京急クト1形電車
京急クト1形電車 | |
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金沢検車区のクト1形 | |
基本情報 | |
製造所 | 東急車輛製造 |
主要諸元 | |
軌間 | 1435(標準軌) mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
車両重量 | 28.4t[1] |
全長 | 18,000[1] mm |
全幅 | 2,745[1] mm |
全高 | 3,929[1] mm |
制動装置 | 電磁直通ブレーキ[1] |
保安装置 | 1号型ATS |
備考 | 製造時のデータ |
京急クト1形電車(けいきゅうクト1がたでんしゃ)は、1990年(平成2年)2月に登場[2]した京浜急行電鉄の事業用電車である。
概要
[編集]デト20形の置き換え用として1000形の廃車発生部品を活用し新造された救援車。自動ブレーキ (AMM-R) 装備車を全廃し、ブレーキ性能を統一してATSを改良するために導入された[3]。
クト1とクト2の2両が製造され、クト1は新町検車区に、クト2は金沢検車区に所属した。
京急では唯一の制御付随車であり、電磁直通ブレーキ (HSC) を装備する車両に連結して運転することが前提だったが、1997年(平成9年)に保線用モーターカーでも牽引できるように改造された。京急の信号システムは先頭台車が動力台車であることを前提に設計されている[4]ため、営業線を閉鎖せずに走行する場合、先頭には連結されなかった。電磁直通ブレーキ車の全廃に伴い、2010年度に2両とも廃車された[5]。
車体
[編集]車体はデト11・12形などとほぼ共通の設計。魚腹式台枠、前面非貫通三枚窓構成の運転台を両端に備え、やぐら状に延長した浦賀寄り運転台屋根に列車無線アンテナを搭載、2000年(平成12年)にこの屋根部に壁を設け、有蓋室となった[6]。
荷台側面には背の低いあおり戸を設け、荷台中央に電動式ホイストクレーンを設置、品川寄り荷台にドイツ・フォーゲル社製脱線復旧機材を収めたコンテナを積載していた。
運転台と有蓋室は黄色、窓下に赤帯が巻かれ、荷台あおり戸と台枠は灰色。
運用
[編集]救援車として製造されたため、定期検査入場、年1回程度訓練で運転される以外に使用されたことはほとんどなかった。
主要機器
[編集]いずれも1989年(平成元年)廃車のデハ1021・1022の廃車発生品である。電動発電機・空気圧縮機・バッテリーなどの補機は搭載されず、併結相手から供給される。
脚注
[編集]参考文献
[編集]書籍
[編集]- 佐藤良介『JTBキャンブックス 京急の車両 現役全形式・徹底ガイド』JTB、2004年。ISBN 9784533055461。
雑誌記事
[編集]- 『鉄道ピクトリアル』通巻518号(1989年10月・電気車研究会)
- 小暮 洋「私鉄車両めぐり 138 京浜急行電鉄 補遺」 pp. 62-71
- 『鉄道ピクトリアル』通巻656号「特集 京浜急行電鉄」(1998年7月・電気車研究会)
- 園田 淳「私鉄車両めぐり 160 京浜急行電鉄」 pp. 209-259
- 丸山伸昭「京浜急行の先頭電動車編成について」 pp. 95-99
- 『鉄道ピクトリアル』通巻677号(1999年11月・電気車研究会)
- 園田 淳「私鉄車両めぐり 160 京浜急行電鉄 補遺」 pp. 47-53
- 『鉄道ピクトリアル』通巻855号「鉄道車両年鑑2011年版」(2011年10月・電気車研究会)
- 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 210-222