砂漠の塩
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砂漠の塩 | |
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小説の舞台となるシリア砂漠 | |
作者 | 松本清張 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 長編小説 |
発表形態 | 雑誌連載 |
初出情報 | |
初出 | 『婦人公論』 1965年9月号 - 1966年11月号 |
出版元 | 中央公論社 |
挿絵 | 堀文子 |
刊本情報 | |
刊行 | 『砂漠の塩』 |
出版元 | 中央公論社 |
出版年月日 | 1967年3月15日 |
装幀 | 杉本亀久雄 |
受賞 | |
第5回婦人公論読者賞 | |
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『砂漠の塩』(さばくのしお)は、松本清張の長編小説。『婦人公論』に連載され(1965年9月号 - 1966年11月号、連載時の挿絵は堀文子)、1967年3月に中央公論社から単行本が刊行された。中東を舞台に、死を決意した男女と妻の跡を追う夫の、愛の行方を描く長編ロマン。本作で第5回婦人公論読者賞を受賞した。
『愛と死の砂漠』のタイトルで1971年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
[編集]ヨーロッパ・中東への旅行団に参加した野木泰子は、パリ・オルリー空港で一団と別れ、エジプト・カイロにて谷口真吉と落ち合う。再会を果たしたものの、泰子は未だ真吉に身体を許す気になれなかった。夫・保雄は善良で何の落ち度もないことが、泰子の心に罪の意識を落としていた。しかし、中東各地を経てバグダードへ向かう中で、泰子の心に少しずつ変化が生じていく。
真吉の妻・妙子は、夫が香港から会社に辞表を提出したことを知る。真吉はヨーロッパ・中東各国のほとんどのビザを取得していた。他方、保雄は泰子がヨーロッパで「蒸発」したことを知った。不安に落ちた保雄は、妻の行方を追うため、カイロへと飛ぶ。
主な登場人物
[編集]- 原作における設定を記述。
- 野木泰子
- 保雄と結婚したものの、真吉のことが度々胸をかすめ、諦めと後悔の間を揺れている。大学時代は美学を専攻していた。
- 谷口真吉
- 泰子の幼なじみだが、あまりに近すぎた仲のため、青春期にはかえって互いに冷淡になっていた。
- 野木保雄
- 泰子の夫。珍しいほど純粋で、泰子を強く愛している。
- 谷口妙子
- 真吉の妻。
- 川本英子
- カイロ在住の留学生。
- 奥野
- 保雄の大学の同期生。
- 田丸
- シリアの日本大使館員。
- ヘンダーソン
- バグダードの医師。
エピソード
[編集]- 婦人公論読者賞の受賞を受けて著者は「『砂漠の塩』が読者賞になったのはなによりもありがたい。ことに読者の手によって選ばれたかと思うと、職業批評家の中間の媒体がないだけに、読者の直接感にふれてうれしい。中近東の初旅は短い日程であったが、実地を踏んだということは強かった。苦労した小説だったが、この実感に支えられて書いた。私にとっても、外国を舞台にした最初の小説である。その小説が読者の圧倒的な支持を得たと聞いて感激している。これからも、創作上の冒険をしたいという意欲に駆られる。この意欲もまた読者が私にくださったものだ」と感想を述べたと、本作の速記を務めた福岡隆は伝えている[1]。
- 本作連載に先立ち、エジプト、レバノン、シリアを含む中近東へ1965年4月15日から5月5日まで取材旅行が行われた。この時著者は、映画祭に出席する新珠三千代と同じ飛行機に乗り合わせた。福岡隆は「この小説を速記しながら、ヒロイン野木泰子を新珠三千代さんにおきかえたものであったが、おそらく松本さんも新珠さんのイメージを頭に浮かべながら口述したのではあるまいか」と推測している[1]。
- のちに著者は、フランス映画『眼には眼を』のラストシーンを賞賛する文脈で「拙作『砂漠の塩』では、映画とは場面が違うが、これ(同作のラストシーン)に似た情景を挿入している」と記している[2]。
- 文芸評論家の郷原宏は、本作が「日本ではおそらく初めて中近東を舞台にした恋愛小説」と述べている[3]。
作品の舞台
[編集]テレビドラマ
[編集]愛と死の砂漠 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『砂漠の塩』 |
脚本 |
田坂啓 中島丈博 |
演出 |
井上昭 西河克己 |
出演者 |
平幹二朗 小川真由美ほか |
製作 | |
制作 | 関西テレビ |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1971年4月6日 - 1971年9月28日 |
放送時間 | 22:00 - 22:56 |
放送枠 | 関西テレビ制作・火曜夜10時枠の連続ドラマ |
回数 | 26 |
特記事項: 第12回日本放送作家協会賞演技者賞(小川眞由美)受賞 |
この節の加筆が望まれています。 |
ドラマタイトル「愛と死の砂漠」。1971年4月6日から9月28日まで、関西テレビ制作・フジテレビ系列(FNS)(22:00-22:56)にて、全26回の連続ドラマとして放映。第12回日本放送作家協会賞演技者賞(小川真由美)受賞作品。
この枠では初の1時間ドラマ。また前作「スッポン」までは「あなたの劇場」という枠名が付いていたが、本作より枠名を廃止した。
- キャスト
- 村松真吉:平幹二朗
- 野木泰子:小川真由美
- 野木保:井上孝雄
- 村松妙子:香山美子
- 真吉の母:夏川静枝
- 保の父:野々村潔
- 保の母:宝生あやこ
- 泰子の父:村上冬樹
- 泰子の母:幾野道子
- 泰子の妹:珠めぐみ
- 白石哲也:大出俊
- 辻:藤岡琢也
- 辻冬子:大空真弓
- 細川俊夫
- 久富惟晴
- 塚本信夫
- ミッキー安川
- 奧野:小山田宗徳
- 児玉謙次
- 菅原謙次
- 田丸:有島一郎
- 河野秋武
- 田口計
- 鏑木:富田浩太郎
- 水野久美
- 入川保則
- 東恵美子
- 平井(看護婦):文野朋子
- 土屋(冬子の主治医):飯沼慧
- 川本英子:佐久間良子
- 有馬稲子
- ナレーター:納谷悟朗 → 高橋昌也
- スタッフ
関西テレビ制作・フジテレビ系列 火曜22時枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
愛と死の砂漠
(1971.4.6 - 9.28) |
江戸巷談 花の日本橋
(1971.10.5 - 1972.3.28) |
脚注
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