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ムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニヴフの手によるムシ(モシ)

ムシは、樺太アイヌの伝統的な料理で、ツルコケモモなどのベリー類をの皮から抽出したゼラチンで固めた一種の煮こごり、あるいはゼリーである[1]。同様の料理は樺太中部の先住民・ニブフ沿海州ナナイの間にも伝えられ、こちらは「モシ」の名で呼ばれる[2]

作り方

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以下は、樺太アイヌによる作り方である[1]

  1. 鮭1匹分の皮を用意し、鱗を丁寧に取り除いたのち細かく刻む。
  2. 刻んだ皮を弱火でとろけるまで煮込み、カムイケー(アザラシオットセイの脂)を加える。
  3. カタム(ツルコケモモ)を入れて潰しながら煮込み、さらに剥いたやハハ(クロユリの鱗茎)も加える。
  4. 全体が煮詰まったら型に移し、戸外の寒気に当てて固める。

出典

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参考文献

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  • 萩中美枝; 藤村久和; 村木美幸; 畑井朝子; 古原敏弘 (1992). 『日本の食生活全集48 聞き書き アイヌの食事』. 農山漁村文化協会. ISBN 9784540920042 
  • 岸上伸啓; 木原仁美; 葛野浩昭; 佐々木史郎; 手塚薫; 吉田睦 (1995). 『世界の食文化20 極北』. 農山漁村文化協会. ISBN 978-4540050060