コンテンツにスキップ

藪塚温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
藪塚温泉
温泉情報
所在地 群馬県太田市藪塚町
交通 鉄道 : 東武桐生線藪塚駅(特急・りょうもう停車)より徒歩約15分
車 : 北関東自動車道太田桐生ICより約15分
太田藪塚ICより約10分
泉質 含炭酸重曹泉[1]
泉温(摂氏 15.3C[2]
湧出量 112.6ℓ/min[3]
液性の分類 アルカリ性[4]
宿泊施設数 5件(2020年)
年間浴客数

801,000[5]

年間入込客数92,400(宿泊客55,200、日帰り客37,200)[4]
統計年 1986年
テンプレートを表示

藪塚温泉(やぶづかおんせん)は、群馬県太田市にある温泉[6]。やぶ塚温泉、薮塚温泉とも称される。

泉質

[編集]

泉質はメタケイ酸及び炭酸水素ナトリウム[7]。湯の入、滝の入、西長岡の三つに源泉がある[8]

温泉街

[編集]

4軒の旅館が存在する。うち、温泉を利用しているのは3軒である[7]

歴史

[編集]
大正時代

その昔「湯の入り」と呼ばれる薮塚の地に、里人が小さな社の岩窟から湧き出る湯を病を治す湯治場として使っており、この妙湯に馬が飛び込み一声高くいななくと雲と雨を起こして天に舞い上がった[9]。以来、冷泉に変わっていたが、村の老人の枕辺に薬師如来が現われ「この水を沸かせば、万病に効く霊泉となる」とお告げがあったという伝説が残る[10]天智天皇の御代行基上人により開いたと伝えられ、また新田義貞が鎌倉攻めの折、傷ついた兵士を湯治させたと言われている[11]。そのため新田義貞の隠し湯と呼ばれている[12][1]

正式な開湯時期は不明だが、正中年間(1324年-1326年)発見と伝えられ、元文年間(1736年-1741年)に河内六郎平が官許を得て営業を始め、天明-文化の頃に殷賑を極めたが、文政期に衰退した[4]明治初期には今井弥造、伏島今近蔵らが再興し、明治10年代には年間来客数が1万512人、末期には10万人に達した[13]。1942年から1945年までは中島飛行機の社員寮となっていた[14]

2004年に発生した一連の温泉偽装問題で、温泉地内の一部旅館の温泉表示が問題視されたことがある[15]。これを機に温泉を使用している「温泉旅館」と、そうでない「観光旅館」との区別が明確化された[16]2007年3月1日清水聖義太田市長(当時)による「偽温泉」発言が波紋を呼び、陳謝する事態となった(清水聖義#「ニセ温泉」発言参照)。

近くの観光地

[編集]

登場する作品

[編集]

交通アクセス

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 全国温泉百科事典、p.247
  2. ^ 群馬の小さな温泉、p.115
  3. ^ 地質調査書『日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』1992、p.156
  4. ^ a b c 『群馬県百科事典』1979、p.921
  5. ^ 『藪塚本町誌・下巻』、p.1070
  6. ^ 『日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1975)、p.43
  7. ^ a b やぶ塚温泉郷太田市ホームページ(2020年7月10日閲覧)
  8. ^ 「群馬の温泉」、p.162
  9. ^ 群馬の小さな温泉、pp.112-113
  10. ^ やぶ塚温泉郷太田市公式ホームページ(2020年7月10日閲覧)
  11. ^ 群馬の温泉、p.162
  12. ^ 新田義貞の隠し湯やぶ塚温泉太田市観光物産協会公式ホームページ(2020年7月10日閲覧)
  13. ^ 『群馬県百科事典』、p.922
  14. ^ 『藪塚本町誌・下巻』、p.1069
  15. ^ 朝日新聞 2004年8月20日付、朝刊
  16. ^ 桐生博司 (2004年8月12日). “藪塚温泉の不適切な表示について”. 藪塚本町. 2005年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月28日閲覧。
  17. ^ 群馬の小さな温泉、p.113
  18. ^ 作中「間代と蒲団と湯銭で七八銭、仕立屋持運ぶ三食が二三銭、都合六十銭で一日いられる温泉場、こういう温泉場はあまり沢山ない。こういう温泉場を望む人は、東武線の藪塚か西長岡に限る」と書かれている
  19. ^ テレビドラマ「仮面ライダー鎧武」古代遺跡思わす石切り場跡(群馬・太田市)産経ニュース 2014年11月16日(2020年7月10日閲覧)
  20. ^ 「ぐんまの温泉」、p.18

参考図書

[編集]
  • 地質調査書『日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1975)
  • 地質調査書『日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1992)
  • 『群馬県百科事典』(上毛新聞社、1979)
  • 木暮敬、萩原進『群馬の温泉』(上毛新聞社、1980)
  • 『群馬県の地名』(平凡社、1980)
  • 角川日本地名大辞典』(角川書店、1988)
  • 『藪塚本町誌・下巻』(1995)
  • 『全国温泉大事典』(旅行読売出版社、1997)
  • 群馬の小さな温泉(上毛新聞社、2010)
  • 「ぐんまの温泉」(群馬県観光局観光物産課、2020)

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]