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ホルヘ・ロレンソ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホルヘ・ロレンソ
2019年
国籍 スペインの旗 スペイン
生年月日 (1987-05-04) 1987年5月4日(37歳)
バレアレス諸島マヨルカ島
パルマ・デ・マヨルカ
現在のチーム レプソル・ホンダ
ゼッケン 99
ウェブサイト jorgelorenzo.com
レースでの経歴
ロードレース世界選手権 MotoGPクラス
活動期間ヤマハ2008年-2016年

ドゥカティ2017年-2018年

レプソル・ホンダ2019年
マニファクチャラーヤマハドゥカティホンダ
チャンピオン3 (2010年, 2012年, 2015年)
2019年 順位19位 (28 pts)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
203 47 114 43 30 2899
ロードレース世界選手権 250ccクラス
活動期間2005年-2007年
マニファクチャラーホンダ (2005年)
アプリリア (2006年-2007年)
チャンピオン2 (2006年, 2007年)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
48 17 29 23 4 768
ロードレース世界選手権 125ccクラス
活動期間2002年-2004年
マニファクチャラーデルビ
チャンピオン0
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
46 4 9 3 3 279

ホルヘ・ロレンソ・ゲレーロ[1]Jorge Lorenzo Guerrero, 1987年5月4日 - )は、スペインバレアレス諸島パルマ・デ・マヨルカ出身のオートバイレーサー。2006年2007年ロードレース世界選手権250ccクラスチャンピオン[2]2010年2012年および2015年MotoGPクラスチャンピオン。

ロードレースでの経歴

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125ccおよび250cc

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2002年デルビチームからロードレース世界選手権125ccクラスにデビューした。シーズン開幕当初はロレンソはまだ14歳であったため出場できず、15歳の誕生日を迎えた第3戦スペインGPの土曜日のセッションから参戦を開始[3]。史上最年少の15歳と1日で決勝レースデビューを果たした[4]

2003年ブラジルGPで初優勝。2004年には同世代のアンドレア・ドヴィツィオーゾエクトル・バルベラといった若手ライダーのライバルとランキング争いを見せ、年間ランキング4位を獲得した。

2005年、125cc時代のライバルだったバルベラとともに250ccの有力チーム、フォルトゥナホンダに移籍しステップアップ。優勝こそ無かったもののランキング5位とまずまずの成績を残した。

母国のスポンサーはそのままに、250ccで圧倒的強さを誇るアプリリアワークスチームからの参戦となった2006年、ロレンソは開幕戦から連勝を重ね8勝。他の追随を許さないシーズン運びで19歳にして初の世界チャンピオンに輝いた。

2007年もアプリリアに残留し年間9勝、シーズンを支配してクラス2連覇を遂げた[5]。第13戦のミサノで250ccにおける通算16勝目を挙げ[6]ダニ・ペドロサシト・ポンスを超えてスペイン人ライダーとして中量級における最多勝となる。

MotoGP

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ヤマハとの翌シーズンからのMotoGPクラスにステップアップするための数度の交渉の後[7]、2007年7月25日にバレンティーノ・ロッシのチームメイトとして2008年から2年間の契約が発表された[8][9]

2008

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ヘレス・サーキットでのプレシーズンテスト。

2年連続250ccチャンピオンとしてヤマハワークス入りしたロレンソは、2008年のMotoGPデビュー戦・カタールGPでポールポジションを獲得、決勝でも2位を獲得する。その後も第3戦ポルトガルGPまで3戦連続でポールを獲得すると、決勝でMotoGPクラス初勝利を挙げる。この勝利で彼は最上位クラスで3戦目にして初めて表彰台に上った最も若いライダーとなった[10]。そして、1日で因縁のライバルであるダニ・ペドロサから記録を奪取した[11]

