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白石かずこ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

白石 かずこ(しらいし かずこ、1931年2月27日 - 2024年6月14日)は、日本の詩人翻訳家。本名 菱沼嘉壽子〈ひしぬま・かずこ〉[1]

妹に白石奈緒美女優料理研究家)がいる。

来歴

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カナダバンクーバーに生まれる。

伯父の小原克己は「満州公論」などの雑誌編集長をしており、井伏鱒二林芙美子らといった作家と深い交流があった。

7歳で帰国し、10代から詩を書き始め、北園克衛らの「VOU」に所属。早稲田大学第一文学部在学中の1951年、20歳で詩集『卵のふる街』を上梓。一時期、映画監督篠田正浩と結婚していた。1960年に『虎の遊戯』で復活し、1970年、『聖なる淫者の季節』でH氏賞、1978年、『一艘のカヌー、未来へ戻る』で無限賞、1982年、『砂族』で藤村記念歴程賞、1997年、『現れるものたちをして』で高見順賞読売文学賞(詩歌部門)、1998年、紫綬褒章、2003年、『浮遊する母、都市』で晩翠賞受賞。2009年『詩の風景、詩人の肖像』で二度目の読売文学賞(随筆・紀行部門)受賞。2010年、セルビアの「スメデレボの金の鍵賞」受賞。

当初はモダニズムシュールレアリスムの影響を受けていたが、1960年代以降、アメリカのビート詩人、ジャズの影響を受け、1970年代には、アイオワ大学ロッテルダム国際詩祭、ポーランド詩祭、ジェノヴァ国際詩祭など、30数カ国の詩人祭などで詩の朗読を行う。1980年代にはメキシコ国際詩祭、インド・バルシキ国際詩祭などに参加。

女性向けの恋愛エッセイや絵本、写真集、翻訳など多彩な仕事ぶりである。1970年代には先鋭な「フェミニスト」と思われていた。その後の「学者フェミニスト」の登場で影が薄くなったが、上野千鶴子が愛するニキ・ド・サンファルを日本に紹介したのは白石である。九条の会の賛同者である。

三島由紀夫森茉莉寺山修司らとも交流が深かった。『聖なる淫者の季節』の英訳者の一人で、同書の序文を書いた詩人ケネス・レクスロス英語版[2][3]は、白石を「日本のアレン・ギンズバーグ」と呼んだ。[4]

2024年6月14日、心不全で死去した。93歳没[5]

