コンテンツにスキップ

Intel Atom

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Atom
第11世代Intel Atomのロゴ
生産時期 2008年から
生産者 インテル
CPU周波数 600 MHz から 2.41 GHz
FSB周波数 400 MHz から 667 MHz
プロセスルール 45 nm から 10 nm
命令セット IA-32, x64
コア数 1, 2, 4, 8, 12, 16, 24
パッケージ μFCBGA (Socket 437等)
コードネーム
  • Silverthorne
  • Diamondville
  • Pineview
  • Lincroft
  • Cedarview
テンプレートを表示

Intel Atom (インテル アトム、以下 "Atom") は、インテル設計製造する、主に携帯情報端末 (PDA) や低価格PC組込みシステム向けのマイクロアーキテクチャ及びマイクロプロセッサシステム・オン・チップ群である。

Atomは、インテルの製品分類でも特に低消費電力化が図られたLPIAと呼ばれるカテゴリに属している。LPIA製品としてはマイクロアーキテクチャから新規に開発された初めての製品である。米国時間2008年3月2日に発表され、その年の夏から順次出荷されている。

2015年時点では Intel 64 に対応しているが、初期の製品に64ビット非対応で IA-32 の物もあった。メインストリームの製品との差別化のためか、64ビットと同時にVTに対応したモデルは以前は無かったが、2015年時点ではサーバ向けとしてそのようなラインナップも現れた。

概要

[編集]
Atom N270
Atom N270

過去には、インテルのモバイル・組込み向けプロセッサはx86ではなく、DECから買収したStrongARMと、その発展型をXScaleブランドで販売していた。XScaleは携帯情報端末組込みシステムに採用され、多くのPocket PCで使われた。

当時のx86は、競合していたARMと比べて回路規模クロック周波数の高さから消費電力が大きく、パッケージも大きかったため、小型化や低消費電力が求められるモバイル機器向けや組込み用途にはあまり採用されていなかった。しかし、ソフトウェアの開発環境では、x86の豊富な開発ツールプログラミング技術者の層の厚さといった有利な面があり、その後の半導体プロセスマイクロアーキテクチャの改良などの性能向上によって低消費電力化や小型化が行われれば、市場に受け入れられる環境は整っていた。

2007年4月、インテルはx86ベースで低消費電力という新しいカテゴリ「LPIA」とその第一弾のプロセッサ「A100」を発表した[1]。内実としては、専用に大幅な新規開発を行ったものではなく、既に販売されていたPentium Mマイクロアーキテクチャの第2世代にあたるCeleron M (コードネーム「Dothan-512K」、90 nmプロセス) そのものであり、周辺チップには既存のICH7から消費電力の大きいPCI Expressインタフェースを取り除くなどしたICH7Uが使われていたが、XScale部門をマーベル・テクノロジー・グループに売却した[2]ことなどもあり、x86によるモバイル・組込み機器の発展の端緒となった。インテルはこれに続けて、Atomシリーズを展開した。

マイクロアーキテクチャ

[編集]

Atomでは以下のマイクロアーキテクチャが使われる[3]

インテル チック・タックモデルのように、機能強化を図る世代と単にシュリンクする世代を交互に繰返すという計画が発表されていたが、実際はそのようには推移していなく、Silvermont で機能強化が行われた。

名称 プロセスルール 採用 特徴
Bonnell
(ボンネル)
45 nm Diamondville, Menlow, Pine Trail, Moorestown, Oak Trail In Order型、最大2コア、SSSE3
Saltwell
(ソルトウェル)
32 nm Cedar Trail, Centerton, Briarwood, Medfield, Clover Trail, Clover Trail+
Silvermont
(シルバーモント)
22 nm Avoton, Rangeley, Bay Trail, Merrifield, Moorefield Out of Order型、最大8コア、AES-NISSE 4.2、HTTなし
Airmont
(エアーモント)
14 nm Braswell, Cherry Trail
Goldmont
(ゴールドモント)
Apollo Lake, Denverton 3命令同時デコード、最大16コア、MPX
Goldmont Plus
(ゴールドモントプラス)
Gemini Lake, Gemini Lake Refresh 4命令同時発行、SGX
Tremont
(トレモント)
10 nm Snow Ridge, Elkhart Lake, Jasper Lake, Lakefield 6命令同時デコード、最大24コア
Gracemont
(グレイスモント)
Intel 7 Alder Lake, Raptor Lake AVX、AVX2
Crestmont
(クレストモント)
Intel 4 Meteor Lake
Skymont
(スカイモント)
TSMC N3B Lunar Lake 9命令同時デコード

2016年5月にGoldmontに基づくスマートフォン/タブレット向けのBroxtonの廃止が発表になり[4]、タブレットPC向けのWillow Trailも廃止になり[5]、Joule は発表から10ヶ月で製造終了した。

Bonnell マイクロアーキテクチャ

[編集]

第1世代のAtom向けマイクロアーキテクチャである。実装している命令セットIntel Core 2と互換であるとされ、x86命令、x87命令、そしてMMXSSESSE2SSE3SSSE3などの拡張命令を搭載している。製品により、Intel 64Intel VTハイパースレッディング・テクノロジーEISTNXビットが利用可能な物もある。また、新しくディープパワーダウン (C6)、スレッド別の低電力状態 (TCx)、CMOSバスモードなど電力管理機能が強化された[6]。 最初に出荷された製品は、I/Oパッドを両サイドに配置した細長い長方形のダイ・レイアウトで、製造効率が最も高いとされる正方形のダイ形状ではない。これは、ダイサイズの小さなプロセッサをマルチコア化する際に有利であることから採用されたもので、その後、これを活かしたデュアルコア製品が追加された。[要出典]

約4,700万個のトランジスタにより構成されており、これは当時(2008年)のインテルのx86プロセッサの中では最も少ない[要出典]。ダイサイズ25平方 mm未満であり、インテル史上最小のx86プロセッサとして登場した。製造にはリーク電流低減に有効とされるハフニウム注入によるHigh-k (高誘電率) ゲート絶縁膜とメタルゲートによる45 nmプロセス・ルールが採用されるなど、省電力化が徹底されており、インテルのCPU史上最も低い電圧で動作し、消費電力はVIA Edenと同等。電圧を高くすることで当面最大となる1.8 GHz程度の動作周波数を確保し、それに応じて熱設計電力 (TDP) も0.6 W - 2.5 W程度と抑制された[7]

またワットパフォーマンス向上のため、アウト・オブ・オーダー実行構造を捨て、イン・オーダー実行の、比較的古いマイクロアーキテクチャに立ち返り、再設計されている。[8]