チャンピオンシップのこの時期まで、ロレンソはペドロサと同じ位置にいた。しかし2008年5月1日、中国GP初日フリー走行で転倒、マシンから投げ出され両足くるぶしを骨折した[12]。しかしながら決勝には強行出場し、4位を獲得するという離れ業を見せた。2週間後のフランスGPでもプラクティスセッションで2度の転倒に苦しんだが、決勝では2位に入った[13]。続くイタリアGPでは予選7位となったが、決勝はクラッシュ、リタイアした[14]。翌週のカタルーニャGPでは金曜日のフリー走行で転倒、この事故でドクターストップがかかり決勝に出走することはできなかった。

ドニントン・パークおよびアッセンでは、一連の怪我の影響から抑えたライディングが見られたが、レース後半ではペースを上げいずれも6位でフィニッシュした。彼はレース後に、レース後半では燃料が消費されたことでバイクが軽くなりペースを上げることができたとコメントした。しかしながら第10戦のザクセンリンクではウェットコンディションの中クラッシュ、リタイアした[15]。第11戦のラグナ・セカでもクラッシュを喫し、わずか3ヶ月で7度目の負傷となった。このレースでは1周目にハイサイドを起こし、右足(または足首)を痛め、左足を骨折した。第13戦のミサノでは2位に入賞、14戦のインディアナポリスでも3位と連続で表彰台を得た。結局は年間ランキング4位でルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

2009

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2009年のインディアナポリスグランプリ

2009年は序盤に日本GP[16]フランスGP[17]で2勝を挙げ、バレンティーノ・ロッシケーシー・ストーナーと共にチャンピオンシップ争いに名乗りを上げた。

第8戦ラグナ・セカでは予選でクラッシュし、右足第四中足骨上部の小さな骨折と、両足首の骨挫傷、右肩鎖骨に負傷した[18]。第10戦イギリスでは雨の中転倒リタイア[19]、続くチェコでもリタイアとなり、バレンティーノ・ロッシから50ポイント差を付けられた[20]。第12戦インディアナポリスGPでは優勝した一方でロッシとペドロサが接触してロッシはリタイアとなり、その差は25ポイントに縮まった[21][22]。その後ポルトガルGPの優勝で追いすがったものの第15戦オーストラリアでは第1コーナーでニッキー・ヘイデンと接触リタイア[23]、これが決定的になり第16戦マレーシアでロッシにトップの座を明け渡す。しかし完走時の成績は4位1回のほかは全て表彰台という好成績を残しシーズン2位となった。

2010

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ロレンソはホンダドゥカティへの移籍の可能性が囁かれていたが、2009年8月25日にヤマハとの契約延長が発表された[24]。ドゥカティは以前マルコ・メランドリの代わりとしてロレンソに1,500万ドルの契約を提示したと噂されたが、そのシートには結局ニッキー・ヘイデンが座ることとなった。

2010年のイギリスグランプリ

ロレンソはシーズン前のポケバイの事故で手の骨2本を骨折した。そのためシーズン前のテスト大半を行うことができなかった。 開幕戦のカタールでは完全にフィットしておらず、ロッシに次ぐ2位となった[25]。ロッシが第4戦ムジェロで足を骨折した後、ロレンソはタイトルの本命となった。第6戦アッセンでの勝利でロレンソはこのサーキットにおいて3つのクラスで勝利した7人目のライダーとなった[26]

シーズン後半、ダニ・ペドロサが対抗馬として彼に挑んだが、ロレンソはシーズンをコントロールした。ペドロサは5戦を残した次点で逆転タイトルの可能性を保持していたが、第14戦日本GPのプラクティスの転倒で鎖骨を骨折し決勝は出走せず、続く第15戦マレーシアGPも欠場、ロレンソはこのGPで3位に入り、終盤3戦を残してMotoGPクラスチャンピオンを獲得した[27]

2011

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2011年のポルトガルグランプリ

ゼッケン1を付けタイトル防衛に挑んだ2011年シーズンは、序盤5戦でスペインでの勝利を含む4度の表彰台を獲得するなど好調な出だしであった。スペインではケーシー・ストーナーバレンティーノ・ロッシが接触、共にリタイアし、ロレンソは2位に20秒の差を付けて独走勝利した[28]イギリスまではチャンピオンシップをリードしたが、ウェットレースとなった同GPでは3位走行中に転倒リタイアする[29]。続くオランダGPを6位で終えた後、8戦連続で4位以内でフィニッシュ、その中にはムジェロ[30]ミサノ[31]での2勝も含まれた。

