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国道12号

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一般国道
国道12号標識
国道12号
地図
総延長 156.8 km
実延長 156.8 km
現道 145.2 km
制定年 1952年昭和27年)指定(原型は1920年
起点 北海道札幌市中央区
北1西3交差点(北緯43度3分43.36秒 東経141度21分6.19秒
主な
経由都市
北海道江別市岩見沢市三笠市美唄市砂川市滝川市深川市
終点 北海道旭川市
4条通6丁目・4条通7丁目交差点
北緯43度46分9.61秒 東経142度21分34.03秒
接続する
主な道路
記法
国道36号標識 国道36号
国道5号標識 国道5号
国道38号標識 国道38号
国道237号標識 国道237号
国道40号標識 国道40号
国道39号標識 国道39号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

国道12号(こくどう12ごう)は、北海道札幌市から旭川市に至る一般国道である。

概要

北海道の道庁所在地である札幌市から北東へと石狩平野を走るJR函館本線に沿うよう走り、道内第2位で中核市でもある旭川市までを結ぶ延長約157キロメートル (km) の一般国道で、主な通過地は、江別市岩見沢市三笠市美唄市砂川市滝川市である。札幌 - 江別間は札幌江別通、石狩振興局管内は中央国道上川総合振興局管内では神居国道の別名がある。 全線で道央自動車道と並走する。美唄市光珠内(こうしゅない)跨線橋 - 滝川市国道38号交差点間29.2 kmは、日本一長い直線道路となっている[1]

路線データ

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
札幌市中央区地点の国道12号はここで右折する。右折した先には東橋がある。
滝川市にて撮影

一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史

国道12号の歴史は、前身となる市来知(現:三笠市)- 忠別太(現:旭川市)間の87.9 kmの上川道路1886年(明治19年)5月に着工したのにはじまる。工事には、月形町樺戸集治監の囚人が駆り出され、わずか90日後の8月に幅約2メートル (m) の道路が仮開通した[6]。初代北海道庁長官である岩村通俊に命じられた高畑利宜が書いた工事の復命書には「可成(なるべく)直線路に為すを主とし」とあったことから、意図して美唄市 - 滝川市間の日本一長い直線道路が誕生したことがわかる。

1887年(明治20年)6月から、「上川郡仮道改築工事」といわれる上川道路の本工事が開始され、道幅 3間(5.5 m)、砂利敷幅 9尺(2.7 m)に、地形に応じ両側に排水溝を設置するという、車馬道[7]を樺戸、空知集治監の囚人らによって修築する作業が行われ、まず、1887年(明治20年)に、空知太(現 滝川市) - 音江法華(現 深川市音江)までを、1889年(明治22年)に音江法華 - 忠別太までを樺戸集治監が分担し、1889年(明治22年)9月までに全線の修築を完了した。また、空知太以南の市来知 - 空知太の築道工事は空知集治監が分担し、1888年(明治21年)11月に着手、1890年(明治23年)6月に全線開通した[8]

この中に札幌・岩見沢間は含まれておらず、札幌市街 - 白石(明治5年開削)、白石 - 江別(明治23年開削)、江別 - 岩見沢(明治22年開削)の開削は、1890年(明治23年)末までには完了していた。

1900年(明治33年)に、日清戦争時に編成された臨時第七師団が、札幌郡月寒村から旭川へ移転したことにより上川道路は軍事道路としての指命を併せ持った道路となっていく。

1907年(明治40年)5月13日の内務省告示第58号によって、上川道路は国道43号「東京より第七師団に達する路線」(東京 -〈現:国道4号〉- 青森、青森 - 室蘭間航路、室蘭 -〈同36号〉- 苫小牧 -〈同234号〉- 岩見沢 -〈同12号〉- 旭川 経由)の一部として国道に指定された。

