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ビザ免除プログラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
  米国の本土及び海外領土
  自由連合盟約締結国
  ビザ免除国(6ヶ月)
  ビザ免除プログラム参加国(90日間)
  警察証明によるビザ免除国(6ヶ月)
  米国入国にビザが必要な国

ビザ免除プログラム英語: Visa Waiver Program, VWP)とは、特定の国の市民が、90日以内の観光商用目的の場合にビザ(査証)なしでアメリカ合衆国への渡航を許可する、アメリカ合衆国連邦政府の査証プログラムである。すべてのプログラムのすべての参加国は、先進国とされる高い人間開発指数HDI, Human Development Index)を持つ高所得経済国である。

ビザ免除指定国

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アメリカ合衆国への入国を希望する渡航者が、VWPの下でビザ免除の資格を得るためには、国土安全保障長官国務長官との協議の下に指定する"プログラム参加国"の市民でなければならない。指定国の永住権保持者は、別の指定国の市民権を持たない限り、資格を与えられない。プログラム参加国への指定基準は、移民国籍法の217項(c)で定められている(Title 8 U.S.C. §1187)[1][2] 。その基準はパスポートの安全性と非入国移住者ビザの非常に低い拒絶率に基づく(米国移住法と同様に移民国籍法217項(c)(2)(A)で指定される3%以内)。2015年4月現在、38か国がVWP参加国に指定されており[3]2016年4月1日より、参加国にはバイオメトリック・パスポートの取得が必須条件となった。

欧州(32)

国と地域 VWP適用年月日 備考
イギリスの旗 イギリス 1988年7月1日 英国市民のみ[4]
フランスの旗 フランス 1989年10月1日
ドイツの旗 ドイツ 1989年10月1日
イタリアの旗 イタリア 1989年10月1日
オランダの旗 オランダ 1989年10月1日 オランダ領アンティルの旗 オランダ領アンティル諸地域(アルバの旗 アルバキュラソーの旗 キュラソーシント・マールテンの旗 シント・マールテン及びBES諸島)も含む
 スウェーデン 1989年10月1日
スイスの旗 スイス 1989年10月1日
アイスランドの旗 アイスランド 1991年
アンドラの旗 アンドラ 1991年
 オーストリア 1991年
ベルギーの旗 ベルギー 1991年
 デンマーク 1991年 グリーンランドの旗 グリーンランドフェロー諸島の旗 フェロー諸島も含む
 フィンランド 1991年 オーランド諸島も含む
リヒテンシュタインの旗 リヒテンシュタイン 1991年
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク 1991年
モナコの旗 モナコ 1991年
 ノルウェー 1991年
サンマリノの旗 サンマリノ 1991年
スペインの旗 スペイン 1991年
アイルランドの旗 アイルランド 1995年4月1日
スロベニアの旗 スロベニア 1997年9月30日
ポルトガルの旗 ポルトガル 1999年8月9日
 チェコ 2008年11月17日
 エストニア 2008年11月17日
 ハンガリー 2008年11月17日
 ラトビア 2008年11月17日
 リトアニア 2008年11月17日
スロバキアの旗 スロバキア 2008年11月17日
マルタの旗 マルタ 2008年12月30日
ギリシャの旗 ギリシャ 2010年4月5日
ポーランドの旗 ポーランド 2019年11月11日
クロアチアの旗 クロアチア 2021年10月23日

アジア(6)

国と地域 VWP適用年月日 備考
日本の旗 日本 1988年12月16日
ブルネイの旗 ブルネイ 1993年
シンガポールの旗 シンガポール 1999年8月9日
大韓民国の旗 韓国 2008年11月17日
中華民国の旗 中華民国 2012年11月1日 台湾の居住者かつ中華民国国民身分証中国語版の統一番号が記載された中華民国旅券所持者のみ
イスラエルの旗 イスラエル 2023年10月19日

南米(1)

国と地域 VWP適用年月日 備考
 チリ 2014年2月28日

オセアニア(2)