2次キャッシュの容量やFSBの速度はPentium 4-Mと同程度で、実質的な処理速度でも、同クロックのWillamette・NorthwoodのPentium 4やNorthwood-256kのMobile Celeron、Prescott-V (Prescott-256K) のCeleron Dなどと同程度であるが、同クロックのZ530 (FSB533 MHz 1.6 GHz TDP 2.2 W (HT)) とPentium 4-M (Northwood FSB 400 MHz 1.6 GHz TDP 46.8 W) とで比較した場合、TDPは後者の約4.7%となり、エネルギー効率は格段に向上した。[要出典]

このうち、2008年9月より出荷された330は、CPUパッケージに230を2個搭載させたデュアルコアモデルである[9]。330はまずデスクトップパソコン (ネットトップ) において発売を開始、2009年6月にはネットブックへの搭載機種が発売された[10]。330搭載のネットトップについては消費電力が少なく、相応の性能があるため、主に超小型ベアボーンやショップブランドパソコンとして発売されており、ファンレス製品もある。230と330に関しては、各社からMini-ITXマイクロATXのマザーボードに実装された状態で発売され、いずれも概ね1万円以下で入手可能である。CPUのみの交換はできないが、自作デスクトップPCとして組み立てることが可能である。

2009年12月には、開発コードPine Trail-Dと呼ばれていた新型プロセッサD410、D510が発表された。これらの最大の特徴は、元来ノースブリッジの機能だったGPUとメモリコントローラーをCPUに統合した点にある。これにより従来のAtomプラットフォームと比較し、平均消費電力は約20%低下したとされている[11]。また、従来3D性能のもの足りなさが指摘されていたグラフィックは、GMA 950からGMA 3150へと替わった。メモリスロットとメモリ総容量の少なさも解消されたことからWindows 7に正式に対応している。2009年12月に発売された製品では、DVIHDMIはサポートされていない。

Centrino Atom

[編集]

ノートパソコン市場向けのインテルの製品ブランドの1つCentrinoと結び付けられた「Centrino Atom」(セントリーノ・アトム) という製品群は、低消費電力が求められるデジタル・モバイル機器などでの採用を想定していた。インテルのウェブサイトでは、ノートパソコンとPDAとの中間に位置するネットブックや組込み機器向けとしている。CPUコアはコードネーム「Bonnell」(ボンネル) と呼ばれている。Bonnellを採用した製品は複数公表されており、それぞれ対象とする市場が異なる[12]

  • Silverthorne - MID (モバイル・インターネット・デバイス、Mobile Internet Device、2008年4月に米インテル社が示した新たなノートパソコンのカテゴリー)
  • Diamondville - ネットブックネットトップ

Silverthorneと統合チップセット (コードネーム「Poulsbo」(ポルスボ)、System Controller Hub - SCH) を組み合わせたプラットホーム (コードネーム「Menlow」) には、インテル Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー (Intel Centrino Atom processor technology、セントリーノ・アトム・プロセッサー・テクノロジー) というブランドネームが与えられた。しかし、2008年8月にはインテルが「Centrino Atom」ブランドの廃止を決定。「Atom」に一本化された[13]

ネットトップ・ネットブック向け (Diamondville, Pine Trail)

[編集]

頭文字に"D"が付く製品は簡易用途デスクトップPC、いわゆるネットトップ向けである。一方"N"が付く製品はネットブック向けとなる。230と330は主にネットトップ向けだが、ネットブックにも搭載された。

Diamondville

2008年3月に発表されたAtom第1世代の製品である。

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 HT対応 FSB
(MHz)
2次キャッシュ 64ビット対応 VT 対応 EIST TDP
(W)
DDR2メモリ
330 1.60 2 533 512 KB×2 × × 8 800
230 1 512 KB 4
N280 1.66 667 × 2.5 667
N270 1.60 533 533
Pine Trail

2009年5月に発表された。メモリコントローラーとグラフィックコアを統合したプロセッサ「Pineview」とチップセット「Tiger Point」を組み合わせたプラットフォーム。内蔵されたグラフィックコアはGMA 3150Blu-rayH.264のアクセラレーションには対応していないので、それらにはBroadcomのCrystal HDなどの外部チップで対応することとなる。N475、N455、D525、D425はそれぞれN470、N450、D510、D410のDDR3対応版。

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ DMI 64ビット対応 VT 対応 EIST TDP
(W)
メモリ
D525 1.80 2 512 KB×2 2.5GT/s × × 13 DDR3 800
D510 1.66 DDR2
D425 1.80 1 512 KB 10 DDR3
D410 1.66 DDR2
N570 1.66 2 512 KB×2 8.5 DDR3 667
N550 1.50
N475 1.83 1 512 KB 6.5
N470 DDR2
N455 1.66 DDR3
N450 5.5 DDR2

タブレットPC向け (Menlow, Moorestown, Oak Trail)

[編集]
Menlow

2008年4月2日発表。2011年5月20日が最終受注日で生産終了[14]。プロセスルールは45 nm。

プロセッサーナンバー 動作周波数 コア数 HT対応 FSB
(MHz)
2次キャッシュ 64ビット対応 VT 対応 EIST TDP (HT)
Z500 800 MHz 1 400 512 KB × × 0.65 W
Z510 1.10 GHz × 2 W
Z510P 2.2 W
Z510PT
Z515
  • BPT: 1.4 W
  • HFM: 0.65 W
Z520 1.33 GHz 533 2 W (2.2 W)
Z520PT 2.2 W
Z530 1.60 GHz 2 W (2.2 W)
Z530P 2.2 W
Z540 1.86 GHz 2.4 W (2.64 W)
Z550 2.00 GHz 2.4 W (2.64 W)
Z560 2.13 GHz 2.5 W (2.75 W)
Moorestown

2010年5月4日発表。スマートフォンのアプリケーションプロセッサへの採用が想定されている。コードネーム「Lincroft」ことZ6xxシリーズとコードネーム「Langwell」こと「Platform Controller Hub MP20」チップセットを組み合わせたプラットフォーム。プロセスルールは45 nm。

プロセッサーナンバー 動作周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ 64ビット対応 VT 対応 EIST TDP
(W)
ベース ターボ
Z600 0.80 1.20 1 512 KB × 1.3
Z605 0.60 1.00 2.2
Z610 0.80 1.20 1.3
Z612 0.90 1.50
Z615 1.20 1.60 2.2
Z620 0.90 1.50 1.3
Z625 1.50 1.90 2.2
Oak Trail

2011年4月11日発表[17]タブレットPC向けで、Menlowの後継製品。開発コードネーム「Lincroft」ことAtom Z6xxと「Whitney Point」ことIntel SM35 Expressを組み合わせたプラットフォーム。Oak Trail向けプロセッサZ670も同時に発表された。プロセスルールは45 nm。ネットブック向けのAtom N450に比べると消費電力は70%削減されている。F-07C (Windows 7搭載) ではZ650を 0.60 GHz (LFM) で搭載している。メモリは DDR2-800 64bit シングルチャネル (6.4 GB/s)、最大2 GB。最大出力解像度は1366×768 (LVDS)。[18]

