KJ-500 (航空機)
表示
KJ-500(空警-500、ピンイン:Kōngjǐng Wǔbǎi)は、中国人民解放軍空軍が使用する第3世代の早期警戒管制機(AEW&C)である。陝西飛機工業公司 が製造したもので[2]、Y-9の機体をベースにしている。Y-9WあるいはGX-10とも称される[3]。
開発
[編集]21世紀に入り、航空機搭載レーダーの探知範囲や精度が向上し、各種空対空ミサイルや低高度巡航ミサイルを搭載した 戦闘機の性能が向上し続けていることから、より高性能な AEW&C が求められている。このような課題に対応するため、中国は2000年代後半から 3番目のAEW&Cである KJ-500の開発に着手した。
KJ-500には、良好な探知能力、良好な識別能力、迅速な応答性の3つの重要な特徴が求められていた。KJ-500はまた、情報化された戦闘システムの中核部隊としても必要とされ、その装備技術として、ネットワーク、多機能性、高度な統合、軽量性の4つの主要な特徴を持っている[4]。
本機は、胴体上に円盤状のレーダードームを搭載しており、内部には360度をカバーする3つのアクティブ・フェイズドアレイ(AESA)型アンテナを収納している。旧型のKJ-200に採用されていた2つの平面的な「バランスビーム」型捜索レーダーよりも効率が良いとされ、KJ-200の生産はKJ-500が完全な作戦能力に達したことを受けて2018年に終了した。
派生型
[編集]- KJ-500
- 空軍が運用する基本型[3]。
- KJ-500H
- 海軍(中国人民解放軍海軍航空兵)が運用する基本型[3]。
運用国
[編集]- 中国人民解放軍空軍 - KJ-500 20機
- 中国人民解放軍海軍航空兵 - KJ-500H 14+機[6]
仕様
[編集]KJ-500の限定的な性能パラメータは、以下の通り公開されている[7]。
- 最高速度:550km/h
- 航続距離:5700km
- 対空時間:12h
- 最大離陸重量:77トン
- 戦闘機サイズの目標の探知距離:470km[8]
脚注
[編集]- ^ For Strategic Studies (Iiss), The International Institute (15 February 2023). “6 Asia”. The Military Balance 2023. London: Routledge. doi:10.4324/9781003400226. ISBN 9781003400226
- ^ “空警-500:中国预警机家族新明星” (中国語). Xinhua. (31 October 2015) 30 July 2018閲覧。
- ^ a b c J. Michael Dahm (2020年10月). “SOUTH CHINA SEA MILITARY CAPABILITY SERIES - A Survey of Technologies and Capabilities on China’s Military Outposts in the South China Sea - SPECIAL MISSION AIRCRAFT AND UNMANNED SYSTEMS”. Johns Hopkins University. 2023年12月30日閲覧。
- ^ Technology characteristics of the 3rd generation early warning aircraft and its electronic reconnaissance system,ZHEN JunYi, China Academy of Electronics and Science,Beijing 100041,China
- ^ “Shaanxi KJ-500A”. Scramble.nl (2021年4月23日). 2023年12月30日閲覧。
- ^ The Military Balance 2022. International Institute for Strategic Studies. (2022). pp. 260. ISBN 978-1-032-27900-8
- ^ “Expert: KJ-500 improves China's overall military power”. China Military Online. (16 February 2016) 30 July 2018閲覧。
- ^ Lei, zhao (4 September 2015). “PLA deploys advanced jets to boost electronic capability”. China Daily 30 July 2018閲覧。