著書

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  • 『白石かずこ第一詩集 卵のふる街』(協立書店)1951
  • 『虎の遊戯』(世代社) 1960
  • 『もうそれ以上おそくやってきてはいけない』(思潮社) 1963
  • 『今晩は荒模様』(思潮社) 1965
  • 『男性捕獲法』(文理書院ドリーム出版・新書) 1967
  • 『ある日、トツゼン恋が』(新書館、For ladies) 1967
  • 『悦びの触角 プレイラブ・テクニック』(青春出版社、プレイブックス) 1967
  • 『白石かずこ詩集』(思潮社) 1968
  • 『愛たちけものたち神たち』(天声出版) 1968
  • 『恋人たちよこんにちは』(新書館、For ladies) 1969
  • 『白石かずこ詩集』(思潮社、現代詩文庫) 1969
  • 『聖なる淫者の季節』(思潮社) 1970
  • 『青春のハイエナたちへの手紙』(三笠書房) 1970
  • 『動物詩集』(サンリオ山梨シルクセンター) 1970
  • 『1セントの花びら』(新書館、For Ladies) 1970
  • 『わたしの中のカルメン』(文化出版局、レモン新書) 1971
  • 『わたしの天気予報』(思潮社) 1973
  • 『ブラックの朝』(思潮社) 1974
  • 『アメリカン・ブラック・ジャーニー』(河出書房新社) 1975、のち集英社文庫
  • 『紅葉する炎の15人の兄弟日本列島に休息すれば 』(サンリオ出版) 1975
  • 『愛のレター教室』(広済堂出版) 1975
  • 『聖なる淫者の秋 詩画集』(バベル社) 1976
  • 『晩酌の思想 味噌汁と六本のストロー』(奥成達,平岡正明共著、住宅新報社) 1976
  • 『恋のサブノート 愛の行動学』(住宅新報社) 1976
  • 『きまぐれ魔女の物語』(宇野亜喜良絵、エルム) 1976
  • 『一艘のカヌー、未来へ戻る』(思潮社) 1978
  • 『なりたがりやのくも』(岩崎書店) 1978
  • 『やまのこのぶのたんけん』(小峰書店) 1978
  • 『新選白石かずこ詩集』(思潮社、新選現代詩文庫) 1978
  • 『スペースへ漕ぎだすものたち 一艘のカヌー、航海譜』(九藝出版) 1978
  • 『風そよぎ、聖なる淫者』(思潮社) 1980
  • 『大人の恋をしてみませんか 愛されるより愛したいあなたなら』(PHP研究所) 1982
  • 『海光る天草』(桐原書店) 1982
  • 『Jazzに生きる わたしの内なる異邦人の旅』(旺文社文庫) 1982
  • 『可愛い男たちと可愛い女たち わたしの映画旅行』(旺文社文庫) 1982
  • 『ラビリントス 六つの精霊呼ぶ土地より』(静地社) 1983
  • 『新動物詩集』(沖積舎) 1983
  • 『ザ・ラブレター この想い、あなたに伝えたい』(PHP研究所) 1983
  • 『砂族』(書肆山田) 1984
  • 『砂族からの手紙』(講談社) 1984
  • 『火の眼をした男』(集英社) 1984
  • 『大人の恋を知りはじめたあなたに ときめきとせつなさの間で』(PHP研究所) 1984
  • 吉田ルイ子・白石かずこの部屋』(旺文社) 1985
  • 『燃えるような恋をしたいあなたに』(大和文庫) 1985
  • 『日本の詩 白石かずこ』(ほるぷ出版) 1985
  • 『炎える瞑想』(ジョン・ソルト訳、アラン・グリーン画、静地社) 1986
  • 『風景が唄う』(音楽之友社) 1986
  • 『ふれなま・ふれもん・ふるむん』(書肆山田) 1988
  • 『ひらひら、運ばれてゆくもの』(書肆山田) 1992
  • 『続白石かずこ詩集』(思潮社、現代詩文庫) 1994
  • 『ロバにのり、杜甫の村へゆく』(芸立出版) 1994
  • 『現れるものたちをして』(書肆山田) 1996
  • 『黒い羊の物語 Personal poetry history』(人文書院) 1996
  • 『羊たちの午后』(指月社) 1996
  • 『愉悦のとき 白石かずこの映画手帖]』(パンドラ) 1999
  • 『ロバの貴重な涙より』(思潮社) 2000
  • 『浮遊する母、都市』(書肆山田) 2003
  • 『満月のランニング』(本阿弥書店) 2004
  • 『詩の風景・詩人の肖像』(書肆山田) 2007

翻訳

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ディスコグラフィ

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アルバム

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  • 『DEDICATED TO THE LATE JOHN COLTRANE』 (Musicworks) 1977 - サム・リヴァースと共演
  • 『Talk To The Spirit From The Spirit!』 (May 2nd) 1999 - 豊住芳三郎、ケミー西岡、尾山修一、ヒデオ森と共演
  • 『ヒト科の熊』 - A Bear Of The Human Family (おーらいレコード) 2003 - 沖至翠川敬基と共演
  • 『ライブ・アット・アケタ』 (渋谷・沖クインテット名義、筆不精企画) 2007

関連項目

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脚注

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  1. ^ 訂正して、おわびします:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2024年6月21日閲覧。
  2. ^ Seasons Of Sacred Lust” (英語). www.ndbooks.com (1978年4月1日). 2019年10月11日閲覧。
  3. ^ 新刊情報 - 海外詩文庫『レクスロス詩集』”. www.shichosha.co.jp. 思潮社. 2019年10月11日閲覧。
  4. ^ Author Page - Kazuko Shiraishi”. 28 January 2016閲覧。
  5. ^ 詩人の白石かずこさん死去、93歳…詩集「現れるものたちをして」で読売文学賞”. 読売新聞オンライン (2024年6月19日). 2024年6月19日閲覧。

外部リンク

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