安栄観光
石垣港離島ターミナル内の安栄観光事務所 | |
種類 | 有限会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地 石垣港離島ターミナル内[1] 北緯24度20分13.55秒 東経124度9分19.92秒 / 北緯24.3370972度 東経124.1555333度 |
設立 | 1970年7月17日(創業)[1] |
業種 | 海運業 |
法人番号 | 4360002020964 |
事業内容 |
八重山群島各離島旅客船輸送 海洋観光事業 水泳・潜水及び釣り用具類の販売 旅行斡旋業等[1] |
代表者 | 代表取締役 森田安高[2] |
外部リンク | http://aneikankou.co.jp/ |
有限会社安栄観光(あんえいかんこう)は、沖縄県石垣市美崎町の石垣港離島ターミナル内に本社を置く海運会社である。
概要
[編集]八重山列島において、主に石垣島と他の島との間で旅客船・フェリーを運航するとともに、関連ツアーの催行等も行っている。大半の営業航路が八重山観光フェリーとのダブルトラックとなっているが、2010年(平成22年)4月から2020年(令和2年)9月までの間は共同運航を行っており、共通乗船券で両社の船に乗船できた[3]。
沿革
[編集]かつて八重山列島には多数の海運会社が存在し同一航路に参入していた。本土復帰時にこのうち6航路10船舶が統合して八重山観光フェリーが誕生[4][5][6]。同社の西表観光海運との合併(1990年(平成2年))、平田観光の船舶委譲(同年)、離島総合海運との合併(1994年(平成6年))[7]等を経て、波照間航路を除く大半の航路が安栄観光と八重山観光フェリーの2社に集約された。
2007年(平成19年)には新たに石垣島ドリーム観光が参入し、大半の営業航路で3社でのトリプルトラックとなった。
過当競争気味であることから、コスト削減を目的に2010年(平成22年)4月から黒島航路で、同年6月からは竹富島航路で、安栄観光と八重山観光フェリーによる共同運航が開始された。さらに竹富航路では、両社が同時刻に出発していた運航時刻を基本的に30分ずらしていた[8]。その後、2011年(平成23年)4月からは共同運航航路が拡大し、安栄観光のみが運航する波照間航路を除くすべての高速船で、両社の乗船券が相互利用できるようになり[9]、2社共同運航便と石垣島ドリーム観光との実質的なダブルトラックとなったが、石垣島ドリーム観光は2018年(平成30年)4月からツアー(不定期航路事業)に特化し、定期航路事業を休止[10]。2020年(令和2年)10月1日からは、2社による共同運航が解消され、共通乗船券が廃止された[3]。
年表
[編集]- 1970年(昭和45年)7月17日 - 創業。
- 2008年(平成20年)7月1日 - 燃料油価格変動調整金(燃料サーチャージ)制度を導入[11](2009年(平成21年)1月10日廃止[11]。以後、2011年(平成23年)3月10日から[12]2015年(平成27年)9月1日まで[13]、2018年(平成30年)8月1日からも導入[14])。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)10月 - 2012年6月から運休していた波照間海運の「フェリーはてるま」の運航を受け継ぎ、再開[17]。
- 2019年(令和元年)7月31日 - フェリーはてるま2就航。
- 2020年(令和2年)10月1日 - 八重山観光フェリーとの共同運航を廃止[3]。
- 2022年(令和4年)6月1日 - 石垣島から小浜島に向かう高速船(第88あんえい号)が基準航路を外れ、船底を浅瀬に接触させる事故を起こした。乗員乗客にけがはなかった。沖縄総合事務局の調べで、基準航路の順守などの安全教育の記録と船内の安全確認記録などの保管に不備があり、30日に安全確保を命じる行政処分を出した。また、過密な運航ダイヤに問題があるとして、見直し検討を指示した[18]。
航路
[編集]※下記は、旅客船(高速船)航路については2022年10月 - 2023年3月[19]、貨客船(フェリー)航路については2020年10月[20]の情報。
- 石垣島(石垣港)発着の旅客船(高速船)航路
- - 竹富島・竹富東港 ※石垣発1日7便・竹富発1日9便
- - 小浜島・小浜港 ※石垣発1日5便・小浜発1日6便(うち小浜発2便は竹富島経由)
- - 黒島・黒島港 ※1日3往復
- - 西表島・大原港 ※1日5往復(うち1往復は黒島経由、大原発の1便は小浜・竹富島経由)上原航路欠航時のみ追加で2往復
- - 西表島・上原港 ※1日6往復(うち上下各1便は鳩間島経由)
- - 波照間島・波照間港 ※1日3往復(うち上下各1便は不定期で大原経由)