しかしながら、第16戦オーストラリアGPのウォームアップ走行では左手薬指の先端部分を切断する重傷を負い[32](後の修復手術は無事に成功[33])、終盤3レースは欠場となってしまった。このレースで優勝したストーナーがタイトルを獲得し、ロレンソの最終的な成績は年間3勝、ストーナーから90ポイント差のランキング2位となった[34]

2012

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2012年シーズンは、2年ぶりのタイトル奪還を目指しチャンプ・ナンバーの1から99番に戻す。開幕戦のカタールではポールトゥウィンとなった[35]ヘレスエストリルで連続して2位となった後[36]ル・マン[37]カタルーニャと連勝し[38]、2位のストーナーに20ポイントの差を付けた。

イギリスGP前の6月12日にヤマハは契約を2年間更新することを決定し、2014年シーズンまで「ヤマハ・ファクトリー・レーシング」のライダーとしてMotoGPに参戦することが発表される[39][40]。このGPにも勝利し、ストーナーとの差は25ポイントに広がった[41]。第7戦オランダGPでは、キャリア初の4連勝を狙うが決勝レース中アルバロ・バウティスタの転倒に巻き込まれ惜しくもリタイアとなる[42]。次戦ドイツは2位となったが、第9戦イタリアGPで勝利し、2位のペドロサに対して19ポイントの差を付けた[43]。ロレンソは結局オーストラリアGPで2位に入り、2度目のタイトルを獲得した[44]。最終戦もリタイヤとなったが、それ以外は全てシーズン通して2位以上で6勝し、最多勝はダニ・ペドロサだったもののポイント差で逆転してのタイトル奪還であった。

2013

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2013年シーズン、ロレンソはディフェンディングチャンピオンとしてシーズンを始め、レプソル・ホンダマルク・マルケスダニ・ペドロサと激しくタイトルを争った。彼は開幕戦のロサイル[45]、第5戦ムジェロ[46]、第6戦カタルーニャ[47]、第12戦シルバーストン[48]、第13戦ミサノ[49]で勝利したが、第8戦ザクセンリンク[50]では負傷のため欠場した。結局シーズン8勝と最多勝を挙げたが、4ポイント差でマルケスに届かず、昨年と逆の形でタイトルを逃した[51]

2014

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2014年のフランスグランプリ

2014年シーズンは開幕戦カタールでリタイア[52]、第2戦オースティンでジャンプスタートのペナルティを受け10位と不調の出だしであった[53]3戦目にして初の表彰台を獲得する[54]。しかしながら続く2戦で表彰台を逃し、2度目の表彰台となったのは第6戦ムジェロであった[55]。シーズン中盤のドイツGP[56]まででロレンソは97ポイントと、ポイントリーダーのマルケスからは128ポイントの差を付けられていた。シーズン後半戦に入るとロレンソはインディアナポリス、ブルノ[57]シルバーストン[58]ミサノ[59]と4戦連続で2位に入る。

シーズン初勝利はウェットレースとなったアラゴンであった[60]。続くもてぎでも勝利し[61]、日本GPはこれで2009年2013年に次ぐ3勝目となった[62]