1920年(大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道4号「東京市と北海道庁所在地(札幌)に達する路線」(東京 - (現:国道4号) - 函館 - 長万部 - 倶知安 - 小樽 - 札幌〈同5号〉経由)、国道27号「東京市より第七師団司令部所在地(旭川区)に達する路線(甲)」札幌までは国道4号と同じであるが札幌市北1条通において4号から分岐し、岩見沢から旭川4条通7丁目に達する現在の12号のルートとなる。国道28号「東京市より第七師団司令部所在地(旭川区)に達する路線(乙)」は旧国道43号がそのままとなった。

1952年(昭和27年)12月4日、新道路法に基づく路線指定で、一級国道12号(北海道札幌市 - 旭川市)として指定された。1965年4月1日に、道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道12号となった。

1969年(昭和44年)、開道百年を記念して砂川市の空知太神社境内に、囚人の犠牲者を慰めるため砂川市、北海道により「上川道路開鑿記念碑」が建立された。

路線状況

通称

  • 北1条雁来通(札幌市)
  • 白石本通(札幌市)
  • 札幌江別通(札幌市 - 江別市)
  • 中央国道
  • 神居国道
  • 台場4条通(旭川市内)

バイパス

道路施設

トンネル

  • 神居古潭トンネル
神居古潭トンネル(かむいこたんトンネル)は、旭川市神居町神居古潭に所在し、1983年(昭和58年)8月に完成した延長422 mのトンネル[9]
  • 春志内トンネル
春志内トンネル(はるしないトンネル)は、旭川市神居町春志内に所在し、1991年(平成3年)9月に完成した延長1,805 mのトンネル[10]
  • 旭川トンネル(旭川新道)
  • 春光台トンネル(旭川新道)
  • 公園トンネル(旭川新道)

橋梁

道の駅

  • 空知総合振興局

地理

一般国道でも最長となる直線区間は、美唄市 - 奈井江町 - 砂川市 - 滝川市の4自治体を貫き、直線距離は29.2 kmある[11]。この直線区間に、道の駅ハウスヤルビ奈井江があり、「直線道路日本一 29.2 km」のモニュメントが建つ[11]

通過する自治体

交差する道路

現道

石狩振興局

札幌市中央区
札幌市白石区
札幌市厚別区
江別市

空知総合振興局

岩見沢市
三笠市
美唄市
空知郡奈井江町
砂川市
滝川市
深川市

上川総合振興局

旭川市

滝川バイパス

空知総合振興局

砂川市
  • 国道12号(現道):空知太西1条7丁目(起点)
滝川市

旭川新道

上川総合振興局

旭川市

脚注

注釈

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ a b c d e f 2018年4月1日現在

出典

  1. ^ 浅井建爾 2001, p. 54.
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年3月20日閲覧。
  3. ^ a b 占用制限を行う路線一覧(一般国道)” (PDF). 国土交通省北海道開発局 (2016年2月29日). 2016年10月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2019. 国土交通省道路局. 2020年5月13日閲覧。
  5. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年3月20日閲覧。
  6. ^ 浅井建爾 2015, pp. 84–85.
  7. ^ 深川市, pp. 121–122.
  8. ^ 美唄市, p. 171.
  9. ^ 道路防災 1. 一般国道12号 旭川市 神居古潭トンネル”. 国土交通省北海道開発局旭川開発建設部. 2013年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月18日閲覧。
  10. ^ 道路防災 2. 一般国道12号 旭川市 春志内トンネル”. 国土交通省北海道開発局旭川開発建設部. 2013年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月26日閲覧。
  11. ^ a b 佐藤健太郎 2014, pp. 151–152.
  12. ^ 国道38号、337号、452号の現道区間を移管”. 北海道開発局 (2017年3月30日). 2020年6月23日閲覧。

参考文献

  • 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日。ISBN 4-534-03315-X 
  • 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 1 北海道 上巻』角川書店、1987年。ISBN 4040010116 
  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8 
  • 深川市 (1994), 新深川市史, 深川市 
  • 北海道道路史『Ⅲ路線史編』北海道道路史調査会、1990年6月1日。 
  • 三浦 宏『中央道路物語(上川道路・北見道路)』北海道道路史調査会、2006年3月31日。 
  • 美唄市 (1991), 美唄市百年史 通史編, 美唄市 

関連項目

外部リンク