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大西竜平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 大西竜平 七段
名前 大西竜平
生年月日 (2000-03-14) 2000年3月14日(24歳)
プロ入り年 2015年
出身地 日本の旗 日本・東京都狛江市
所属 日本棋院東京本院
段位 七段
概要
タイトル獲得合計 1
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大西 竜平(おおにし りゅうへい、2000年3月14日 - )は日本の囲碁棋士日本棋院東京本院所属。東京都狛江市出身[1]

主な実績に第41期新人王戦優勝、本因坊戦リーグ1期など。

来歴

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小学1年生のときに祖父から教わって囲碁を始め、3年生からは緑星学園で囲碁を学んだ[2]。2010年4月、5年生でソウルに留学し、囲碁道場・許壮会道場で勉強し始める。日本に帰国したのは1年に2回ぐらいだった。初めの1年間は許壮会道場の指導模範の洪章植七段の家で居候していた。韓国では毎日午前9時から午後9時まで1日10時間ぐらい囲碁の勉強をしていた[3]。また 韓鐘振九段特に熱心に教えてもらった[4]韓国語は、留学してから半年ほどしたらふつうに会話できるようになったという[2]。2011年、一時日本に帰国したときに第32回少年少女囲碁大会全国大会に出場し、優勝を飾る[2]

2012年、中学1年生の夏に日本に帰国し、日本棋院の冬季棋士採用試験を外来として受験。本戦に進出したが6勝9敗の13位に終わり[5]、その後日本棋院の院生となる[2]。2013年の同試験は9勝6敗で6位[6]。2014年、中学3年生時の同試験で15勝0敗の成績で首位となり、試験を突破[7]。2015年4月、15歳で入段。

2016年6月10日付で勝星対象棋戦通算30勝にて二段に昇段[8]。9月30日、新人王戦優勝(初タイトル)。新人王戦での初出場優勝は史上初であり、16歳6か月での優勝も新人王戦史上最年少記録[9]。入段から初タイトル獲得まで1年6か月。同年には勝率 .796 (39勝10敗)を記録し、棋道賞勝率第1位賞・新人賞を受賞した[10]

2017年4月24日、第3回イベロジャパン杯(非公式戦)優勝。このほかにも第43期天元戦で本戦ベスト8[11]、第26期竜星戦でベスト4[12]など好成績を残す。また、8月22日付けで勝ち星対象棋戦通算40勝にて三段に昇段[13]

2018年4月から8月まで行われた第43期棋聖戦Cリーグを全勝で勝ち抜け、挑戦者決定トーナメントに進出。Bリーグ1位の芝野虎丸七段、Aリーグ1位の村川大介八段を破ったものの、10月22日、Sリーグ2位の河野臨九段に半目差で敗れた[14]

2019年1月1日、賞金ランキングにより四段に昇段[15]。第57期十段戦では本戦ベスト4[16]、第45期天元戦では本戦ベスト8まで進出[17]第44期棋聖戦Bリーグで小林覚九段・羽根直樹九段らに勝利し5勝2敗の2位で昇格[18]

2020年1月1日、賞金ランキングにより五段に昇段[19]。第58期十段戦で前年に続き本戦ベスト4[20]。第76期本因坊戦では最終予選で溝上知親九段・王立誠九段・河野臨九段を破り、自身初のリーグ入りを果たす[21]。これにより8月28日付で七段に飛付昇段[22]。また、初のAリーグとなった第45期棋聖戦では5勝2敗の成績を残し山下敬吾九段・余正麒八段と同率で並んだが、序列により大西は3位となってSリーグ昇格はならず[23]

2021年、第76期本因坊戦は3勝4敗の5位で惜しくも陥落[21]第46期棋聖戦Aリーグは4勝3敗の3位で残留[24]

2022年、第47期棋聖戦Aリーグは3勝4敗の6位で降格[25]。第31期竜星戦ではベスト4まで進出した[26]