最終戦のバレンシアGPでロレンソは小雨が降ってきたことで20周目にバイク交換を選択する。彼は不確かな天候に苦戦し、結局リタイアとなった[63]。シーズンは全体を通してマルク・マルケスが絶好調であり、ロレンソはチームメイトのバレンティーノ・ロッシ、レプソル・ホンダのダニ・ペドロサと順位を争い結局マルケス・ロッシに次いで263ポイントでシーズン3位となった[64]。 また、途中から雨が降りウェットコンディションとなったアラゴンで優勝していたものの、ウェットコンディションへの苦手な心境を公式コメントで出してしまい周囲を心配させたというエピソードもあった。 こういったことからも、開幕から10連勝でタイトル街道を驀進したマルケスと比べると低調感が目立ってしまったシーズンとなった。 その理由のひとつとして、オフシーズン中に行った負傷回復のための手術によってトレーニングスケジュールが充分に取れずフィジカルコンディションの調整が間に合わなくなってしまい開幕前のセパン合同テストの時点からロングランテストも行えなかったことや、その遅れのとり返しに時間がかかったこと、その間に開幕戦のオープニングラップでの転倒。さらには第2戦オースチンで犯したスタートシグナルから目を離してしまうという凡ミスによるフライングなどのミスが重なってしまったことで、ますますタイトル争いから水を開けられてしまったことで精神的に追い詰められてしまい、それがシーズン終盤まで響いてしまった形となった。

2015

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契約を更新して挑んだ2015年シーズンは、好調を取り戻したバレンティーノ・ロッシと争うことになる。開幕戦のロサイル、第2戦オースティンと連続して4位となり[65]アルゼンチンでは5位となった[66]。しかしその後ヘレス[67]ル・マン[68]ムジェロ[69]バルセロナ[70]と4連勝を果たす[71]。これは自身初の4連勝であった。これによってロッシと1ポイント差のランキング2位に浮上した。第8戦アッセンは3位となったが、ロッシが優勝したことでポイント差は広がった[72]。第10戦インディアナポリスで2位に入り[73]、続くブルノで5勝目を挙げる[74]。ウェットレースとなったシルバーストンは4位となり[75]、第13戦ミサノはリタイアとなった[76]

第14戦アラゴンでシーズン6勝目を挙げ[77]、3位に入ったポイントリーダーのロッシに14ポイント差に迫った[78]。両者のポイントはヤマハチームが2010年以来のマニファクチャラーズタイトルを獲得するのに十分であった。日本GPでロッシはペドロサに次いで2位となり、ポールポジションを獲得したもののタイヤトラブルを抱えて3位に入ったロレンソとの差を広げた[79]オーストラリアでは最終ラップでマルケスに抜かれ2位となったものの、ロッシが4位となったためその差を11ポイントに縮める[80]マレーシアでは2位となったが、マルケスとの接触後3位になったロッシとの差は7ポイントに縮まった。ロッシはマルケスを「(ロレンソにタイトルを獲らせるため)わざとやっている」と非難し、その後接触を起こしたことで最終戦バレンシアで最後尾からスタートするというペナルティを受けることとなった[81]。ロッシは最終戦を4位でフィニッシュしたが、ロレンソがこのGPで勝利して5ポイント差で逆転、5度目のタイトルを獲得した[82][83]

2016

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2016年シーズンは開幕戦カタールでポールトゥウィンを達成する[84]。続くアルゼンチンでリタイア、オースティンとヘレスで2位に入るが、フランスイタリアで連勝しチャンピオン争いに復帰する。4月18日、ヤマハはロレンソとの契約が2016年末で終了し、更新しないことを発表、同日ドゥカティがロレンソと2017年シーズンから2年間の契約を締結したことを発表した。

2019

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2019年シーズン、最終戦を目前に控えた11月14日レプソル・ホンダとの2年契約を途中解除し、この年限りでの引退を発表した。

2020

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2020年ヤマハでテストライダーを務める。同年3月、同年のカタルーニャGPへのワイルドカード参戦を発表し[85]、本格的な現役復帰が取り沙汰されたが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で同レースが延期となり、さらに同年シーズンにおいてワイルドカード参戦そのものが禁止となったため[86]、復帰の話も消滅した。

2021

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2021年シーズンは、カル・クラッチローと入れ替える形でテストライダーの座を降りる[87]。一時はアプリリアのチームから現役復帰が囁かれていたという。

マン島TT

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ライアン・ファーカーイアン・ハッチンソンと並ぶロレンソ

2010年シーズン、イタリアGPイギリスGPの間にロレンソはマン島TTレースにおいてパレードラップでスネーフェル・マウンテン・コースを走行した。彼は元世界チャンピオンのアンヘル・ニエトと共に走行し、後のその体験を「素晴らしい」と語った[88]