プロセッサーナンバー 動作周波数 コア数 HT対応 FSB 2次キャッシュ 64ビット対応 VT 対応 EIST TDP
(W)
GPU
Z650 1.20 GHz (HFM) 1 512 KB × 3.0 PowerVR SGX 535 (400 MHz)
Z670
  • 1.50 GHz (HFM)
  • 0.60 GHz (LFM)
667 MHz

HFM = 最高周波数モード, LFM = 最低周波数モード。

家電向け (Canmore, Sodaville)

[編集]
Canmore

Intel Media Processor CE3100はセットトップボックステレビ向けのシステム・オン・チップ製品。2008年後半に出荷予定[19]

以下の機能を持つ。

Sodaville

Atom CE4100 (開発コードネーム:Sodaville) は、家電向けシステム・オン・チップ製品で 45 nm プロセスで製造され、2009年9月24日にIDF Fall 2009で発表された[20]。CE4100 CE4130 CE4150の3製品が公表されている[21]

プロセッサーナンバー 周波数 2次キャッシュ A/Vキャプチャ
CPU
(GHz)
GPU
(MHz)
CE4100 1.20 200 512 KB ×
CE4130
CE4150 400
CE4170 1.60

組込み機器向け (Embedded Menlow, Tunnel Creek)

[編集]
Embedded Menlow

組込み機器向けの、コードネーム「Embedded Menlow」(エンベデッド メンロー) もSilverthorneとPoulsboで構成される。組込み機器においては「同じものが長期間に渡り調達可能であり続ける事」が重要となるため、ライフサイクルサポートを7年としている点が異なる。

Tunnel Creek

2010年11月22日に米intel社はFPGAを組み込んだ"Intel Atom E600シリーズ" (開発コード名:Tunnel Creek) を発表した。本製品は、産業機械や移動用医療機器、高性能プログラマブル・ロジック・コントローラーといった組込み型コンピュータや、通信機器、視覚システム、VoIPデバイスの制御ユニットなどを主な適用対象としている。

末尾にTがつくのは産業向けで、それ以外は環境温度保証が0 - 70℃であるのに対して、Tがつくのは-40 - 85℃。末尾にCがつくのは、Altera FPGAを統合してシングルパッケージにしたモデル。

組込み用途において、Atomプロセッサを使いながらさらにユーザが独自に設計したデジタル回路を用いる場合には、プログラマブルな集積回路を別チップにしてAtomと共に製品を組み上げる構成が一般的であったが、Intel社はAtomにアルテラ社のFPGAを組み込みシングル・パッケージで提供することにした。AtomプロセッサとFPGAを同一パッケージで扱えることで、設計者は基板スペースが縮小できるだけでなく、設計そのものもより柔軟となり、小さな修正や変更はプログラムの入れ替えによって迅速・容易に設計変更できる。このため、開発コストと設計変更リスクが最小限に抑えられ、また部品在庫の縮減が可能で製造工程も簡素化できるとされる。また、本製品のサポートはIntel社だけに集約し、少なくとも7年間のサポートを行うとしている。

産業用および商用温度環境のサポートし、動作クロックは0.6 - 1.3 GHz、TDP 2.7 W -3.6 Wの製品が準備されている。E665CT、E645CT、E665C、E645Cという4品種が同日から60日以内の出荷であり、E625CTとE625C2製品が2011年第1四半期の出荷を予定している。価格は61 - 106米ドル (1000個時) を予定している[22]

本シリーズのダイは「Lincroft」系統の改良版であるとされる[23][24]

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ 64ビット対応 VT対応 EIST TDP
(W)
DDR2メモリ FPGA
E620 0.6 1コア 512 KB × 2.7 800 ×
E620T
E625C 7
E625CT
E640 1.0 3.6 ×
E640T
E645C 7
E645CT
E660 1.3 3.6 ×
E660T
E665C 7
E665CT
E680 1.6 3.9 ×
E680T

Saltwell マイクロアーキテクチャ

[編集]

第2世代のAtom向けマイクロアーキテクチャである。Bonnellを32 nmプロセスルールに縮小したもの。2011年9月出荷開始。

ネットトップ・ネットブック向け (Cedar Trail)

[編集]

2011年9月出荷開始。

サポートされるOSはWindows (グラフィックはWindows 7以降)、Chrome OS、Ubuntu 12.04 LTS (32bit版のみ)、MeeGo。内蔵グラフィック機能はドライバレベルでWindows 7/8/8.1、かつ32bitしかサポートされない(64bit版はβ5止まり)。Windows 8以降は7用のドライバを流用する形での対応となる。前述以外のLinuxディストリビューションやWindows Vista、Windows XP用のドライバは提供されておらず代用も不可能なため、これらのOSと組み合わせて使用する際には、ビデオカードの増設が必要である。32 nmプロセスルール。Intel GMA 3600/3650 は PowerVR SGX 545 ベース。※一般向けには公式にサポート外となっているが、組込み向けには「エンベデッド・メディア・グラフィックス・ドライバー (EMGD)」としてWindows XPもサポートされている。

Cedar Trail
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ DMI
(GT/s)
64ビット対応 VT対応 EIST TDP
(W)
Intel GMA GPU周波数
(MHz)
メモリ
D2700 2.13 2 512 KB×2 2.5 × × 10 3650 640 DDR3-1066 シングルチャネル
D2560 2.00
D2550 1.86
D2500 × 3600 400
N2850 2.00 6.6 3650 640
N2800 1.86 6.5
N2650 1.70 3.6 3600 400 DDR3-800 シングルチャネル
N2600 1.60 3.5

タブレットPC向け (Medfield, Clover Trail)

[編集]
Medfield, Lexington

2012年1月10日発表 (Z2460)、スマートフォン向けで、Moorestownの後継製品。Saltwell マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは32 nm[25]。メモリは LPDDR2-400 32bit デュアルチャネル (3.2 GB/s)。コードネームは Medfield (メドフィールド)。Z2420はMedfieldに属するが低価格市場向けを想定しておりコードネームは Lexington (レキシントン) となる[26]。2.0 GHz 時は750 mW、0.1 GHz時は50 mW[27]

プロセッサーナンバー 動作周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ 64ビット対応 VT対応 GPU モデム
ベース ターボ Model 周波数
(MHz)
Z2000 1.00 なし 1 × 512 KB × PowerVR SGX 540 320
Z2420 1.20 なし 400 XMM 6265 (HSPA+)
Z2460 1.30 1.60 XMM 6260 (HSPA+)
Z2480 不明 2.00
Z2610 1.30 1.60
Clover Trail