人物

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  • 囲碁AIの推奨する手とも差異のある、独創的な着手が多い[27][28][29]。2016年の第41期新人王戦優勝後は、翌年に優勝した芝野虎丸と合わせて「竜虎」とも呼ばれた[27]
  • 小中学校時代は「9割が囲碁」の生活を送り、囲碁以外の経験も重ねたかったことから、既にプロ入りを決めていたものの高校に進学(日出高等学校通信制課程)[30]。大学に進学する気はあまりなかったが、2016年に李世乭AlphaGo敗れた碁を見て衝撃を受け、AlphaGoのような碁を打つには視野を広げる必要があると考えて進学を決意[28][30]早稲田大学社会科学部に入学し、慌ただしい日々を送った[30]。この進学の経験が無ければ「行き詰まって全然だめだったと思います」と、2022年のインタビューで語っている[30]
  • 2021年12月から2022年3月にかけて、『囲碁フォーカス』で講師を務めた。

棋歴

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獲得タイトル

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良績等

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受賞歴

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  • 棋道賞勝率第1位賞 1回(2016年)
  • 棋道賞新人賞(2016年)

昇段履歴

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  • 2015年4月1日 入段
  • 2016年6月10日 二段(勝星規定)[8]
  • 2017年8月22日 三段(勝星規定)[13]
  • 2019年1月1日 四段(賞金ランキング)[15]
  • 2020年1月1日 五段(賞金ランキング)[19]、同年8月28日 七段(第76期本因坊戦リーグ入り)[22]

著書

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脚注

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  1. ^ 第1回狛江市文化講演会 広報こまえ 令和5年3月1日 (1361号), 1面.
  2. ^ a b c d 碁ワールド2015年12月号
  3. ^ 2012年4月4日 毎日新聞地方版「だいあろ~ぐ:東京彩人記」
  4. ^ 2011年11月23日 韓国・サイバーオロ
  5. ^ 平成25年度冬季棋士採用試験 本戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  6. ^ 平成26年度冬季棋士採用試験 本戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  7. ^ 平成27年度 棋士採用結果”. 日本棋院. 2019年2月9日閲覧。
  8. ^ a b 【昇段】大西竜平二段に昇段”. 日本棋院 (2016年6月24日). 2020年8月28日閲覧。
  9. ^ 大西竜平二段が新人王戦優勝 日本棋院(2016年9月30日)
  10. ^ 第50回棋道賞の受賞者一覧 日本棋院(2017年2月13日)
  11. ^ 第43期 天元戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  12. ^ 第26期 竜星戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  13. ^ a b 【昇段】大西 竜平三段に昇段”. 日本棋院 (2017年8月22日). 2020年8月28日閲覧。
  14. ^ 第43期 棋聖戦”. 日本棋院. 2020年8月28日閲覧。
  15. ^ a b 2018年賞金ランキング昇段が決定”. 日本棋院 (2019年1月7日). 2020年8月28日閲覧。
  16. ^ 第57期 十段戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  17. ^ 第45期 天元戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  18. ^ 第44期 棋聖戦”. 2020年4月26日閲覧。
  19. ^ a b 2019年賞金ランキング昇段が決定”. 日本棋院 (2020年1月7日). 2020年8月28日閲覧。
  20. ^ 第58期 十段戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  21. ^ a b 第76期 本因坊戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  22. ^ a b 【昇段】大西 竜平七段に昇段”. 日本棋院 (2020年8月28日). 2020年8月28日閲覧。
  23. ^ 第45期 棋聖戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  24. ^ 第46期 棋聖戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  25. ^ 第47期 棋聖戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  26. ^ 第31期 竜星戦”. 日本棋院. 2023年5月2日閲覧。
  27. ^ a b (月刊囲碁)大西七段、奇想覚醒で大化けか 飛びつき昇段、Wリーガー射程”. 朝日新聞デジタル (2020年9月12日). 2023年5月2日閲覧。
  28. ^ a b 碁を理解したい−大西竜平七段が大学に行った理由「つるりん式観る碁のすすめ~こぼれ話」”. 日本棋院 (2022年6月27日). 2023年5月2日閲覧。
  29. ^ いま囲碁界で起きている“人間とAI”の関係──「中国企業2強時代」「AIに2000連敗して人類最強へと成長」将棋界とは異なるAIとの向き合いかた (27/31)”. 文春オンライン (2021年2月26日). 2023年5月2日閲覧。
  30. ^ a b c d この人と(大西竜平さん・囲碁七段)」『わっこ 令和4年3月1日号』東京都狛江市https://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/46,120939,c,html/120939/20220225-182625.pdf 

外部リンク

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