シニアTTが終わると、ロレンソは表彰式に花輪のプレゼンターとして参加、3位のブルース・アンスティー、2位のライアン・ファーカー、優勝者のイアン・ハッチンソンに花輪を贈った。そして、ハッチンソンのTTレース5勝目を祝った[88]

エピソード

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優勝時のパフォーマンス

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ウィニングランで"ロレンソ・ランド"の「国旗」を掲げるロレンソ(2009年 日本GP)

2007年のスペインGPで勝利を果たしたロレンソは、スペインを"征服"(優勝)した証しとして、ウィニングラップ中にコースサイドのグラベルに「ロレンソ・ランド」の旗を突き立てた。以降このパフォーマンスは、各国を"征服"する度に見られる定番となった[89]。2010年のイギリスGPではビートルズコスプレを行うなど[90]、年を追うごとに旗以外のパフォーマンスも見られるようになった。

ライバル関係

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250cc時代、ロレンソは非常に攻撃的なライディングが特徴であり、特にオーバーテイクの際にそれが顕著に表れた。2005年のマレーシアGPではペナルティを科され出場停止となっている。MotoGPにステップアップすると、チームメイトのバレンティーノ・ロッシとの激しい争いが強調された[91]

2011年、ロレンソはマルコ・シモンチェリの危険なライディングを非難し、彼と口論となっている。シモンチェリもロレンソの2005年のオーバーテイクはあまりにも攻撃的であり、ペドロサとの接触やアレックス・デ・アンジェリスのリタイアの例を挙げて反論した。ロレンソは「それが君から再び来なければ、何も問題は無い」と語った。シモンチェリは「僕は逮捕される」と火に油を注ぐ発言をし、ロレンソは目に見えて怒り「これは冗談ではない、僕達はここで命を賭けて戦っている」と語った。シモンチェリは2010年シーズンの最終戦でロレンソとの接触で黒くなったニースライダーをまだ持っていると主張した。

ペドロサとの確執

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同国人ライダーのダニ・ペドロサとの間には、2005年のドイツGPでの接触事故以来確執が生まれることとなった。ロレンソがMotoGPクラスにステップアップした2008年シーズンも、表彰台でお互いを無視していた。これを憂いだスペイン国王フアン・カルロス1世は両者の和解を願い、自身が表彰式でプレゼンターを務めたその年のスペインGPで、ロレンソとペドロサの間に立って2人に(半ば無理矢理ながら)握手をさせた[92]。2012年のカタルーニャグランプリでの合同記者会見では、ペドロサとの関係に関し「2003年は敵対関係。2005年もそうで、2008年はもっとすごかった。今はカタールのレースの後のように抱擁できるから、もしかしたら3年後には結婚できるかもしれない」とコメントするなど、現在は当時と比べると関係が改善されつつある様子である[93]

富沢祥也との関係

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富沢のレプリカデザインのヘルメットを被りレースを戦ったロレンソ(2010年 アラゴンGP)

Moto2クラス初戦ウィナーの富沢祥也とは、かつて自身も付けていたゼッケン48を使用していたこともあって生前仲が良かった。2010年のサンマリノGPでの富沢の事故死後、ロレンソは急きょ富沢のレプリカデザインのヘルメットを用意し次戦アラゴンGPに臨んだ。富沢が果たせなかった夢である、最高峰クラスの表彰台で彼のヘルメットを掲げようとしたロレンソだったが、ニッキー・ヘイデンとのバトルに敗れて4位に終わった[94]。このヘルメットはその後、日本GPで富沢の家族にプレゼントされた[95]

ハンマー & バター

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2010年シーズンから、ロレンソのマシンのブレーキレバー・クラッチレバーには "martillo"、" mantequilla " (それぞれスペイン語で「ハンマー」「バター」の意)の文字が刻まれるようになった。これにはロレンソが少年の時、ハンマーを手にバイクを修理する父と、サンドイッチにバターを塗る母を見て着想を得た、「時にはハンマーのようにリズミカルで力強く、また時にはバターの塗るときのようにスムースに繊細に」というライディングスタイルのモットーが込められている[96]