国と地域 VWP適用年月日 備考
ニュージーランドの旗 ニュージーランド 1991年
オーストラリアの旗 オーストラリア 1996年

ギリシャは、2004年5月1日の参加国拡大前の欧州連合15か国中、米国入国にビザが必要な唯一の国であったが、2010年4月5日よりVWP適用となった。スロベニアは、新しく指定された10か国の中で、2008年11月17日の大量指定以前にVWPメンバーになった唯一の国である。

ビザ免除候補国

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以下の7の国と地域が候補国である。

グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラム

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2009年11月28日より、グアムの旗 グアム北マリアナ諸島の旗 北マリアナ諸島に45日以内滞在する場合に限り、グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラムが利用できる[5]。対象国籍は以下の通りである。

このプログラムを利用する場合、ESTAの申請は不要であるが、I-736[7](事前にオンライン登録をしたものを印刷するか、機内で用紙を入手し記入)を提出する必要がある。I-94は2018年1月より提出が不要になった。また、中華人民共和国の旗 中国国籍者は北マリアナ諸島のみ、45日以内の臨時入国許可が出る[8][9]

アメリカ領サモアへの入国

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アメリカ領サモアの出入国証印

アメリカ領サモアの旗 アメリカ領サモアは、アメリカ本土とは異なる独自の出入国管理制度を行っており、米国市民権保有者であってもアメリカ領サモアへの渡航の際にはパスポートが必要となる。

アメリカ領サモアの自治政府は、米国市民権保有者とビザ免除指定国の国籍者及びカナダの旗 カナダパラオの旗 パラオミクロネシア連邦の旗 ミクロネシア連邦マーシャル諸島の旗 マーシャル諸島の国籍者に対しては30日間のビザ免除措置を行っており、その他の国の国籍者に対しては到着時に入国許可証(Entry permits)を発行している[10][11]

その他のビザ免除国

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VMP参加国ではないが、二国間の協定や自由連合盟約などの理由により以下の8つの国と地域は米国のビザが免除されている。

テロリスト渡航防止法の施行に伴う改定

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2016年1月21日、テロリスト渡航防止法(Terrorist Travel Prevention Act of 2015)の施行に伴ってビザ免除プログラムの改定が行われた。この改定によって、イラクイランスーダンシリアリビアソマリアイエメン北朝鮮[12]の8箇国に2011年3月1日以降渡航または滞在したことがある者、及びこれらの国々との二重国籍者はビザ免除プログラムの対象外となった。ただし、公務人道支援活動、報道、合法的な商用目的などでこれらの国々に入国した場合は、事前審査を経た上で引き続きビザ免除プログラムの対象となることがある[13]

取り消し

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連邦政府は、ビザ免除の適格性をいつでも取り消すことができる。通常これは、ある国の市民が米国での不法労働や不法な滞在延長など、VWPの制約に違反する可能性が高い、と連邦政府が判断した場合に行われる。以下は取り消しの実例。

出典

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  1. ^ Cornell University U.S. Code collection Archived 2009年12月8日, at the Wayback Machine. - § 1187. Visa waiver program for certain visitors
  2. ^ Travel.State.Gov Archived 2010年1月5日, at the Wayback Machine. - Visa Waiver Program - How a Country Qualifies
  3. ^ [1][リンク切れ]
  4. ^ [2]
  5. ^ グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラム - 米国大使館(東京)
  6. ^ 中華民国の居住者、かつ中華民国国民身分証の統一番号が記載された中華民国旅券所持者で、なおかつ台湾からの直行便でグアム・サイパンへ行く旅客便に限る
  7. ^ Official Site for Travelers Visiting Guam or CNMI: Apply for or Retrieve Form I-736 - Department of Homelanfd Security
  8. ^ 中国国籍の方の北マリアナ諸島連邦(CNMI)へのみの臨時入国許可 - 米国大使館(東京)
  9. ^ Russian Citizens Now Eligible to Travel to Guam Visa-Free(英語)
  10. ^ Important immigration information for travelers to American Samoa”. アメリカ領サモア政府. 2017年9月27日閲覧。
  11. ^ Immigration and Customs - National Park of American Samoa (U.S. National Park Service)”. 2017年9月27日閲覧。
  12. ^ 米国 北韓への渡航歴者に対しESTA発給を制限
  13. ^ 米国は「ビザ免除プログラムの改定」の施行を開始します

関連項目

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外部リンク

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