2012年9月27日発表、タブレットPC向け (主にWindows 8タブレットで採用)、Oak Trailの後継製品。コードネームは Clover Trail (クローバートレイル)。プロセスルールは、Medfieldと同様に32 nm。Medfieldに比べてWindowsドライバのサポートなどに調整を加えた製品。メモリは LPDDR2-800 32bit デュアルチャネル (6.4 GB/s)、最大2 GB。DirectX 9.3, OpenVG 1.1, OpenGL 2.1, OpenGL ES 2.0 対応。[28]

プロセッサーナンバー 動作周波数 コア数 HT対応 2次キャッシュ 64ビット対応 VT対応 TDP
(W)
GPU
Z2760
  • 1.80 GHz (バースト)
  • 1.50 GHz (HFM)
  • 0.60 GHz (LFM)
2 512 KB×2 × 1.7 PowerVR SGX 545 (533 MHz)
Clover Trail+

2013年2月24日発表、スマートフォン・タブレット向け、Medfieldの後継製品。コードネームは Clover Trail+ (クローバートレイルプラス)。SoCのコードネームは「Cloverview+」。Clover TrailのGPUをスマートフォン向けに変更したものだが、Medfieldに比べて消費電力で劣るようなことはない[29]。Saltwell マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは32 nm High-Kメタルゲート。最大出力解像度は 1920×1200。命令セットは32ビット。Intel VT-x 対応。

プロセッサーナンバー 動作周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ GPU メモリ モデム
Model 周波数
(MHz)
Z2520 1.20 2 512 KB×2 PowerVR SGX 544MP2 300 32ビット×2 LPDDR2-1066 8.528 GB/s XMM 6360 (HSPA+)
Z2560 1.60 400
Z2580 2.00 533

サーバー向け (Centerton, Briarwood)

[編集]

2012年12月11日発表。CloverTrailをベースとする低消費電力などに適したサーバー向けSoCである[30]。Centerton (センタートン) がサーバー向け、Briarwood (ブライアーウッド) がストレージ・通信機器向け。Saltwell マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは32 nm。メモリは DDR3-1333 シングルチャネル (10.66 GB/s)。Intel 64, Intel VT-x, SSE 3 対応。

Centerton
プロセッサーナンバー 動作周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ TDP
(W)
価格
S1220 1.6 2 512 KB×2 8.1 $54
S1240 6.1 $64
S1260 2.0 8.5
Briarwood
プロセッサーナンバー 動作周波数
(GHz)
コア数 HT対応 2次キャッシュ TDP
(W)
価格
S1269 1.6 2 512 KB×2 11.7 $80
S1279 13.1 $103
S1289 2.0 14.0 $120

Silvermont マイクロアーキテクチャ

[編集]

第3世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、Atom向けとしては最初の機能強化版である。22 nmプロセスルール。Intel VT-x や AES-NI 対応など、サーバ向けの機能が強化されている製品もある。デスクトップ・ネットブック向けのチップは Atom ブランドではなく CeleronPentium のブランドで発売される。最初に発表された製品がサーバー向けで2013年9月4日発表。

Silvermontマイクロアーキテクチャは、Atomとしては初めてアウト・オブ・オーダー型の設計となった。命令デコード、リタイアは依然としてクロック当たり2命令であるが、整数×2、浮動小数点/SIMD×2、ロード/ストア×1の計5つの命令発行ポートを備え、クロック当たり最大5命令を順不同で発行可能である。これらの発行ポートは各々に独立したスケジューラ (リザベーション・ステーション) を備えており、IntelのマイクロプロセッサとしてはNetBurstマイクロアーキテクチャ以来の分散型のスケジューラを持つ構造となっている。従来のAtomマイクロアーキテクチャではロード+演算の型を持つCISC命令に対応するため、命令パイプラインの共通部分にL1Dキャッシュへのアクセス段を組み込み、キャッシュアクセスのレイテンシを隠蔽する構成を取っていたが、Silvermontではこれを廃し、独立したロード/ストアパイプをバックエンドに設けている。このため、パイプライン長は従来と比較して短くなり、整数演算命令における分岐ミス時のペナルティも13サイクルから10サイクルへと短くなっている。

5つのスケジューラのうち2つの整数スケジューラは完全なアウト・オブ・オーダーの実装になっており、オペランドが準備できた命令から発行可能である。一方で他の3つのスケジューラはプログラム順の発行しか許しておらず、スケジューラ内の最も旧い命令が発行されない限り他の命令の発行はできない。このため、浮動小数点演算/SIMD命令で順不同での発行が可能なのは、別のスケジューラに割り当てられた命令同士の組み合わせのみである。ロード/ストア命令に関してはスケジューラが1つしか存在しないため、同種の命令同士で順不同の発行は不可能であるが、可能な限り命令発行をブロックしないために2つの工夫が導入されている。1つはキャッシュミスに対するノンブロッキングな設計で、キャッシュミスが起きても最大8命令までは後続命令をブロックすること無く命令発行が可能である。もう1つはRehab Queueと呼ばれるサブ命令キューの設置で、TLBミスやアドレス計算に必要なオペランドが到着していない等の理由で命令が発行できない場合に、このRehab Queueにスケジューラから命令を追い出すことができる。これらの工夫により、ロード/ストアパイプはインオーダ型のスケジューラ1つでも命令の"詰まり"による性能低下が起こりにくい設計になっている。

Silvermontは2つのコアと1 MBのL2キャッシュで1つのモジュールを構成しており、モジュール間はIntra-Die Interconnect (IDI) と呼ばれるポイント・ツー・ポイント型のインターコネクトで結ばれる。従来は低速なFSBがコア間通信やDRAMアクセスのボトルネックとなっていたが、新アーキテクチャではこれを廃している。サーバ向けには最大8コア、タブレット/ネットブック向けには最大4コア、スマートフォン向けには最大2コアの構成が予定されている。いずれの場合も1コアで1スレッドを実行し、従来のようにハイパースレッディング・テクノロジーには対応しない。対応する命令セットはSSE4.1、SSE4.2、AES-NIなどが新たに加わっているが、2011年より同社のCore系のプロセッサに搭載されているAVXには対応しない。

Intelは前世代の32 nmのSaltwellマイクロアーキテクチャと比較して、シングルスレッドではIPCが50 %程度改善し、同じ消費電力で性能は2倍になると主張している。また、マルチスレッドではSilvermontの4コアで2コア4スレッドの前世代と比較してピーク性能が2.8倍、同じ消費電力の場合は性能が2.5倍になると主張している。

デスクトップPC向け (Bay Trail-D)