ミュージアム

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2016年12月、アンドラの首都であるアンドラ・ラ・ベリャに『World Champions by 99』というミュージアムをオープンした[97]。自身の過去のトロフィーやマシン類だけでなく、ジム・クラーク/ニキ・ラウダ/アイルトン・セナ/ルイス・ハミルトンといったF1ドライバーの使用済みアイテム、バリー・シーン/フレディー・スペンサー/ワイン・ガードナー/ウェイン・レイニー/ケビン・シュワンツ/マイケル・ドゥーハンといったWGPの過去のチャンピオン達の展示などが一堂に会する。入場料は10ユーロ(2017年2月現在)[98]

その他

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2011年日本GPで来日した際、福島第一原子力発電所事故の影響による放射線汚染を警戒して、宿泊中はシャワーを浴びず持ち込んだミネラルウォーターと石鹸で体を洗ったと語っている[99]

ヘルメットは2012年までX-Lite(NOLAN)。2013年からHJCと契約したが、2015年シーズンはレース中にヘルメットの内装が剥がれるなどトラブルが多発し、2016年シーズンからSHARKと契約した。

2013年ポルシェがスペイン国内におけるイメージキャラクターに起用した。

主な戦績

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ロードレース世界選手権

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シーズン別

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クラス 車両 チーム 車番 出走回数 優勝回数 表彰台 PP FL ポイント ランキング
2002年 125cc デルビ・RS125 カハ・マドリード・デルビ・レーシング 48 14 0 0 0 0 21 21位
2003年 125cc デルビ・RS125 カハ・マドリード・デルビ・レーシング 48 16 1 2 1 1 79 12位
2004年 125cc デルビ・RSA125 カハ・マドリード・デルビ・レーシング 48 16 3 7 2 2 179 4位
2005年 250cc ホンダ・RS250RW フォルトゥナ・ホンダ 48 15 0 6 4 0 167 5位
2006年 250cc アプリリア・RSW 250 フォルトゥナ・アプリリア 48 16 8 11 10 1 289 1位
2007年 250cc アプリリア・RSW 250 フォルトゥナ・アプリリア 1 17 9 12 9 3 312 1位
2008年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 フィアット フィアット・ヤマハ・チーム 48 17 1 6 4 1 190 4位
2009年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 フィアット フィアット・ヤマハ・チーム 99 17 4 12 5 4 261 2位
2010年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 フィアット フィアット・ヤマハ・チーム 99 18 9 16 7 4 383 1位
2011年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 ヤマハ・ファクトリー・レーシング 1 15 3 10 2 2 260 2位
2012年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 ヤマハ・ファクトリー・レーシング 99 18 6 16 7 5 350 1位
2013年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 ヤマハ・ファクトリー・レーシング 99 17 8 14 4 2 330 2位
2014年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 モビスター・ヤマハ MotoGP 99 18 2 11 1 2 263 3位
2015年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 モビスター・ヤマハ MotoGP 99 18 7 12 5 6 330 1位
2016年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 モビスター・ヤマハ MotoGP 99 18 4 10 4 2 233 3位
2017年 MotoGP ドゥカティ・デスモセディチ GP17 ドゥカティ・チーム 99 18 0 3 0 0 137 7位
2018年 MotoGP ドゥカティ・デスモセディチ GP18 ドゥカティ・チーム 99 14 3 4 4 2 134 9位
2019年 MotoGP ホンダ・RC213V レプソル・ホンダ・チーム 99 15 0 0 0 0 28 19位
297 68 152 69 37 3946

クラス別

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クラス シーズン デビュー戦 初表彰台 初勝利 出走数 勝利数 表彰台数 PP FL ポイント タイトル
125 cc 2002-2004 2002年 スペイン 2003年 リオデジャネイロ 2003年 リオデジャネイロ 46 4 9 3 3 279 0
250 cc 2005-2007 2005年 スペイン 2005年 イタリア 2006年 スペイン 48 17 29 23 4 768 2
MotoGP 2008-2019 2008年 カタール 2008年 カタール 2008年 ポルトガル 203 47 114 43 30 2899 3
2002-2019 297 68 152 69 37 3946 5

