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文学論争

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

文学論争(ぶんがくろんそう)とは、文学に関連して起こる論争のことである[1]

日本の主な文学論争

「舞姫」論争
森鷗外小説舞姫』に関連して起こった論争。日本史上初の近代文学論争である[2]
没理想論争
1891年から翌年にかけて、坪内逍遥と森鷗外との間で行われた論争[3]。『早稲田文学』と『しがらみ草紙』が主舞台となった[3]デジタル大辞泉によると「逍遥の没理想に対して、鴎外は理想なくして文学なしと応酬した。」とのことである[3]
「小説の筋」論争
1927年に芥川龍之介谷崎潤一郎の間で行われた論争。のちに『文芸的な、余りに文芸的な』に纏められた。
「思想と実生活」論争
1936年に正宗白鳥小林秀雄の間で行われた論争。
純文学論争
1960年代に平野謙の問題提起に始まり行われた論争、または1990年代後半から2000年代初頭に笙野頼子を中心に発生した論争。
「たけくらべ」論争
1985年に佐多稲子が「初店」説を提起したことに端を発し、それまで定説化していた「初潮」説を擁護する前田愛が反論する形で始まった論争。

世界の主な文学論争

「ねじの回転」の解釈をめぐる論争
ヘンリー・ジェイムズの中編小説「ねじの回転」(1898年)の解釈をめぐり、エドマンド・ウィルソンによる精神分析学的批評(1934年)などから始まった論争[4]
ウェルギリウスの「エクローグ」の解釈をめぐる論争
ウェルギリウスの「エクローグ(詩選、牧歌)」は多様な解釈が可能なテクストであり、古代にはアレゴリーとして解釈され、18世紀には宮廷文学として読まれ、19世紀には自然主義の立場から批判され、20世紀にはポスト・モダニズムの解釈が流行した[5]

脚注

  1. ^ 文学論争』 - コトバンク
  2. ^ 「舞姫」論争』 - コトバンク
  3. ^ a b c 没理想論争』 - コトバンク
  4. ^ 元田, 脩一「「ねじの回転」の諸解釈(上)」『文學研究』第64巻、九州大学文学部、1967年3月25日、35-61頁、doi:10.15017/2332803 
  5. ^ 中山, 恒夫「ウェルギリウスの「詩選」第2歌 : 第一部(序論)解釈の動向」『文藝言語研究. 文藝篇』第19巻、筑波大学大学院人文社会科学研究科 文芸・言語専攻、1991年、1–15頁、ISSN 0387-7523 

外部リンク