- - 鳩間島・鳩間港 ※1日2往復(うち上下各1便は上原経由)
- その他の島間の旅客船(高速船)航路
- (石垣港発着便の途中寄港も含む。)
- 波照間島・波照間港 - 西表島・大原港 ※不定期(予約制)で1往復
- 西表島・大原港→小浜島・小浜港→竹富島・竹富東港→石垣港 ※1日1便
- 西表島・大原港 - 黒島・黒島港 ※1日1往復
- 小浜島・小浜港→竹富島・竹富東港 ※1日1便
- 西表島・上原港 - 鳩間島・鳩間港 ※1日1往復
- 貨客船(フェリー)航路
- 石垣港 - 竹富島・竹富東港 ※火・土曜日運航
- 石垣港 - 小浜島・小浜港 ※水・金・日曜日運航
- 石垣港 - 黒島・黒島港 ※月・木曜日運航
- 石垣港 - 西表島・大原港 ※火・木・土曜日運航
- 石垣港→鳩間島・鳩間港→西表島・上原港→石垣港 ※月・水・金・日曜日運航(水曜日は逆回り、日曜日は鳩間島を通過)
- 石垣港 - 波照間島・波照間港 ※火・木・土曜日運航
保有船舶
[編集]- 高速船
- 第8あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員90名 航海速力38.0ノット 2000年3月進水・2000年4月就航[21][22]
- 第12あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員89名 航海速力38.0ノット 2003年12月進水・2004年1月就航
- 第38あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員89名 航海速力38.0ノット 2000年12月進水・2001年1月就航
- 第88あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員89名 航海速力38.0ノット 2004年11月進水・2004年12月就航
- 第98あんえい号 - 総トン数29t 旅客定員97名 航海速力36.0ノット 2005年4月進水・2005年5月就航
- あさひ1号 - 総トン数19t 旅客定員60名 航海速力30.0ノット 1993年5月進水
- ぱいじま - 総トン数98t 旅客定員181名 航海速力32.0ノット 2007年8月進水・2007年就航 ※当社初の大型高速船[24]
- ぱいじま2 - 総トン数284t 旅客定員210名 2017年10月8日就航[25][26][27]
- うみかじ - 総トン数65t 旅客定員147名 航海速力29.0ノット 1993年7月進水・2008年10月就航
- うみかじ2 - 総トン数120t 旅客定員162名 2016年6月就航 当社初の大型双胴船[24]
- いりかじ - 総トン数187t 旅客定員198名 2021年6月27日就航[30]
- 貨客船(カーフェリー)
- カーフェリーぱいかじ - 総トン数19t 旅客定員54名 乗用車6台 航海速力20.0ノット 2002年8月進水・2003年3月就航
- フェリーはてるま2 - 総トン数199t 2019年7月就航
-
第8あんえい号(石垣港)
-
第12あんえい号(石垣港)
-
第38あんえい号(石垣港沖)
-
第88あんえい号(黒島港)
-
第98あんえい号(石垣港)
-
あさひ1号(石垣港)
過去の保有船舶
[編集]- 高速船
- 第1あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員90名 航海速力38.0ノット 1996年8月進水[37][38]
- 第3あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員90名 航海速力38.0ノット 1997年10月進水[37][38]
- 第5あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員66名 航海速力30.0ノット 1990年5月進水[39]
- 第18あんえい号 - 総トン数19t 旅客定員90名 航海速力30.0ノット 1995年3月進水[37][38]
- 第28あんえい号 - 旅客定員75名 速力28ノット
- 第48あんえい号 - 旅客定員51名 速力30ノット
- 第58あんえい号 - 旅客定員69名 速力32ノット[39]
- 第68あんえい号 - 旅客定員 名 速力32ノット[39]
- 第78あんえい号 - 旅客定員 名 速力32ノット[37]
- 貨客船(カーフェリー)
- 第二ぱいかじ - 旅客定員38名
- フェリーはてるま - 総トン数194t 旅客定員50名 速力14ノット 1990年2月進水
-
第1あんえい号(波照間港)
-
第5あんえい号(石垣港)
-
第18あんえい号(竹富東港)
-
第68あんえい号(石垣港)
-