レース別

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凡例)(太字ポールポジション斜体ファステストラップ

クラス マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 順位 ポイント
2002年 125cc デルビ JPN RSA SPA
22
FRA
19
ITA
20
CAT
14
NED
16
GBR
13
GER
17
CZE
20
POR
Ret
BRA
7
PAC
9
MAL
20
AUS
Ret
VAL
22
21位 21
2003年 125cc デルビ JPN
Ret
RSA
24
SPA
15
FRA
Ret
ITA
Ret
CAT
6
NED
Ret
GBR
Ret
GER
21
CZE
12
POR
6
BRA
1
PAC
Ret
MAL
3
AUS
8
VAL
11
12位 79
2004年 125cc デルビ RSA
16
SPA
Ret
FRA
3
ITA
10
CAT
5
NED
1
BRA
Ret
GER
6
GBR
3
CZE
1
POR
3
JPN
7
QAT
1
MAL
Ret
AUS
2
VAL
Ret
4位 179
2005年 250cc ホンダ SPA
6
POR
10
CHN
9
FRA
5
ITA
2
CAT
Ret
NED
3
--- GBR
8
GER
Ret
CZE
2
JPN
Ret
MAL
EX
QAT
2
AUS
3
TUR
4
VAL
2
5位 167
2006年 250cc アプリリア SPA
1
QAT
1
TUR
Ret
CHN
4
FRA
Ret
ITA
1
CAT
2
NED
1
GBR
1
GER
3
--- CZE
1
MAL
1
AUS
1
JPN
3
POR
5
VAL
4
1位 289
2007年 250cc アプリリア QAT
1
SPA
1
TUR
2
CHN
1
FRA
1
ITA
8
CAT
1
GBR
Ret
NED
1
GER
4
--- CZE
1
SMR
1
POR
3
JPN
11
AUS
1
MAL
3
VAL
7
1位 312
2008年 MotoGP ヤマハ QAT
2
SPA
3
POR
1
CHN
4
FRA
2
ITA
Ret
CAT GBR
6
NED
6
GER
Ret
USA
Ret
CZE
10
SMR
2
IND
3
JPN
4
AUS
4
MAL
Ret
VAL
8
4位 190
2009年 MotoGP ヤマハ QAT
3
JPN
1
SPA
Ret
FRA
1
ITA
2
CAT
2
NED
2
USA
3
GER
2
GBR
Ret
CZE
Ret
IND
1
SMR
2
POR
1
AUS
Ret
MAL
4
VAL
3
2位 261
2010年 MotoGP ヤマハ QAT
2
SPA
1
FRA
1
ITA
2
GBR
1
NED
1
CAT
1
GER
2
USA
1
CZE
1
IND
3
SMR
2
ARA
4
JPN
4
MAL
3
AUS
2
POR
1
VAL
1
1位 383
2011年 MotoGP ヤマハ QAT
2
SPA
1
POR
2
FRA
4
CAT
2
GBR
Ret
NED
6
ITA
1
GER
2
USA
2
CZE
4
IND
4
RSM
1
ARA
3
JPN
2
AUS
DNS
MAL VAL 2位 260
2012年 MotoGP ヤマハ QAT
1
SPA
2
POR
2
FRA
1
CAT
1
GBR
1
NED
Ret
GER
2
ITA
1
USA
2
IND
2
CZE
2
RSM
1
ARA
2
JPN
2
MAL
2
AUS
2
VAL
Ret
1位 350
2013年 MotoGP ヤマハ QAT
1
AME
3
SPA
3
FRA
7
ITA
1
CAT
1
NED
5
GER
DNS
USA
6
INP
3
CZE
3
GBR
1
RSM
1
ARA
2
MAL
3
AUS
1
JPN
1
VAL
1
2位 330
2014年 MotoGP ヤマハ QAT
Ret
AME
10
ARG
3
SPA
4
FRA
6
ITA
2
CAT
4
NED
13
GER
3
IND
2
CZE
2
GBR
2
RSM
2
ARA
1
JPN
1
AUS
2
MAL
3
VAL
Ret
3位 263
2015年 MotoGP ヤマハ QAT
4
AME
4
ARG
5
SPA
1
FRA
1
ITA
1
CAT
1
NED
3
GER
4
IND
2
CZE
1
GBR
4
RSM
Ret
ARA
1
JPN
3
AUS
2
MAL
2
VAL
1
1位 330
2016年 MotoGP ヤマハ QAT
1
ARG
Ret
AME
2
SPA
2
FRA
1
ITA
1
CAT
Ret
NED
10
GER
15
AUT
3
CZE
17
GBR
8
RSM
3
ARA
2
JPN
Ret
AUS
6
MAL
3
VAL
1
3位 233
2017年 MotoGP ドゥカティ QAT
11
ARG
Ret
AME
9
SPA
3
FRA
6
ITA
8
CAT
4
NED
15
GER
11
AUT
15
CZE
4
GBR
5
RSM
Ret
ARA
3
JPN
6
AUS
15
MAL
2
VAL
Ret
7位 137
2018年 MotoGP ドゥカティ QAT
Ret
ARG
15
AME
11
SPA
Ret
FRA
6
ITA
1
CAT
1
NED
7
GER
6
CZE
2
AUT

