ピセン
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ピセン[1] | |
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別称 Dibenzo[a,i]phenanthrene 3,4-Benzchrysene β,β-Binaphthylene ethene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 213-46-7 |
PubChem | 9162 |
ChemSpider | 8808 |
UNII | F70R8ZBR7T |
KEGG | C19500 |
ChEBI | |
バイルシュタイン | 1912414 |
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特性 | |
化学式 | C22H14 |
モル質量 | 278.33 g/mol |
密度 | ? g/cm3 |
融点 |
366 ~ 367℃ |
沸点 |
518 ~ 520℃ |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | 警告(WARNING) |
Hフレーズ | H371 |
Pフレーズ | P260, P264, P270, P309+311, P405, P501 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピセン (picene) とは、多環芳香族炭化水素の一種で、泥炭や原油を蒸留したときに出る残滓(ピッチ)の中に存在する。シメンを溶媒として繰り返し再結晶させて得る。
再結晶させたピセンは、青みがかった蛍光を示す無色の大きな板状結晶である。濃硫酸に溶かすと緑色を呈する。
ピセンを合成的に得るためには、ナフタレンと1,2-ジブロモエタンに塩化アルミニウムを作用させる方法、α-ジナフトスチルベンを熱反応にかける方法、コール酸から脱水素する方法などが知られる。
酢酸中でピセンにクロム酸酸化を施すと、キノン、カルボン酸を経て、最後は縮合環構造が分解したフタル酸に変わる。
イドリア石(Idrialite)というピセンを主成分にした鉱物がある。
2009年、岡山大学理学部の久保園芳博教授のグループにより、ピセンの結晶にカリウム、ルビジウムをドープさせることにより20Kで超伝導になることが発見された[1]。20Kという温度は、超伝導となる有機化合物としては2010年現在で最も高い[2]。このため、将来の応用が期待されている。一方で発見されて以来、国内外で追試の成功例は無く、近年超伝導は存在しないとする報告がなされた[:en]。化学・物理の領域を問わず国内外から疑義が高まっている。
参考文献
[編集]- ^ Merck Index, 11th Edition, 7368.
- ^ Nomenclature of Organic Chemistry : IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013 (Blue Book). Cambridge: The Royal Society of Chemistry. (2014). p. 206. doi:10.1039/9781849733069-FP001. ISBN 978-0-85404-182-4