コンテンツにスキップ

国鉄タキ30200形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ30200形貨車
タキ30200形オタキ30200 1992年5月3日、新崎駅
タキ30200形タキ30200
1992年5月3日、新崎駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 東京化成品、三菱瓦斯化学、日本石油輸送
製造所 日本車輌製造
製造年 1977年昭和52年) - 1979年(昭和54年)
製造数 3両
消滅 1995年平成7年)
常備駅 新崎駅郡山駅
主要諸元
車体色 ねずみ色1号
専用種別 液化モノメチルアミン
化成品分類番号 毒燃(G)26・3
軌間 1,067 mm
全長 16,100 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,820 mm
タンク材質 高張力鋼
荷重 25 t
実容積 42.2 m3
自重 24.0 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 2.4
台車 TR211B、TR216B
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 12,000 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

国鉄タキ30200形貨車(こくてつタキ30200がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は、日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同じ専用種別のタサ5900形についても本項目で解説する。

タキ30200形

[編集]

本形式は、液化モノメチルアミン専用の25t積タンク車として1977年(昭和52年)2月23日から1979年(昭和54年)12月14日にかけて3ロット3両(タキ30200 - タキ30202)が、日本車輌製造1社にて製作された。

記号番号表記は特殊標記符号「オ」(全長 16 m 以上)を前置し「タキ」と標記する。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。

液化モノメチルアミンを専用種別とする形式には、他にはタサ5900形の1形式があるのみである。(後述)

1979年10月より化成品分類番号「毒燃(G)26・3」(毒性の物質、燃焼性の物質、高圧ガス、高圧ガス、毒性のあるもの、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「液化モノメチルアミン」は赤色、「毒」は黒色、「燃」は赤色、「(G)26・3」は白色でそれぞれ標記されている。

落成時の所有者は、東京化成品、三菱瓦斯化学(現在の三菱ガス化学)、日本石油輸送の3社であり、その常備駅は、白新線新崎駅福島県郡山駅であった。1987年5月に1両(タキ30200)が三菱瓦斯化学へ名義変更され、本形式所有者は2社体制になった。

荷役方式は、マンホール弁式であり、塗色は、灰色(ねずみ色1号)、全長は16,100mm、全幅は2,500mm、全高は3,820mm、台車中心間距離は12,000mm、実容積は42.2m3、自重は24.0t、換算両数は積車5.0、空車2.4、台車はTR211B又はTR216Bであった。

1987年4月の国鉄分割民営化時には全車(3両)がJR貨物に継承されたが、1995年平成7年)9月に最後まで在籍した2両(タキ30200, タキ30201)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

最後まで在籍したタキ30200, タキ30201の末期は新崎駅構内に留置され休車状態が続いていた。[独自研究?][要出典]

年度別製造数

[編集]

各年度による製造日、製造会社、両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和51年度 - 1両
    • 1977年(昭和52年)2月23日 日本車輌製造 1両 東京化成品(タキ30200)
  • 昭和53年度 - 1両
    • 1978年(昭和53年)4月24日 日本車輌製造 1両 三菱瓦斯化学(タキ30201)
  • 昭和54年度 - 1両
    • 1979年(昭和54年)12月14日 日本車輌製造 1両 日本石油輸送(タキ30202)

タサ5900形

[編集]
国鉄タサ5900形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 日東化学工業、日本瓦斯化学工業
種車 タサ4100形
改造所 日本車輌製造
改造年 1969年(昭和44年)
改造数 3両
消滅 1985年(昭和60年)
常備駅 新興駅、新崎駅
主要諸元
車体色 ねずみ色1号
専用種別 液化モノメチルアミン
化成品分類番号 毒燃(G)26・3
軌間 1,067 mm
全長 16,000 mm
全幅 2,400 mm
全高 3,850 mm
タンク材質 ボイラー鋼板
荷重 20 t
実容積 33.4 m3
自重 30.0 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 3.0
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 11,900 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

1969年(昭和44年)4月22日にタサ4100形より2両(タサ4239, タサ4130→タサ5900, タサ5901)の専用種別変更改造(液化アンモニア→液化モノメチルアミン)が日本車輌製造にて行われ、形式名は新形式であるタサ5900形として落成した。同年10月21日に1両(タサ4134→タサ5902)が同じく日本車輌製造にて追加改造され合計3両(タサ5900 - タサ5902)が運用された。

落成時の所有者は、日東化学工業、日本瓦斯化学工業(その後合併により三菱瓦斯化学に社名変更)の2社であり、その常備駅は、東海道本線貨物支線(通称、高島線)の新興駅、白新線の新崎駅であった。

荷役方式は、マンホール弁式であり、塗色は、灰色(ねずみ色1号)、全長は16,000mm、全幅は2,400mm、全高は3,850mm、台車中心間距離は11,900mm、実容積は33.4m3、自重は30.0t、換算両数は積車5.0、空車3.0、台車はTR41Cであった。

1978年に三菱瓦斯化学所有の2両(タサ5901, タサ5902)が廃車となり、以降の運用はタキ30200形に託された。

1985年(昭和60年)12月26日に最後まで在籍した1両(タサ5900)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

年度別製造数

[編集]

各年度による製造日、改造会社、両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和44年度 - 3両
    • 1969年(昭和44年)4月22日 日本車輌製造 1両 日東化学工業(タサ5900)
    • 同年4月22日 日本車輌製造 1両 日本瓦斯化学工業(タサ5901)
    • 同年10月21日 日本車輌製造 1両 日本瓦斯化学工業(タサ5902)

参考文献

[編集]
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

[編集]