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加美郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宮城県加美郡の範囲(1.色麻町 2.加美町)

加美郡(かみぐん)は、宮城県陸奥国陸前国)の

人口26,487人、面積569.95km²、人口密度46.5人/km²。(2024年10月1日、推計人口

以下の2町を含む。

郡域

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1878年明治11年)に行政区画として発足して以来、郡域は上記2町のまま変更されていない。

歴史

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奈良時代の『続日本紀』には賀美郡と記される。その後色麻郡を併せ、江戸時代に賀美郡から加美郡に改名した。

近世以降の沿革

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幕末時点では陸奥国に所属し、全域が仙台藩領であった。「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点に存在した村は以下の通り。(1郷37村)

中新田村、下新田村、四竈村、小野田本郷、上狼塚村、下狼塚村、上多田川村、下多田川村、黒沢村、米泉村、羽場村、城生村、雑式目村、孫沢村、木舟村、平柳村、沼ヶ袋村、菜切谷村、小泉村、鳥島村、君ヶ袋村、鳥屋ヶ崎村、王城寺村、北川内村、四日市場村、小栗山村、吉田村、柳沢村、大村、谷地森村、一関村、高根村、宮崎村、高城村、平沢村、清水村、志津村、月崎村
宮城県第5大区(全12小区。加美郡のみ)
小区 所属村
小1区 四竈村、一関村、大村
小2区 王城寺村、黒沢村、志津村
小3区 月崎村、清水村、小栗山村、高城村、高根村、平沢村、吉田村
小4区 中新田村
小5区 四日市場村、下新田村
小6区 上狼塚村、下狼塚村、雑式目村、平柳村、城生村、菜切谷村
小7区 小泉村、木舟村、米泉村、君ヶ袋村、沼ヶ袋村、羽場村、小野田本郷の一部〔下野目〕
小8区 小野田本郷の一部〔本郷・味ヶ袋・芋沢・鹿原・原町〕
小9区 小野田本郷の一部〔上野目・漆沢・門沢・軽井沢・小瀬・長清水・原・水芋〕
小10区 宮崎村
小11区 谷地森村、孫沢村、鳥屋崎村、鳥嶋村、柳沢村、北川内村
小12区 上多田川村、下多田川村
  • 明治7年(1874年)4月 - 区の再編により、黒川郡と共に宮城県第3大区となる。
宮城県第3大区(全14小区。黒川郡・加美郡8~14)
小区 所属村
小8区 四竈村、一関村、王城寺村、志津村、大村
小9区 月崎村、清水村、黒沢村、小栗山村、高城村、高根村、平沢村、吉田村、小野田本郷の一部〔下野目〕
小10区 中新田村、城生村、菜切谷村、羽場村、上狼塚村
小11区 雑式目村、平柳村、四日市場村、下新田村、下狼塚村
小12区 小泉村、木舟村、米泉村、鳥屋崎村、鳥嶋村、孫沢村、君ヶ袋村、沼ヶ袋村、上多田川村、下多田川村
小13区 小野田本郷の一部〔下野目を除く部分〕
小14区 宮崎村、柳沢村、北川内村、谷地森村
宮城県第3大区(全13小区。志田郡・遠田郡・玉造郡・加美郡12~13)
小区 所属村
小12区 小野田本郷・小泉村・木舟村・米泉村・鳥屋崎村・鳥嶋村・孫沢村・谷地森村・君ヶ袋村・沼ヶ袋村・月崎村・宮崎村・柳沢村・北川内村・清水村・小栗山村・平沢村
小13区 中新田村・上狼塚村・下狼塚村・上多田川村・下多田川村・城生村・菜切谷村・羽場村・雑式目村・平柳村・四日市場村・下新田村・四竈村・一関村・王城寺村・黒沢村・志津村・大村・高城村・高根村・吉田村
  • 明治11年(1878年10月21日 - 郡区町村編制法の宮城県での施行により、行政区画としての加美郡が発足。「黒川加美郡役所」が黒川郡今村に設置され、同郡とともに管轄。同日大区小区制廃止。
  • 明治14年(1881年2月5日 - 小野田本郷を東小野田村・西小野田村に分割。(39村)[1]

