ムシ
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ムシは、樺太アイヌの伝統的な料理で、ツルコケモモなどのベリー類を鮭の皮から抽出したゼラチンで固めた一種の煮こごり、あるいはゼリーである[1]。同様の料理は樺太中部の先住民・ニブフや沿海州のナナイの間にも伝えられ、こちらは「モシ」の名で呼ばれる[2]。
作り方
[編集]以下は、樺太アイヌによる作り方である[1]。
- 鮭1匹分の皮を用意し、鱗を丁寧に取り除いたのち細かく刻む。
- 刻んだ皮を弱火でとろけるまで煮込み、カムイケー(アザラシかオットセイの脂)を加える。
- カタム(ツルコケモモ)を入れて潰しながら煮込み、さらに剥いた栗やハハ(クロユリの鱗茎)も加える。
- 全体が煮詰まったら型に移し、戸外の寒気に当てて固める。
出典
[編集]- ^ a b 日本の食生活全集48 聞き書き アイヌの食事 P.146-148
- ^ 世界の食文化20 極北 P.62
参考文献
[編集]- 萩中美枝; 藤村久和; 村木美幸; 畑井朝子; 古原敏弘 (1992). 『日本の食生活全集48 聞き書き アイヌの食事』. 農山漁村文化協会. ISBN 9784540920042
- 岸上伸啓; 木原仁美; 葛野浩昭; 佐々木史郎; 手塚薫; 吉田睦 (1995). 『世界の食文化20 極北』. 農山漁村文化協会. ISBN 978-4540050060