コンテンツにスキップ

本願寺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

本願寺(ほんがんじ)は、寺院の名称である。

各地に同名の寺院があるが、一般には本願寺系の浄土真宗(真宗)各派の本山である「本願寺」を指すことが多い。浄土真宗における寺号の由来は、13世紀親鸞の廟堂に対して亀山天皇より下賜された「久遠実成阿弥陀本願寺」(くおんじつじょうあみだほんがんじ)であるとされる。

16世紀末期に東西に分裂し、東側は20世紀後期に発生したお東騒動の影響でさらに分裂した。

東西分裂前の本願寺については本願寺の歴史を参照。

本願寺系各派の本願寺

[編集]
西本願寺
東本願寺
本願寺(通称:西本願寺)
京都市下京区堀川通り花屋町下る本願寺門前町にある浄土真宗本願寺派の本山。
正式名称は「龍谷山本願寺」。
豊臣秀吉が寄進した土地を寺域として成立[1]
真宗本廟(通称:東本願寺)
京都市下京区烏丸通り七条上る常葉町にある真宗大谷派の本山。
正式名称は「真宗本廟」(1987年昭和62年)までは「本願寺」が正式名称)。
徳川家康が寄進した土地を寺域として成立[1]
浄土真宗東本願寺派本山東本願寺
東京都台東区西浅草一丁目にある浄土真宗東本願寺派の本山。
もとは真宗大谷派の別院「東京別院東京本願寺」。
1981年(昭和56年)6月15日、お東騒動の影響で大谷光紹により真宗大谷派から離脱・独立し「東京本願寺」となる。
1988年(昭和63年)2月29日、「東京本願寺」と大谷派からの離脱に賛同寺院により「浄土真宗東本願寺派」が結成され、「東京本願寺」が本山と定められる。
2001年平成13年)に、本山の名称を「東京本願寺」から「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」へと変更することが文部科学省に認証される。
本山本願寺 (京都市山科区)
お東騒動によって真宗大谷派から離脱した財団法人本願寺維持財団理事長の大谷暢順とその長男・光輪らにより設立する。1999年(平成11年)に宗教法人として認証。京都市山科区上花山の東山浄苑を拠点として活動しているが、法人としての登記は京都市伏見区下鳥羽北三町89である。
正式名称は「本山本願寺」であるが、「浄土真宗大谷本願寺派」とも言う。
嵯峨野本願寺 (京都市右京区)
京都市右京区嵯峨鳥居本北代町にある寺院。お東騒動によって真宗大谷派から離脱し、大谷本願寺(本願寺寺務所)として活動してきた大谷暢道(大谷光道)が2005年(平成17年)に設立。2007年(平成19年)に宗教法人となる。
嵯峨本願寺」とも言う。
築地本願寺
東京都中央区築地三丁目にある浄土真宗本願寺派の寺院。京都・西本願寺による唯一の直轄寺院で、同寺の法主が代々住職を兼務する。

通称として「(地名)本願寺」が使用されている各派の「本願寺別院」については「浄土真宗本願寺派」、「真宗大谷派」の項目を参照。

東西分立前の本願寺

[編集]
大谷本願寺
その他の本願寺と区別するため本項では、「大谷廟堂」が寺格化した「本願寺」を「大谷本願寺」と呼称する。
山科本願寺
※現在は、本願寺山科別院(本願寺派)、真宗大谷派山科別院長福寺(大谷派)が跡地付近に存在している。
石山本願寺(石山御坊・名号御坊[2]
鷺森本願寺(雑賀御坊)
※現在は本願寺鷺森別院(本願寺派)となっている。
貝塚本願寺
※現在は願泉寺(本願寺派)となっている。
天満本願寺
  • 1585年(天正12年)、豊臣秀吉との和睦によって顕如が鷺森本願寺から退去し、摂津国中島(大阪市北区天満)に転居する。
  • 1591年(天正19年)、秀吉より堀川六条に寺地を寄進され天満から移転する。
※現在は、真宗大谷派天満別院(大谷派)が跡地付近に存在している。

浄土真宗以外の本願寺

[編集]
本願寺 (品川区)
東京都品川区にある寺院。
本願寺 (東京都府中市)
東京都府中市にある寺院。
本願寺 (京丹後市)
京都府京丹後市にある寺院。
金峯山 本願寺
福岡県福岡市西区野方一丁目にある浄土宗の寺院。天文の頃の開山と伝わる。
本廟本願寺(浦安市)
千葉県浦安市北栄三丁目にある単立の寺院。
本廟本願寺(たつの市)
兵庫県たつの市御津町岩見三山尻にある単立の寺院。
本願寺
広島県福山市鞆町にある時宗の寺院。蓮如の母親が尼住持をしていたといい、それを知った遊行上人の命で「本願寺」と称したという。
燾法山 光明院 本願寺(徳島市)
徳島県徳島市南島田町にある新真言宗の寺院。

日本国外の本願寺

[編集]
新京本願寺(長春市)。1936年竣工、敗戦時に廃寺

脚注

[編集]
  1. ^ a b 不運越え再び輝く浄土 東本願寺の阿弥陀堂(時の回廊)日本経済新聞、2015年3月13日
  2. ^ 『拾塵記』の記載を由来にする。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]