町村制以降の沿革

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1.中新田町 2.色麻村 3.鳴瀬村 4.広原村 5.加美石村 6.小野田村 7.宮崎村(紫:加美町 青:合併なし)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足[2]。特記以外は全域が現・加美町。(1町6村)
    • 中新田町(中新田村が単独町制)
    • 色麻村 ← 四竈村、大村、一関村、王城寺村、黒沢村、高城村、吉田村、志津村、清水村、高根村、平沢村、小栗山村(現・色麻町)
    • 鳴瀬村 ← 四日市場村、下新田村、平柳村、雑式目村、下狼塚村
    • 広原村 ← 上狼塚村、菜切谷村、上多田川村、下多田川村、城生村、羽場村
    • 賀美石村 ← 谷地森村、米泉村、孫沢村、鳥屋ヶ崎村、鳥島村、木舟村、小泉村、君ヶ袋村、沼ヶ袋村
    • 小野田村 ← 東小野田村、西小野田村、月崎村
    • 宮崎村 ← 宮崎村、柳沢村、北川内村
  • 明治27年(1894年)4月1日 - 郡制が施行。郡役所が中新田町に設置。
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和18年(1943年2月11日 - 小野田村が町制施行して小野田町となる。(2町5村)
  • 昭和29年(1954年
    • 7月1日 - 宮崎村・賀美石村が合併して宮崎町が発足。(3町3村)
    • 8月1日 - 中新田町・鳴瀬村・広原村が合併し、改めて中新田町が発足。(3町1村)
  • 昭和53年(1978年)4月1日 - 色麻村が町制施行して色麻町となる。(4町)
  • 平成15年(2003年)4月1日 - 小野田町・中新田町・宮崎町が合併して加美町が発足。(2町)

変遷表

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自治体の変遷
明治22年以前 明治22年4月1日
町村制施行
明治22年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
中新田村 中新田町 昭和29年8月1日
中新田町
平成15年4月1日
加美町
加美町
四日市場村 鳴瀬村
雑式目村
平柳村
下新田村
下狼塚村
菜切谷村 広原村
城生村
羽場村
上多田川村
下多田川村
上狼塚村
小野田本郷 明治13年
東小野田村
小野田村 昭和18年2月11日
町制 小野田町
明治13年
西小野田村
月崎村
宮崎村 宮崎村 昭和29年7月1日
宮崎町
柳沢村
北川内村
谷地森村 賀美石村
米泉村
君ヶ袋村
沼ヶ袋村
孫沢村
鳥屋崎村
鳥嶋村
小泉村
木舟村
四竈村 色麻村 昭和53年4月1日
町制 色麻町
色麻町 色麻町
一関村
王城寺村
清水村
黒沢村
小栗山村
志津村
大村
高城村
高根村
平沢村
吉田村

行政

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明治23年(1890年)5月17日に郡制が公布された際に、宮城県庁内には黒川郡と加美郡を合併して新たに「美川郡」を設置しようとする動きがあった。これを知った色麻村長・佐藤簡らは同年11月12日、内務大臣西郷従道に宛てて「郡治独立請願書」を提出し、翌明治24年(1891年)1月23日には佐藤が上京して貴族院議長伊藤博文衆議院議長中島信行の両名にも同趣旨の請願を行った。その結果、加美郡は明治27年(1894年)4月1日の宮城県における郡制実施の際に、単独の郡として存続できることになった[3]

黒川・加美郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 高木惟矩 1879年(明治12年)3月 1880年(明治13年)11月6日
2 但木良次 1880年(明治13年)11月6日 1899年(明治22年)11月26日
3 竹内寿貞 1889年(明治22年)11月26日 1891年(明治24年)7月3日
4 大童信太夫 1891年(明治24年)7月3日 1892年(明治25年)11月4日
5 大立目謙吾 1892年(明治25年)11月4日 1894年(明治27年)3月31日 廃官
加美郡長へ転任
加美郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 大立目謙吾 明治27年(1894年)4月1日 明治33年(1900年)7月11日 黒川・加美郡長より転任
2 荒篤二郎 明治33年(1900年)7月11日 明治33年(1900年)8月3日
3 白極誠一 明治33年(1900年)8月3日 明治34年(1901年)4月20日
4 伊地知靖臣 明治34年(1901年)4月20日 明治37年(1904年)12月23日
5 近藤晋二郎 明治37年(1904年)12月23日 明治39年(1906年)2月28日
6 大立目謙吾 明治39年(1906年)2月28日 明治43年(1910年)4月22日 再任
7 村上伊佐治 明治43年(1910年)4月22日 大正5年(1916年)5月19日
8 渡邊寅治 大正5年(1916年)5月19日 大正5年(1916年)7月12日
9 井上政信 大正5年(1916年)7月12日 大正6年(1917年)10月20日
10 福島繁三 大正6年(1917年)10月22日 大正8年(1919年)5月12日
11 高橋義四郎 大正8年(1919年)6月9日 大正12年(1923年)1月30日
12 糟谷哲郎 大正12年(1923年)1月30日 大正13年(1924年)10月3日
13 小山田義祐 大正13年(1924年)10月3日 大正13年(1924年)12月9日
14 本田鶴吉 大正13年(1924年)12月9日

脚注

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  1. ^ 同日付、宮城県令甲第21号
  2. ^ 町村の統合自体は前日の3月31日付で実施されている。(明治22年〈1889年〉2月9日付、宮城県令第8号)
  3. ^ 『加美郡誌』98~103頁

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 4 宮城県、角川書店、1979年12月1日。ISBN 4040010302 
  • 旧高旧領取調帳データベース
  • 『加美郡誌』(加美郡教育会、1925年)

関連項目

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