1

GBR
C
RSM
17
ARA
Ret
THA
DNS
JPN
DNS
AUS
MAL
WD
VAL
12
9位 134
2019年 MotoGP ホンダ QAT
13
ARG
12
AME
Ret
SPA
12
FRA
11
ITA
13
CAT
Ret
NED
DNS
GER
AUT
CZE
GBR
14
RSM
14
ARA
20
THA
18
JPN
17
AUS
16
MAL
14
VAL
13
19位 28

ポルシェ・カレラカップ・イタリア

[編集]

凡例)(太字ポールポジション斜体ファステストラップ

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 順位 ポイント
2022年 Team Q8 Hi-Perform IMO1
19
IMO2 MIS1
14
MIS2
17
MUG1
16
MUG2
11
VAL1
10
VAL1
8
MON1
22
MON2
30
MUG1
9
MUG2
Ret
13位 30
2023年 MIS1
19
MIS2
8
VAL1
Ret
VAL2 MUG1
10
MUG2
10
MON1
Ret
MON2
8
MIS1
17
MIS2
29
IMO1
Ret
IMO2 21位 27

参照

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  96. ^ http://www.gpone.com/index.php/en/component/content/article/1203-lorenzo-burro-e-martello.html
  97. ^ ロレンソがアンドラにモータースポーツミュージアムをオープン - RIDING SPORT・2016年12月7日
  98. ^ MotoGPトピックス:噂のロレンソミュージアムへ潜入。そこで垣間見たロレンソの隠れた表情 - オートスポーツ・2017年2月22日
  99. ^ “レッドブル、汚染を恐れ日本の食品は飲食禁止に”. オートスポーツweb. (2011年10月4日). https://www.as-web.jp/past/%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%89%e3%83%96%e3%83%ab%e3%80%81%e6%b1%9a%e6%9f%93%e3%82%92%e6%81%90%e3%82%8c%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e9%a3%9f%e5%93%81%e3%81%af%e9%a3%b2%e9%a3%9f%e7%a6%81%e6%ad%a2%e3%81%ab 2011年10月6日閲覧。 

外部リンク

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先代
ダニ・ペドロサ
250ccクラス世界チャンピオン
2006-2007
次代
マルコ・シモンチェリ
先代
バレンティーノ・ロッシ
MotoGPクラス世界チャンピオン
2010
次代
ケーシー・ストーナー
先代
ケーシー・ストーナー
MotoGPクラス世界チャンピオン
2012年
次代
マルク・マルケス
先代
マルク・マルケス
MotoGPクラス世界チャンピオン
2015年
次代
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