[編集]

2013年11月発表。Cedar Trailの後継として登場。静音性 (ファンレス構造) や省エネ性を重視したタワー型デスクトップやA4型ノートにも搭載されるようになり、以前よりも用途が広がった。Atom の名を冠さず、CeleronPentium のブランドで発売される。

第3世代のAtom向けマイクロアーキテクチャSilvermontを搭載したCPU。22 nmプロセスルール。Intel VT-x や AES-NI 対応など、サーバ向けの機能も強化されている。Bay Trail-Dはデスクトップ向けでPentium J / Celeron J、Bay Trail-Mはノート向けでPentium N / Celeron Nとして販売される。

Bay Trail-D
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ TDP DDR3Lメモリ GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
Pentium J2900 2.41 2.66 4 2 MB 10 W 1333×2 4 688 896 Q4'13
Pentium J2850 854 Q3'13
Celeron J1900 2.0 2.41 Q4'13
Celeron J1850 792 Q3'13
Celeron J1800 2.41 2.58 2 1 MB Q4'13
Celeron J1750 750 Q3'13

ノートPC向け (Bay Trail-M)

[編集]

2013年9月発表。GPU は Intel HD Graphics。Intel NUCなどのミニPCでも使われている。

Bay Trail-M
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ TDP
(W)
DDR3Lメモリ 帯域
(GB/s)
GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
Pentium N3540 2.16 2.66 4 2 MB 7.5 1333×2 21.32 4 313 896 Q3'14
Pentium N3530 2.58 Q1'14
Pentium N3520 2.42 854 Q4'13
Pentium N3510 2.00 750 Q3'13
Celeron N2940 1.83 2.25 854 Q3'14
Celeron N2930 2.16 Q1'14
Celeron N2920 1.86 2.00 844 Q4'13
Celeron N2910 1.60 756 Q3'13
Celeron N2840 2.16 2.58 2 1 MB 311 792 Q3'14
Celeron N2830 2.41 313 750 Q1'14
Celeron N2820 2.13 2.39 756 Q4'13
Celeron N2815 1.86 2.13
Celeron N2810 2.00 Q3'13
Celeron N2808 1.58 2.25 4.5 W 1333×1 10.66 311 792 Q3'14
Celeron N2807 1.58 2.16 4.3 W 313 750 Q1'14
Celeron N2806 1.60 2.00 4.5 W 756 Q4'13
Celeron N2805 1.46 4.3 W 667 Q3'13

タブレットPC向け (Bay Trail-T, Merrifield, Moorefield, SoFIA)

[編集]
Bay Trail-T

2013年9月11日発表。タブレットPC向け (Windows 8.1 や Android 対応)、Clover Trail の後継製品。Silvermont マイクロアーキテクチャ。プロセスルールは22 nm。GPU は PowerVR から第7世代 Intel HD Graphics (Ivy Bridge 世代) になり、DirectX 11, OpenGL 3.2, OpenCL 1.2 に対応。Intel 64, Intel VT-x, SSE 4.2 対応。H.263, H.264, VC1, Multiview Video Coding, VP8, Motion JPEG のハードウェアデコーダー、H.264 のハードウェアエンコーダー搭載。HDMI 1.4, DisplayPort 1.2, eDP 1.3, WiDi 出力対応。

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 L2キャッシュ
(MB)
SDP
(W)
メモリ メモリ帯域
(GB/s)
GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
Z3680 1.33 2.00 2 1 2.0 LPDDR3-1066×1 8.5 4 311 667
Z3680D 2.4 DDR3L-RS-1333x1 10.6 313 688
Z3740 1.86 4 2 2.0 LPDDR3-1066×2 17.1 311 667 Q3'13
Z3740D 2.2 DDR3L-RS-1333×1 10.6 313 688
Z3770 1.46 2.39 2.0 LPDDR3-1066×2 17.1 311 667
Z3770D 1.50 2.41 2.2 DDR3L-RS-1333×1 10.6 313 688
Bay Trail Refresh

2014年3月発表。B2/B3 step (Z3xx0) から C0 step (Z3xx5, Z3xx6) に改良され GPU 周波数が向上している。

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 2次キャッシュ SDP メモリ メモリ帯域
(GB/s)
GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
Z3735D 1.33 1.83 4 2 MB 2.2 W DDR3L-RS-1333×1 10.6 4 311 646 Q1'14
Z3735E 5.3
Z3735F 10.6
Z3735G 5.3
Z3736F 2.16 10.6 Q2'14
Z3736G 5.3 646
Z3745 1.86 2.0 W LPDDR3-1066×2 17.1 778 Q1'14
Z3745D 2.2 W DDR3L-RS-1333×1 10.6 792
Z3775 1.46 2.39 2.0 W LPDDR3-1066×2 17.1 778
Z3775D 1.49 2.41 2.2 W DDR3L-RS-1333×1 10.6 792
Z3785 LPDDR3-1333×2 21.3 313 833 Q2'14
Z3795 1.59 2.39 2.0 W LPDDR3-1066×2 17.1 311 778 Q1'14
Merrifield, Moorefield

2014年2月24日発表、スマートフォン/タブレット向け、Clover Trail+の後継製品。Silvermontマイクロアーキテクチャ。プロセスルールは22 nm。Z34xx が Merrifield (メリーフィールド)、Z35xx が Moorefield (ムーアフィールド)。

プロセッサーナンバー CPU周波数 コア数 2次キャッシュ GPU GPU周波数 メモリ モデム
Z3460 1.60 GHz 2 1 MB PowerVR G6400 457 MHz LPDDR3-1066 8.528 GB/s XMM 7160 (LTE)
Z3480 2.13 GHz 533 MHz
プロセッサーナンバー CPU周波数 コア数 2次キャッシュ GPU GPU周波数 メモリ モデム
Z3580 2.33 GHz 4 2 MB PowerVR G6430 533 MHz LPDDR3-1600 2.8 GB/s
  • XMM 7160 (LTE)
  • XMM 6360 (HSPA+)
  • XMM 7260 (LTE-Advanced)
Z3570 2.00 GHz 640 MHz
Z3560 1.80 GHz 533 MHz
Z3530 1.33 GHz 457 MHz
SoFIA

2015年3月2日発表[31]。プロセスルールは28 nmであり、インテル社外の半導体製造事業者が製造[32]x64 対応。このシリーズからモデル名がAtom x3/x5/x7の3種類に細分化され、そのうちAtom x3がこれに属する。

