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萩原弘子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

萩原 弘子(はぎわら ひろこ、1951年 - )は、日本の芸術思想史学者。大阪府立大学名誉教授、博士(学術)[1]

専門は視覚文化論。1980年代後半から英国のブラック・アート運動を研究対象とする[2]フェミニズム視点で美術史を検証するグリゼルダ・ポロック、ロジカ・パーカー著作の翻訳も行なう[3][4]

略歴

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神奈川県鎌倉市生まれ[5]。1982年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻退学[5]

1982年 大阪女子大学学芸学部英文学科教員[5]。1987年 リーズ大学(英国)客員研究員(-1989)[5]。1999年 大阪女子大学人文社会学部人文学科教授[5]。2004年 ノースカロライナ大学(米国)客員研究員[5]。2005年 大阪府立大学人間社会学部人間科学科教授[5]

2009年 INIVA(Institute of International Visual Arts、英国)客員研究員(2013、2014、2015)[5]

2017年 大阪府立大学退職、名誉教授[5]

所属学会 Royal Anthropological Institute、黒人研究学会、日本平和学会[5]

編集委員 n. paradoxa (international feminist art journal)[6]

主要著作

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単著

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  • 『この胸の嵐──英国ブラック女性アーティストは語る』(現代企画室、1990年)
  • 『ブラック──人種と視線をめぐる闘争』(毎日新聞社、2002年)
  • 『展覧会の政治学と「ブラック・アート」言説──1980年代英国「ブラック・アート」運動の研究』(すずさわ書店、2022年)

共著

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アンソロジー所収

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  • “Off the Comprador Ladder—Tomiyama Taeko’s Work.” In Disrupted Borders, London: Rivers Oram Press, 1993.
  • “Comfort Women, Women of Conformity—Shimada Yoshiko’s Work.” In Generations and Geographies in the Visual Arts, edited by Griselda Pollock, London: Routledge, 1996.
  • 「性、からだ、表現―新しい意味へのフェミニスト的展望」『シリーズ 性を問う 第4巻 表現』大庭健他編(専修大学出版局、1997年)
  • 「美術とジェンダー」『美術の理論』藤枝晃雄編(東信堂、2002年)
  • “Working On and Off the Margins.” In Imagination without Borders—Feminist Artist Tomiyama Taeko and Social Responsibility, edited by Laura Hein and Rebecca Jennison, Ann Arbor: Center for Japanese Studies, University of Michigan, 2010.
  • “Recollections as a Constant Observer from Another Fallen Empire.” In Mirror Reflecting Darkly: The Rita Keegan Archive, edited by Rita Keegan, Matthew Harle, and Ego Ahaiwe Sowinski, London: Goldsmiths Press, 2021.
  • “Burnt Dresses Left for the Future-Ishiuchi Miyako’s Photographs, ひろしま/hiroshima (2007-present).” In Capture Japan: Visual Culture and the Global Imagination from 1952 to the Present, edited by Marco Bohr, London: Bloomsbury Academics, 2022.

翻訳

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  • ロジカ・パーカー、グリゼルダ・ポロック『女・アート・イデオロギ──フェミニストが読みなおす芸術表現の歴史』(新水社、1992年)
  • グリゼルダ・ポロック『視線と差異』(新水社、1998年)
  • ジョー・スペンス『私、階級、家族』(新水社、2004年)
  • サイモン・シャーマ『BBC 英国史』全15巻DVD字幕翻訳(丸善出版、2013年)

論文

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ウェブ寄稿、ウェビナー

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  • 「文化的多様性を表現する写真?」“Pictures of Diversity?” Laurie Toby Edisonウェブサイト[7]
  • 「身体の表現―エロスと暴力の現場として、あるいは……」武蔵野美術大学ウェブサイトCulture Power、2003年6月[8]
  • “Critical Perspectives on Araki Nobuyoshi’s Photography.” In Behind the Camera, University of British Columbia. [9]

展覧会協力・図録執筆

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  • “Here History Unfolds.” In Tam Joseph—This is History (exhibition catalogue), edited by Eddie Chambers, December 1997. [10]
  • Rita Keegan Archive Project, at South London Gallery, 2020(展示協力).[11][10]
  • Rita Keegan, Somewhere Between There and Here, at South London Gallery, 2021(展示協力).[11]
  • The Third Gallery Aya 25周年記念展『山沢栄子岡上淑子石内都 2021』(図録).[12]
  • 京都精華大学ギャラリーリニューアル記念展『越境─収蔵作品とゲストアーティストがひらく視座』、京都精華大学ギャラリー Terra-S、2022(企画協力).[13]

脚注

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  1. ^ researchmap 萩原弘子”. 2023年1月20日閲覧。
  2. ^ 萩原弘子「英国ブラック・アート運動研究をめぐるあれこれ——回想、夢想、展望」 『人文学論集』第35集別冊、大阪府立大学人文学会、2017年3月、 pp. 81-93
  3. ^ ロジカ・パーカー、グリゼルダ・ポロック『『女・アート・イデオロギ──フェミニストが読みなおす芸術表現の歴史』』新水社、1992年。 
  4. ^ グリゼルダ・ポロック『『視線と差異』』新水社、1998年。 
  5. ^ a b c d e f g h i j 「萩原弘子教授 略歴と研究業績一覧」『人文学論集』第35集別冊、大阪府立大学人文学会、2017年3月、p. 95
  6. ^ KT press ウェブサイト”. 2023年1月20日閲覧。
  7. ^ 「文化的多様性を表現する写真?」”. Laurie Toby Edisonウェブサイト. 2023年1月20日閲覧。
  8. ^ 「身体の表現―エロスと暴力の現場として、あるいは……」”. 武蔵野美術大学ウェブサイトCulture Power. 2023年1月20日閲覧。
  9. ^ “Critical Perspectives on Araki Nobuyoshi’s Photography.” Behind the Camera,”. University of British Columbiaウェブサイト. 2023年1月20日閲覧。
  10. ^ Catalogues.”. Eddie Chambersウェブサイト. 2023年1月20日閲覧。
  11. ^ a b Social Fabric.”. Rita Keegan Archive Project ウェブサイト. 2023年1月20日閲覧。
  12. ^ 25周年記念「山沢栄子、岡上淑子、石内都 2021」”. The Third Gallery Ayaウェブサイト. 2023年1月10日閲覧。
  13. ^ 京都精華大学ギャラリーリニューアル記念展『越境─収蔵作品とゲストアーティストがひらく視座』”. 京都精華大学ギャラリー Terra-Sウェブサイ. 2023年1月20日閲覧。

外部リンク

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