第78あんえい号(石垣港)
-
第二ぱいかじ(石垣港)
-
フェリーはてるま(石垣港)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “会社案内”. 安栄観光. 2018年3月15日閲覧。
- ^ “会員一覧”. 一般社団法人 沖縄旅客船協会. 2018年3月15日閲覧。
- ^ a b c “共通乗船券廃止へ 離島航路2社”. 八重山毎日新聞. (2020年8月25日). オリジナルの2020年8月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ 竹富町史編集委員会 編『竹富町史 第三巻 小浜島』2011年12月28日、480頁。
- ^ “八重山 近・現代史 略年表 1945年(昭和20)8月15日~1972年(昭和47)5月14日”. 石垣市 (2020年3月2日). 2020年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。
- ^ 「沖縄県離島から中心都市への近接性の測定とその変化」『沖縄地理』第5号、沖縄地理学会、2000年7月31日、21-41頁。
- ^ “八重山 近・現代史 略年表 1989年(平成元)1月8日~1998年(平成10)12月31日”. 石垣市 (2020年3月2日). 2020年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c “2航路で共同運行 観光フェリーと安栄観光”. 八重山毎日新聞. (2010年6月2日). オリジナルの2018年3月16日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “共通チケット航路を拡大 観光フェリー・安栄観光両社離島間定期運航も開始”. 八重山毎日新聞. (2011年5月1日). オリジナルの2016年4月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ “来年4月に定期船休止 船員不足、ツアーは継続 ドリーム観光”. 八重山日報. (2017年10月22日). オリジナルの2017年10月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “燃料価格変動調整金 1月から安栄観光が撤廃”. 八重山毎日新聞. (2008年12月11日)
- ^ “離島航路3社、原油高騰で運賃値上げ 既存料金に90~300円加算”. 八重山毎日新聞. オリジナルの2011年3月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ “離島航路、運賃値下げへ 来月1日から燃料油調整金制度を撤廃”. 八重山毎日新聞. (2015年8月30日). オリジナルの2015年9月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『【重要なお知らせ:公示】2018年8月1日より「燃料油価格変動調整金(燃料サーチャージ)」を導入致します』(プレスリリース)安栄観光、2018年7月23日。オリジナルの2018年12月23日時点におけるアーカイブ 。
- ^ “祝・石垣⇔波照間一般旅客定期航路就航”. スタッフブログ. 安栄観光 (2011年1月1日). 2015年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月8日閲覧。
- ^ “海上運送法Q&A”. 国土交通省 九州運輸局. 2022年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月8日閲覧。
- ^ a b “装い新たに運航再開 ニュー「フェリーはてるま」”. 八重山毎日新聞. (2012年10月6日). オリジナルの2013年4月6日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【琉球放送】RBC NEWS 安全教育関連の記録や適切な運行ダイヤなど 安栄観光に「輸送の安全確保」命じる行政処分”. 2022年10月19日閲覧。
- ^ 時刻表・料金 安栄観光
- ^ 貨客カーフェリー 時刻表・料金 安栄観光
- ^ “保有船舶”. 安栄観光. 2019年10月12日閲覧。(この節全般の出典)
- ^ “離島関係資料(平成31年1月) 第3 交通・通信”. 沖縄県 (2019年1月). 2019年10月12日閲覧。(この節全般の出典)