プロセッサーナンバー CPU周波数 コア数 2次キャッシュ GPU GPU周波数 メモリ モデム
x3-C3440 1.4 GHz 4 2 MB Mali T720 MP2 LPDDR2/3-1066 32bit×1 LTE
x3-C3230RK 1.2 GHz Mali 450 MP4
  • LPDDR2/3-1066 32bit×1
  • DDR3/DDR3L-1333 16bit×2
HSPA+
x3-C3230RK 1.0 GHz 2 1 MB Mali 400 MP2 LPDDR2-800 32bit×1

サーバー向け (Avoton)

[編集]

2013年9月4日発表。Avoton (アヴァトン) が一般サーバー向け、Rangeley (レンジレイ) がネットワーク機器組み込み向け。Rangeley の方が製品の提供期間が長い (組込み機器向けオプションあり)。Silvermont マイクロアーキテクチャ。メモリは DDR3-1600 デュアルチャンネル (25.6 GB/s)。搭載メモリの最大容量は16 GB - 64 GB。プロセスルールは22 nm。Intel 64, Intel VT-x, SSE 4.2, AES-NI 対応。Rangeley は C2338, C2358 以外はバースト・ブースト・テクノロジー非対応。

Avoton
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 2次キャッシュ QuickAssistテクノロジー TDP 価格
ベース ターボ
C2350 1.7 2.0 2 1 MB × 6 W $43
C2530 4 2 MB 9 W $70
C2550 2.4 2.6 14 W $86
C2730 1.7 2.0 8 4 MB 12 W $150
C2750 2.4 2.6 20 W $171

組込み機器向け (Rangeley)

[編集]
Rangeley
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 2次キャッシュ QuickAssistテクノロジー TDP 価格
ベース ターボ
C2308 1.25 N/A 2 1 MB 6 W
C2316 1.5 7 W
C2338 1.7 2.0 ×
C2358
C2508 1.25 N/A 4 2 MB 9.5 W
C2516 1.4 10 W
C2518 1.7 × 13 W $75
C2538 2.4 15 W
C2558 $86
C2718 2.0 8 4 MB × 20 W
C2738 2.4
C2758 $171

Airmont マイクロアーキテクチャ

[編集]

第4世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2015年3月2日発表。プロセスルールは14 nm。GPU は第8世代 Intel HD Graphics (Broadwell 世代) 。

デスクトップ・ノートPC向け (Braswell)

[編集]

2015年4月7日発表[33]。当初はデスクトップ・ノート共通としてNシリーズのみが発売されたが、後にデスクトップ専用のJシリーズが追加された。HTT無し。

Braswell
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ TDP
(W)
メモリ GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ DDR3L 帯域
(GB/s)
ベース ターボ
Pentium J3710 1.6 2.64 4 2 MB 6.5 1600×2 25.6 18 400 740 Q1'16
Celeron J3160 2.24 6 12 320 700
Celeron J3060 2.48 2
Pentium N3710 2.56 4 16 400
Pentium N3700 2.4 Q1'15
Celeron N3160 2.24 12 320 640 Q1'16
Celeron N3150 2.08 Q1'15
Celeron N3060 2.48 2 600 Q1'16
Celeron N3050 2.16 Q1'15
Celeron N3010 1.06 2.24 4 Q1'16
Celeron N3000 1.04 2.08 Q1'15

タブレットPC向け (Cherry Trail)

[編集]

2015年3月2日発表[34]。タブレットPC向け。Bay Trailの後継製品。コードネーム Cherry Trail (チェリートレイル)。このシリーズではモデル名がAtom x3/x5/x7の3種類に細分化され、そのうちAtom x5とx7がこれに属する。HTT無し。

Cherry Trail
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ SDP メモリ メモリ帯域
(GB/s)
GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
x7-Z8700 1.6 2.4 4 2 MB 2 W LPDDR3-1600×2 25.6 16 200 600 Q1'15
x7-Z8750 2.56 Q1'16
x5-Z8500 1.44 2.24 12 Q1'15
x5-Z8300 1.84 DDR3L-RS-1600×1 12.8 500 Q2'15
x5-Z8330 1.92 Q1'16
x5-Z8350
x5-Z8550 2.4 DDR3L-RS-1600×2 25.6 600

組込み機器向け (Braswell)

[編集]

HTT無し。

Braswell
プロセッサーナンバー CPU周波数 (GHz) コア数 キャッシュ TDP メモリ メモリ帯域 (GB/s) GPU EU数 GPU周波数 (MHz) 発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
x5-E8000 1.04 2.0 4 2 MB 5 W DDR3L-1600×2 25.6 12 320 Q1'16

Goldmont マイクロアーキテクチャ

[編集]

第5世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2016年9月1日発表。プロセスルールは14 nm。GPU は第9世代 Intel HD Graphics (Skylake 世代) 。

デスクトップ・ノートPC向け (Apollo Lake)

[編集]

Jが付いているのがデスクトップ用、Nが付いているのがノートPC用。

HTT無し。

Apollo Lake
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ TDP
(W)
メモリ GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ DDR3L / LPDDR3 帯域 (GB/s) LPDDR 帯域 (GB/s) ベース ターボ
Pentium J4205 1.5 2.6 4 2 MB 10 1866×2 29.8 2400×2 38.4 18 250 800 Q3'16
Celeron J3455 2.3 12 750
Celeron J3355 2.0 2.5 2 700
Pentium N4200 1.1 4 6 18 200 750
Celeron N3450 2.2 12 700
Celeron N3350 2.4 2 650

サーバー向け (Denverton)

[編集]

HTT, GPU無し。

Denverton
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ TDP
(W)
DDR4メモリ 発売時期
ベース ターボ
C3308 1.6 2.1 2 4 MB 9.5 1866 Q3'17
C3338 1.5 2.2 9 Q1'17
C3508 1.6 4 8 MB 11.25 Q3'17
C3538 2.1 15
C3558 2.2 16
C3708 1.7 8 16 MB 17 2133
C3750 2.2 2.4 21
C3758 2.2 25
C3808 2.0 12 12 MB
C3850 2.1 2.4 2400
C3858 2.0
C3830 1.9 2.3 21 2133
C3950 1.7 2.2 16 16 MB 24 2400
C3955 2.1 2.4 32
C3958 2.0 31

組み込み向け (Apollo Lake, Joule)

[編集]
Apollo Lake

HTT無し。

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ TDP
(W)
メモリ GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ DDR3L 帯域
(GB/s)
LPDDR4 帯域
(GB/s)
ベース ターボ
x7-E3950 1.6 2.0 4 2 MB 12 1866 29.8 2400 38.4 18 500 650 Q4'16
x5-E3940 1.8 9.5 2133 34.1 12 400 600
x5-E3930 1.3 2 6.5 550
Joule

