薬寿
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『薬寿』は、いわゆる薬用酒の銘柄の1つである。
製品概要
[編集]薬寿は、武田薬品工業(以下、武田)とサントリーとが共同開発した滋養強壮剤である。特徴は養命酒や保命酒と違い、ワインがベースとなっていた。1970年に製造開始したが2006年に製造を中止した。[要出典]パッケージには武田の社章であるウロコマークとサントリーの向獅子マーク(末期は「響」マークに変更)が表記されていた。また、サントリーでは酒屋ルート向けに武田との共同開発による薬味酒『薬妙』(やくみょう)を製造・販売していた[1]。
成分
[編集]薬寿には動物性の成分は全く入っておらず、合計21種類の生薬の成分が溶け込んでいるとされている[2]。 薬寿の処方は、晋の時代から用いられた開心薯蕷腎気丸(かいしんしょよじんきがん)と、宋の時代から用いられた十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)の2つを参考にして考案されたとされる[3][4]。 以下、使用されている生薬を「生薬名(読み)(部位) - 含有濃度(単位)」の形式で表記した。
- 黄耆(おうぎ)(根) - 1350 (mg/l)[5]
- 甘草(かんぞう)(根) - 450 (mg/l)[5]
- 枸杞子(くこし)(果実) - 1350 (mg/l)[5]
- 桂皮(けいひ)(樹皮) - 1350 (mg/l)[5]
- 五味子(ごみし)(果実) - 2030 (mg/l)[5]
- 山薬(さんやく)(根) - 2030 (mg/l) - ヤマイモ[5]
- 山茱萸(さんしゅゆ)(果実) - 1350 (mg/l)[5]
- 地黄(じおう)(根茎) - 2030 (mg/l) - アカヤジオウ[5]
- 芍薬(しゃくやく)(根) - 1350 (mg/l)[6]
- 生薑(しょうきょう)(根) - 930 (mg/l)[6]
- 川芎(せんきゅう)(根茎) - 1350 (mg/l)[6]
- 蒼求(そうじゅつ)(根) - 1350 (mg/l) - オケラ[6]
- 朝鮮人参(ちょうせんにんじん)(根) - 1350 (mg/l)[6]
- 当帰(とうき)(根) - 1350 (mg/l)[6]
- 菟糸子(としし)(果実) - 2030 (mg/l) - ネナシカズラ[6]
- 肉蓯蓉(にくじゅよう)(全草) - 1350 (mg/l)[6]
- 防風(ぼうふう)(根) - 2030 (mg/l)[6]
- 茯苓(ぶくりょう)(菌体) - 2030 (mg/l)[6]
- 薏苡仁(よくいにん)(胚子) - 1350 (mg/l) - ハトムギ[6]
なお、上記の他にエタノールや糖分も含まれている。
CM出演者
[編集]出典
[編集]- ^ 【魚拓】北多摩薬剤師会 おくすり博物館 薬用酒
- ^ 田多井 吉之介 『酒と飲みものの健康学』 p.72 大修館書店 1983年9月10日発行 ISBN 4-469-16357-0
- ^ 田多井 吉之介 『酒と飲みものの健康学』 p.72 大修館書店 1983年9月10日発行 ISBN 4-469-16357-0
- ^ 王 & 赤堀 1991, p. 256
- ^ a b c d e f g h 田多井 吉之介 『酒と飲みものの健康学』 p.70 大修館書店 1983年9月10日発行 ISBN 4-469-16357-0
- ^ a b c d e f g h i j k 田多井 吉之介 『酒と飲みものの健康学』 p.71 大修館書店 1983年9月10日発行 ISBN 4-469-16357-0
参考文献
[編集]- 田多井 吉之介 『酒と飲みものの健康学』 p.70~p.73 大修館書店 1983年9月10日発行 ISBN 4-469-16357-0
- 王元武; 赤堀幸男「薬酒の中医学的考察 (III)」『日本東洋医学雑誌』第41巻、第4号、日本東洋医学会、241-262頁、1991年 。