- ^ “高速船「あさひ1号」就航/伊江-那覇間結ぶ”. 琉球新報. (2002年4月6日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ a b “「うみかじ2」就航 同社初の大型双胴船 安栄観光”. 八重山日報. (2016-0615). オリジナルの2016年8月25日時点におけるアーカイブ。 2018年3月15日閲覧。
- ^ a b “石垣ー波照間 大型高速船、9月就航予定”. 八重山毎日新聞. (2017年6月17日). オリジナルの2017年6月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “「島民の思い実現」 大型高速船が入港 波照間航路”. 八重山日報. (2017年9月23日). オリジナルの2017年10月9日時点におけるアーカイブ。 2018年3月15日閲覧。
- ^ a b “高波に強い!就航率向上! 島民待望の大型高速船、石垣─波照間航路で運航開始”. 沖縄タイムス+プラス. (2017年10月13日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ a b “大型高速船の導入検討 石垣-波照間”. 八重山毎日新聞. (2016年12月15日). オリジナルの2017年10月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ “八重山航路に新船「うみかじ2」が就航”. WEB CRUISE. (2016年6月21日). オリジナルの2017年8月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ @aneikankouの2021年6月27日のツイート、2022年7月14日閲覧。
- ^ “新船「フェリー大島」お披露目 来月1日就航”. 長崎新聞. (2019年2月25日). オリジナルの2019年3月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c “平戸になぜ? 沖縄のフェリー 新船故障で売却船「里帰り」”. 西日本新聞. (2019年7月18日). オリジナルの2019年8月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大型貨客船導入で意見交換 波照間航路”. 八重山毎日新聞. (2015年5月26日) 2018年3月15日閲覧。
- ^ “「はてるま」代替船6月運航 3月定例竹富町議会”. 八重山毎日新聞. (2019年3月20日). オリジナルの2019年3月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『フェリーはてるま代替え運休のお知らせ』(プレスリリース)安栄観光、2019年6月28日。オリジナルの2019年7月7日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b 『フェリーはてるま2(波照間航路)就航のお知らせ』(プレスリリース)安栄観光、2019年7月27日。オリジナルの2019年8月1日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b c d “会社案内”. 安栄観光. 2017年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月12日閲覧。
- ^ a b c “八重山要覧(平成24年度版) 第3章 交通・通信”. 沖縄県. 2019年10月12日閲覧。
- ^ a b c “会社案内”. 安栄観光. 2010年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月12日閲覧。
- ^ “平成20年那審第18号 交通船第七十八あんえい号乗客負傷事件”. 公益財団法人海難審判・船舶事故調査協会. 2016年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月8日閲覧。
- ^ 第二ぱいかじ 船の写真館
- ^ “安栄観光 「フェリーはてるま」を購入”. 八重山日報. (2012年8月1日). オリジナルの2012年10月17日時点におけるアーカイブ。 2018年3月15日閲覧。
- ^ “貨客船が故障で運休 ガソリンの供給制限も”. 八重山毎日新聞. (2019年1月8日)
- ^ “ガソリンがない!製品を運べない!島民の生活に打撃 沖縄・波照間島で貨客船が運休 モーター故障で10日余 再開未定”. 琉球新報. (2019年1月9日)
- ^ “燃料が来ない、黒糖が出荷できない…波照間島への船が故障 年末から運休”. 沖縄タイムス+プラス. (2019年1月9日)
- ^ “14日ぶりにガソリン届く 沖縄の離島結ぶ貨客船、運航再開へ”. 沖縄タイムス+プラス. (2019年1月12日)