2016年8月に発表し、2017年6月16日に製造終了。

HTT無し。

プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数 キャッシュ メモリ メモリ帯域
(GB/s)
GPU
EU数
GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ベース ターボ
Joule 570x
(Atom T5700)
1.7 2.4 4 4 MB LPDDR4 x4 25.6 18 450 650 Q3'16
Joule 550x
(Atom T5500)
1.5 12 300 Q4'16

Goldmont Plus マイクロアーキテクチャ

[編集]

第6世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2017年12月11日発表。プロセスルールは14 nm。GPU は第9.5世代 Intel HD Graphics (Kaby Lake 世代) 。 ちなみに、この世代は「intel Core i」における第8世代(Kaby Lake Refresh、およびCoffee Lake)と同様の扱いで、この世代以降はWindows 11にも正式に対応している。

デスクトップ・ノートPC向け (Gemini Lake)

[編集]

Jが付いているのがデスクトップ用、Nが付いているのがノートPC用。

Gemini Lake
プロセッサーナンバー CPU周波数
(GHz)
コア数
(スレッド数)
キャッシュ
(MB)
TDP
(W)
メモリ GPU GPU周波数
(MHz)
発売時期
ベース ターボ ブランド名と型番 EU数 ベース ターボ
Pentium Silver J5005 1.5 2.8 4 (4) 4 10 DDR4/LPDDR4-2400 UHD Graphics 605 18 250 800 Q4'17
Celeron J4105 2.5 UHD Graphics 600 12 750
Celeron J4005 2.0 2.7 2 (2) 700
Pentium Silver N5000 1.1 2.7 4 (4) 6 UHD Graphics 605 18 200 750
Celeron N4100 2.4 UHD Graphics 600 12 700
Celeron N4000 2.6 2 (2) 650
Gemini Lake Refresh
仕向け コア数
(スレッド数)
CPUブランド名と型番 GPUモデル TDP (W) CPU周波数 (GHz) GPU周波数 (MHz) L2キャッシュ 発売時期 価格
(米ドル)
ブランド名と型番 EU ベース ターボ ベース ターボ
デスクトップ 4 (4) Pentium Silver J5040 UHD Graphics 605 18 10 2.0 3.2 250 800 4 MB Q4'19 161
Celeron J4125 UHD Graphics 600 12 2.7 750 107
2 (2) J4025 2.9 700
モバイル 4 (4) Pentium Silver N5030 UHD Graphics 605 18 6 1.1 3.1 200 750 161
Celeron N4120 UHD Graphics 600 12 2.6 700 107
2 (2) N4020 2.8 650

Tremont マイクロアーキテクチャ

[編集]

第7世代のAtom向けマイクロアーキテクチャで、2019年10月24日発表。プロセスルールは10 nm。低消費電力が求められる組み込み分野やサーバーだけでなく5G基地局などネットワーク分野に向けた強化が図られた。またIntel Hybrid Technologyにおけるスモールコアとしても採用されている。

Tremont マイクロアーキテクチャは高いシングルスレッド性能を実現するために、Coreプロセッサ並の分岐予測、6命令同時デコード、実行ポートが10個になっており、同クロックのGoldmont Plusと比べて、平均で30%以上シングルスレッド性能が向上している。

デスクトップ・ノートPC向け (Jasper Lake, Lakefield)

[編集]
Jasper Lake
仕向け コア数
(スレッド数)
CPUブランド名と型番 GPU TDP
(W)
SDP
(W)
CPU周波数
(GHz)
GPU周波数
(MHz)
キャッシュ
(MB)
発売時期
モデル EU ベース ターボ ベース ターボ L2 L3
デスクトップ 4 (4) Pentium Silver N6005 UHD Graphics 32 10 N/A 2.0 3.3 450 900 1.5 4 Q1 2021
Celeron N5105 24 2.9 800
2 (2) N4505 16 750
モバイル 4 (4) Pentium Silver N6000 32 6 4.8 1.1 3.3 350 850
Celeron N5100 24 2.8 800
2 (2) N4500 16 750
Lakefield
仕向け コア数
(スレッド数)
CPUブランド名と型番 GPU TDP
(W)
CPU周波数
(GHz)
GPU周波数
(MHz)
キャッシュ
(MB)
発売時期 価格
(米ドル)
モデル EU ベース ターボ ベース ターボ L2 L3
モバイル 1+4 (5) Core i5 L16G7 UHD Graphics 64 7 1.4 3.0 200 500 1.5 4 Q2 2020 281
Core i3 L13G4 48 0.8 2.8

サーバー向け (Snow Ridge)

[編集]
Snow Ridge
仕向け コア数
(スレッド数)
CPUブランド名と型番 TDP
(W)
CPU周波数
(GHz)
L2キャッシュ(MB) 発売時期 価格
(米ドル)
ベース
サーバー 8(8) Atom P P5921B ? 2.2 9 2020/Q1 ?
12 (12) P5931B 13.5
16 (16) P5942B 18
24 (24) P5962B 27

組込み機器向け (Elkhart Lake)

[編集]
Elkhart Lake
仕向け コア数
(スレッド数)
CPUブランド名と型番 GPU TDP
(W)
CPU周波数
(GHz)
GPU周波数
(MHz)
L2キャッシュ
(MB)
メモリー 発売時期
モデル EU ベース ターボ ベース ターボ
Embedded 4 (4) Pentium J6425 UHD Graphics 32 10 1.8 3.0 400 850 1.5
  • LPDDR4X-4267×4
  • DDR4-3200×2
Q1 2021
N6415 16 6.5 1.2 350 800
Celeron J6413 10 1.8 400
2 (2) N6211 6.5 1.2 250 750
4 (4) Atom x6425RE 32 12 1.9 N/A 400 N/A
x6427FE
x6425E 1.8 3.0 500 750
x6413E 16 9 1.5
x6414RE N/A 400 N/A
2 (2) x6212RE 6 1.2 350
x6211E 3.0 750
x6200FE N/A 4.5 1.0 N/A 1.0

Gracemont マイクロアーキテクチャ

[編集]

Alder LakeRaptor Lakeの高効率コア(Eコア)として採用された。Skylakeと比較して同じ消費電力ならば40%性能が向上し、同じ性能ならば40%消費電力が削減できるという。

AVX-512命令に対応していないため、Alder LakeではPコア(Golden Cove)のAVX-512命令が無効化されている。

GracemontはAlder LakeRaptor Lakeの高効率コア(Eコア)として開発されたため、Alder Lake発表当初、Atom製品は終了し、Gracemontのみを使用したAtom製品は出ないとも予想されたが、その後、2023年に高性能コア(Pコア)を搭載せずGracemontのみを使用したAlder Lake-Nとして、Intel Processor N50、N97、N100、N200及び、Core i3 N300、N305、そして組み込み向けとして引き続きAtomブランドを使用したAtom x7211E、x7213E、x7425Eが発表され、Atom製品及びCeleron、Pentium Silverの後継となることがわかった。

