン・シェパード
- バイ・クルックド・ステップス - "By Crooked Steps" - 4:00
- 作詞:クリス・コーネル/作曲:マット・キャメロン、キム・セイル、ベン・シェパード
- ア・サウザンド・デイズ・ビフォア - "A Thousand Days Before" - 4:23
- 作詞:クリス・コーネル/作曲:キム・セイル
- ブラッド・オン・ザ・ヴァリー・フロア - "Blood on the Valley Floor" - 3:48
- 作詞:クリス・コーネル/作曲:キム・セイル
- ボーンズ・オブ・バーズ - "Bones of Birds" - 4:22
- 作詞・作曲:クリス・コーネル
- タリー - "Taree" - 3:38
- 作詞:クリス・コーネル/作曲:ベン・シェパード
- アトリション - "Attrition" - 2:52
- 作詞・作曲:ベン・シェパード
- ブラック・サタデイ - "Black Saturday" - 3:29
- 作詞・作曲:クリス・コーネル
- ハーフウェイ・ゼア - "Halfway There" - 3:16
- 作詞・作曲:クリス・コーネル
- ワース・ドリームス - "Worse Dreams" - 4:53
- 作詞・作曲:クリス・コーネル
- アイリッズ・マウス - "Eyelid's Mouth" - 4:39
- 作詞:クリス・コーネル/作曲:マット・キャメロン
- ローイング - "Rowing" - 5:08
- 作詞:クリス・コーネル/作曲:ベン・シェパード、クリス・コーネル
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- ワース・ドリームス(デモ) - "Worse Dreams (demo)" - 3:20
- ブラック・サタデイ(デモ) - "Black Saturday (demo)" - 3:16
- バイ・クルックド・ステップス(デモ) - "By Crooked Steps (demo)" - 4:23
- ボーンズ・オブ・バーズ(デモ) - "Bones of Birds (demo)" - 3:27
参加ミュージシャン
[編集]- クリス・コーネル - ボーカル、リズムギター、マンドリン、ピアノ
- キム・セイル - リードギター、マンドリン、ホーン・アレンジ
- ベン・シェパード - ベース、アディショナル・ギター、バリトン・ギター、バッキング・ボーカル
- マット・キャメロン - ドラムス、パーカッション、モーグ・シンセサイザー、バッキング・ボーカル
アディショナル・ミュージシャン
- アダム・キャスパー - タンブーラ(on #4)、ピアノ(on #6)
- ジェフ・マクグラス - トランペット(on #4, #9)
- グレッグ・パワーズ - トロンボーン(on #4, #9)
- バーバ・デュプリー - スタン・ギター(on #8)
- Bullet - アディショナル・ボーカル(on #9)
- ブラッド・スティーヴンス - サクソフォーン(on #9)
- マイク・マクレディ - アディショナル・ギター(on #12)
脚注
[編集]- ^ a b “キング・アニマル - サウンドガーデン”. オリコン. 2021年9月27日閲覧。
- ^ a b “サウンドガーデン/キング・アニマル”. CDJournal. 音楽出版社. 2021年9月27日閲覧。
- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b Van Horn, Jr, Ray. “CD Review: King Animal Soundgarden”. Blabbermouth.net. 2021年9月27日閲覧。
- ^ a b Martin, Dan (2012年11月9日). “Soundgarden - 'King Animal'”. NME. 2021年9月27日閲覧。
- ^ charts.org.nz - Soundgarden - King Animal
- ^ a b c d “Soundgarden - Awards”. AllMusic. 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月27日閲覧。
- ^ danishcharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ australian-charts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ Soundgarden - King Animal - hitparade.ch
- ^ “Chartverfolgung / Soundgarden / Longplay”. musicline.de. 2016年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月27日閲覧。
- ^ finnishcharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ norwegiancharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ italiancharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ Soundgarden - King Animal - austriancharts.at
- ^ a b SOUNDGARDEN | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ spanishcharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ Soundgarden - King Animal - dutchcharts.nl
- ^ swedishcharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ Soundgarden - King Animal - ultratop.be
- ^ Soundgarden - King Animal - ultratop.be
- ^ lescharts.com - Soundgarden - King Animal
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Soundgarden - Biography”. AllMusic. 2021年9月27日閲覧。
- ^ Martins, Chris (2012年11月2日). “Animal Instinct: The Return of Soundgarden”. SPIN. 2021年9月27日閲覧。
- ^ Bobbitt, Melissa (2014年9月2日). “The Sound(garden) and the Fury of Creative Director Josh Graham”. Paste. 2021年9月27日閲覧。
- ^ “By Crooked Steps by Soundgarden”. Songfacts. 2021年9月27日閲覧。
- ^ “Taree by Soundgarden”. Songfacts. 2021年9月27日閲覧。
- ^ Manning, Craig (2012年11月14日). “Album Review: Soundgarden roars back from 16-year hiatus with "King Animal"”. westernherald.com. 2021年9月27日閲覧。
- ^ Childers, Chad (2013年3月14日). “Soundgarden to Unleash 'King Animal' Demos for Record Store Day Vinyl Release”. Loudwire. Townsquare Media. 2021年9月27日閲覧。
- ^ “Converse Collaborates With Soundgarden To Release Limited-Edition Sneaker”. Blabbermouth.net (2012年11月13日). 2021年9月27日閲覧。
- ^ “Soundgarden's 'King Animal' Cracks U.S. Top 5”. Blabbermouth.net (2012年11月21日). 2021年9月27日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “King Animal - Soundgarden”. AllMusic. 2021年9月27日閲覧。