コンテンツにスキップ

PureBasic

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
PureBasic
PureBasicを動作させた状態。
開発元 Fantaisie Software
最新版
6.03 (WindowsLinuxmacOSRaspberry Pi OS)、4.00 (AmigaOS) / 2023年10月11日 (14か月前) (2023-10-11)[1]
対応OS Windows XP以降
Debian 10
Ubuntu 18.04/20.04/22.04
OS X Yosemite (10.10) 以降
Raspberry Pi OS
AmigaOS[2]
プラットフォーム x86/x64ARM/ARM64
種別 プログラミング言語統合開発環境
ライセンス シェアウェア(完全版)/フリーソフト(デモ版)/オープンソース(AmigaOS版)
公式サイト https://www.purebasic.com/
テンプレートを表示

PureBasicピュアベーシック)は、Fantaisie Software製の商用のBASICベース言語およびその統合開発環境 (IDE) であり、Microsoft Windows32ビット/64ビット)、Linux(32ビット/64ビット)、macOSRaspberry Piで動作する。AmigaOS版は開発中止となり、オープンソース化されている。

概要

[編集]

PureBasicは構造化BASICの一種であり、標準のシステムライブラリの他にランタイムライブラリを必要としない、非常にコンパクトな実行ファイルDLLを生成する。プラットフォーム特有のAPIを用いずに開発すれば、複数のプラットフォームで同じソースファイルをほとんど、あるいはまったく修正することなく使用できる。

インラインアセンブラに対応しているため、PureBasicで宣言した変数を用いてPureBasicのソースコード中でFASMのコマンドを扱うことが可能である。したがって、高速な動作が求められる場合には、プログラマの能力次第で速度を追求することができる。

1,000以上のネイティブなコマンドが用意されている他、OSの大半のAPIに直接アクセス可能である。エディタはプロジェクト管理を完全サポートしている。コンパイラスレッドセーフに対応し、ブレークポイントをサポートする強力なデバッガを持つ。このデバッガは、ステップモード、変数ビューア/ウォッチャなど、BASIC言語の主要製品に共通したデバッグ機能を備えている。また、PureBasicはOGRE 3Dを統合している。Irrlichtなど、他の3Dエンジンにも非公式ではあるが対応している。

デモ版

[編集]

デモ版は無料でデバッグ機能をOFFにしたコンパイルができない、ソースコードの行数が限られる等の機能制限はあるが、試用期限はない。代金を支払うとユーザー登録され、製品版をダウンロードできるようになる。そのため、広義のシェアウェアに分類される。

ユーザー登録すると、どのプラットフォーム向けのPureBasicもすべて自由に使用できる。商用使用も自由である。また、以後のバージョンアップは無料であることが宣言されている。

OpenConsole()
PrintN("こんにちは世界")
MessageRequester("サンプル", "こんにちは世界")
  • インラインでWindows APIを用いてダイアログボックスに表示
MessageBox_(0, "こんにちは世界", "サンプル", 0)
If OpenWindow(0, 0, 0, 150, 50, "サンプル")
  TextGadget(0, 40, 15, 100, 20, "こんにちは世界")
  Repeat : Until WaitWindowEvent() = #PB_Event_CloseWindow
EndIf

リリース状況

[編集]

AmigaOS版は、使用者の減少に伴い、2002年2月23日のVer.2.90リリースを最後にしばらくバージョンアップされていなかった。2006年末にVer.4.00がリリースされたが、今後の継続的なバージョンアップは困難であることが予想され、実質的に開発とサポートを続けられる手段としてオープンソース化された。これはAmigaOS版だけの限定措置である。

Windows版、Linux版、Mac OS X版については、Ver.4.10以降一斉リリースとなっており、今後もその方針である。

主なリリースの履歴
製品バージョン OS リリース年月日 備考
PureBasic 1.60 AmigaOS 2000年9月9日
PureBasic 2.00 Windows 2000年12月17日 Windows版初回リリース
PureBasic 2.00 AmigaOS 2001年1月18日
PureBasic 2.32 Linux 2001年7月8日 Linux版初回リリース(プレビュー版)
PureBasic 2.90 AmigaOS 2002年2月23日
PureBasic 3.00 Windows 2002年4月4日
PureBasic 3.30 Linux 2002年9月22日
PureBasic 3.94 Mac OS X 2005年10月5日 Mac OS X版初回リリース
PureBasic 4.00 Windows 2006年5月8日
PureBasic 4.00 AmigaOS 2006年12月10日 オープンソース化
PureBasic 4.00 Linux 2007年4月15日
PureBasic 4.10 全OS 2007年11月9日 最初の全OS一斉リリース
PureBasic 4.20 全OS 2008年5月23日
PureBasic 4.30 全OS 2008年12月16日
PureBasic 4.40 全OS 2009年12月1日
PureBasic 4.41 全OS 2010年2月1日
PureBasic 4.50 全OS 2010年6月7日
PureBasic 4.51 全OS 2010年9月8日
PureBasic 4.60 全OS 2011年11月7日
PureBasic 5.00 全OS 2012年11月5日
PureBasic 5.31 全OS 2014年10月27日
PureBasic 5.60 全OS 2017年3月2日

脚注

[編集]

関連項目

[編集]