GracemontではTremontから以下の改良が加えられている。

  • L1命令キャッシュが64KBに増加
  • 分岐ターゲットバッファ(BTB)が5,000エントリーに増加
  • オンデマンド命令長デコーダ
  • 命令発行数がクロックあたり5に増加
  • 命令リタイア数がクロックあたり8に増加
  • Reorder Buffer(ROB)が256エントリに増加
  • 実行ポート数が17ポートに増加
  • AVX、AVX2、FMA3、AVX-VNNI命令のサポート

ノートPC向け (Alder Lake-N)

[編集]
Alder Lake-N
ブランド 型番 コア数
(スレッド数)
CPU周波数
(GHz)
GPU メモリ キャッシュ
(MB)
TDP
(W)
発売時期
ターボ 型番 EU数 最大周波数
(MHz)
L3 L2
Core i3 N305 8 (8) 3.8 UHD Graphics 32 1250 DDR5-4800
DDR4-3200
LPDDR5-4800
6 4 15 Q1'23
N300 7
Intel Processor N200 4 (4) 3.7 32 750 2 6
N100 3.4 24 6
N97 3.6 24 1200 12
N95 3.4 16 1200 15
N50 2 (2) 3.4 16 750 6

組込み機器向け (Alder Lake-N, Amston Lake)

[編集]
Alder Lake-N
ブランド 型番 コア数
(スレッド数)
CPU周波数
(GHz)
GPU メモリ キャッシュ
(MB)
TDP
(W)
発売時期
ターボ 型番 EU数 最大周波数
(MHz)
L3 L2
Atom x7425E 4 (4) 3.4 UHD Graphics 24 1000 DDR5-4800
DDR4-3200
LPDDR5-4800
6 2 12 Q1'23
x7213E 2 (2) 3.2 16 10
x7211E 6
Amston Lake
ブランド 型番 コア数
(スレッド数)
CPU周波数
(GHz)
GPU メモリ キャッシュ
(MB)
TDP
(W)
発売時期
ターボ 型番 EU数 最大周波数
(MHz)
L3 L2
Atom x7835RE 8 (8) 3.6 UHD Graphics 32 1200 DDR5-4800
DDR4-3200
LPDDR5-4800
6 4 12 Q2'24
x7433RE 4 (4) 3.4 1000 2 9
x7213RE 2 (2) 16
x7211RE 3.2 6

脚注

[編集]
  1. ^ インテル (2008年1月19日). “Intel Processor A100 and A110 on 90 nm Process with 512-KB L2 Cache Datasheet” (PDF) (英語). 2008年4月5日閲覧。
  2. ^ インテル (2006年6月27日). “Marvell To Purchase Intel’s Communications And Application Processor Business For $600 Million” (英語). 2008年4月5日閲覧。
  3. ^ Intel、22nm世代のAtom CPUコア「Silvermont」の詳細を公表
  4. ^ Atomシリーズを終了:Intel、モバイル向けSoC事業を廃止 (1/3) - EE Times Japan
  5. ^ Intel Quietly Launches Apollo Lake SoC: Goldmont CPU, 6 SKUs, 6 & 10 Watts
  6. ^ Intel Atom Processor Z5xx Series Datasheet - Apr 2008 Intel
  7. ^ IEEE Spectrum: The High-k Solution - Mark T. Bohr, Robert S. Chau, Tahir Ghani, and Kaizad Mistry - 2008
  8. ^ これが超低消費電力「Silverthorne」の正体だ
  9. ^ 疑似クアッドコアのAtom 330、消費電力が上昇:ニュース
  10. ^ 【特別企画】台湾ネットブック開発者インタビュー MSI編
  11. ^ インテル (2009年12月21日). インテル、次世代のインテル® Atom™ プラットフォームを発表。CPU にグラフィックスとメモリー・コントローラーを統合したインテル初のチップにより、消費電力の削減、システムの小型化、性能の向上を実現 - ウェイバックマシン(2010年8月5日アーカイブ分)
  12. ^ Technology@Intel · Deciphering Intel codewords for Mobile Internet Devices (MIDs)
  13. ^ Ittousai (2008年8月17日). “インテル、Centrino Atomブランドを捨ててAtomに一本化”. Engadget Japanese. 2008年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月5日閲覧。
  14. ^ 【PC Watch】 Intel、Atom ZやUS15Xなどを2011年5月に生産終了
  15. ^ BPT - Intel Burst Performance Technology
  16. ^ High frequency mode
  17. ^ 【PC Watch】 Intel、タブレット向けプロセッサ「Atom Z670」を発表
  18. ^ Intel Atom Processor Z6xx Series Datasheet
  19. ^ 日経BP
  20. ^ インテル (2009年9月25日). “インテル、インターネット TV を実現する SoC 製品 インテル® Atom™ プロセッサー CE4100 を発表”. 2009年10月1日閲覧。
  21. ^ インテル (2009年9月25日). “Intel® Atom™ Processor CE4100”. 2009年10月1日閲覧。
  22. ^ intel社のページ
  23. ^ インプレス PC.watch「後藤弘茂のWeekly海外ニュース」
  24. ^ 従来"“Stellarton"と呼ばれていたコアがE665CT、E645CT、E665C、E645に用いられるという情報がある。[1]
  25. ^ MWC2011 IntelがAtom系列の32nm品「Medfield」のサンプル出荷を開始 - ニュース:ITpro
  26. ^ 2013 International CES:「Haswell」より重要かもしれない「Lexington」 (1/3)”. ITmedia PC USER (2013年2月27日). 2013年3月18日閲覧。
  27. ^ Intel Atom Microarchitecture for Tables and Smartphones
  28. ^ Intel Atom Processor Z2760 Datasheet
  29. ^ 【笠原一輝のユビキタス情報局】Clover Trail+と最先端プロセスを武器に前進するIntelスマホ事業 - PC Watch” (2013年2月27日). 2013年3月18日閲覧。
  30. ^ 【仮想化道場】 サーバー向けのAtomプロセッサが登場、2013年はマイクロサーバー元年となるか? -クラウド Watch
  31. ^ 【イベントレポート】Intel、3G/LTE統合型SoC「Atom x3 C3000」シリーズ - PC Watch
  32. ^ Intel,「Atom x7」「Atom x5」「Atom x3」の概要を発表。タブレット向けのAtom x7&x5は「Cherry Trail+第8世代グラフィックス」に - 4Gamer.net
  33. ^ Intel Marks 30 Years in China with New Products, Investments and Collaborations
  34. ^ 【イベントレポート】Intel、14nmのCherry TrailをAtom x7/x5として正式発表 ~GPUが大幅に性能向上 - PC Watch

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]