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日本の哺乳類一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本の哺乳類一覧(にほんのほにゅうるいいちらん、list of mammals in Japan)では、日本に生息する野生哺乳類について記す。

概論

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日本列島アジア大陸に隣接した島嶼(とうしょ)群であり、氷期大陸から移入した生物が孤立個体群として独自に進化を遂げてきた。また、南北に3,000kmと長く、3,000m以上の高山地帯をもつため、亜寒帯から亜熱帯までの多様な環境が含まれる。このような背景のもと、日本に生息する約130種の陸生哺乳類のうち3割を超える固有種、7属の固有属による、多様かつ独特の哺乳類相が存在している。その一方で、北海道対馬などのユーラシア大陸に近い地域では、それら固有種に加え大陸系の種も生息している[1]

日本の哺乳類相は、北海道本州の間にあるブラキストン線トカラ列島奄美群島の間にある渡瀬線で区切られており、これらを境に異なる動物群が生息している。また、動物地理学的に見れば、渡瀬線以北に分布する旧北区系の動物群と、渡瀬線以南に分布する東南アジアを起源とする東洋区系の動物群の2群に構成される[2]

この項では、竹島尖閣諸島など領有権争いがある場所(詳しくは尖閣諸島問題竹島を参照)にのみ生息する種も日本固有種とする。

【凡例】

真無盲腸目

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〔在来2科・移入1科:計3科〕

トガリネズミ科 Soricidae
  • (チビトガリネズミ Sorex minutissimus
  • ヒメトガリネズミ(カラフトヒメトガリネズミ) Sorex gracillimus 【北】
  • アズミトガリネズミ Sorex hosonoi 【本/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)/
  • バイカルトガリネズミ(トガリネズミ) Sorex caecutiens
    • エゾトガリネズミ(亜種) S. c. saevus 【北】
  • シントウトガリネズミ Sorex shinto) 【】 バイカルトガリネズミ S. caecutiens の亜種とする説もある。
    • ホンシュウトガリネズミ(亜種) S. s. shinto 【本】
    • シコクトガリネズミ(亜種) S. s. shikokensis 【本/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)/
    • サドトガリネズミ(亜種) S. s. sadonis 【島(佐)/】 独立種 S. sadonis とする説もある。
  • オオアシトガリネズミ Sorex unguiculatus 【北】
  • ジャコウネズミ Suncus murinus
    • 】 ジャコウネズミ Suncus murinus 【本】 長崎県・鹿児島県。15世紀以前の熱帯アジアからの移入種か。
    • リュウキュウジャコウネズミ(亜種) S. m. temmincki 【島(南)】
  • カワネズミ Chimarrogale platycephala 【本/絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト):九州地方/】 大陸に広く分布する C. himalayica と同種とする説もある。
  • ジネズミ(ニホンジネズミ) Crocidura dsinezumi ほぼ【】)
    • サイゴクジネズミ(亜種) C. d. dsinezumi 【本】
    • ホンシュウジネズミ(亜種) C. d. chisai 【本】
    • タネジネズミ(亜種) C. d. intermedia 【島(種)】
    • オキノシマジネズミ(亜種) C. d. okinoshimae 【島】
    • ヤク(シマ)ジネズミ(亜種) C. d. umbrina 【島(屋)】
  • コジネズミ Crocidura shantungensis【島(対)/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)】 かつてはチョウセンコジネズミCrocidura suaveolens shantungensis とされた。
  • ワタセジネズミ Crocidura watasei 【島(南)/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)/】 中琉球の固有種。かつてはオナガジネズミ C. horsfieldii の亜種とされた(1998年版レッドリストでは C. h. watasei で掲載)。
  • オリイジネズミ Crocidura orii 【島(奄・徳)/絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト)/奄美群島(奄美大島、加計呂麻島及び徳之島)の固有種。
モグラ科 Talpidae
ハリネズミ科 Erinaceidae
  • アムールハリネズミ Erinaceus amurensis 【本】 ペットに由来するものが神奈川県・静岡県など各地で野生化、定着。

コウモリ目(翼手目)

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〔在来5科〕

オオコウモリ科 Pteropodidae
キクガシラコウモリ科 Rhinolophidae
カグラコウモリ科 Hipposideridae
ヒナコウモリ科 Vespertilionidae
オヒキコウモリ科 Molossidae

サル目(霊長目)

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〔在来2科〕

オナガザル科 Cercopithecidae
ニホンザル
ヒト科 Hominidae

ウサギ目(兎目、重歯目)

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〔在来2科〕

ナキウサギ科 Ochotonidae
ウサギ科 Leporidae
  • ユキウサギ Lepus timidus
  • ニホンノウサギ(ノウサギ) Lepus brachyurus 【本/】)
    • トウホクノウサギ(亜種) L. b. angustidens 【本】
    • キュウシュウノウサギ(亜種) L. b. brachyurus 【本】
    • サドノウサギ(亜種) L. b. lyoni 【島(佐)/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)】 国内移入種のホンドテンにより激減。
    • オキノウサギ(亜種) L. b. okiensis 【島(隠)】
  • イエウサギ(カイウサギ) Oryctolagus cuniculus 【北・本・島】 原種はヨーロッパ・アフリカに分布したアナウサギ。全国の小島で野生化、環境破壊で問題となる。「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定。
アマミノクロウサギ 奄美大島

ネズミ目(齧歯目)

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〔在来3科・移入1科:計4科〕

リス科 Sciuridae
  • (クリハラリス Callosciurus erythraeus
    • タイワンリス(亜種) C.e.thaiwanensis 【本】 台湾南部原産。観光用に放され、神奈川県以西に定着。ニホンリスを圧迫。ツバキ等の食害も。
  • キタリス Scriurus vulgaris
  • ニホンリス(ホンドリス) Sciurus lis 【本/絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト):中国地方、九州地方/】 九州・中国地方では絶滅寸前。
  • シマリス(シベリアシマリス、アジアシマリス) Tamias sibiricus
    • エゾシマリス(亜種) T.s. lineatus 【北/情報不足(DD)環境省レッドリスト)】
    • 】 チョウセンシマリス(亜種) T.s. barberi 【本・北】 ペットが各地で逸出・野生化。エゾシマリスと交雑の恐れ。
  • タイリクモモンガ Pteromys volans
  • ニホンモモンガ(ホンシュウモモンガ、ホンドモモンガ、モモンガ) Pteromys momonga 【本/
  • ムササビ(ホオジロムササビ) Petaurista leucogenys 【本/
ヤマネ科 Gliridae
ネズミ科 Muridae
  • ヒメヤチネズミ Myodes rutilus
    • ミカドネズミ(亜種) M. r. mikado 【北/
  • タイリクヤチネズミ Myodes rufocanus
  • ムクゲネズミ Myodes rex 【北】
  • ヤチネズミ Eothenomys andersoni 【本/】 3種に分ける説もある。
  • スミスネズミ Eothenomys smithii 【本・島(隠)/】 かつては関東地方から新潟県以東のものを別種のカゲネズミ E.kageus とした。
  • ハタネズミ(ニホンハタネズミ) Microtus montebelli 【本・島(佐)/
  • マスクラット Ondatra zibethicus 【本】 北米原産。東京都・埼玉県。毛皮用に養殖されたものが野生化。
  • アカネズミ Apodemus speciosus 【北・本・島(対・屋・種・ト・隱)/
  • ハントウアカネズミ Apodemus peninsulae
    • カラフトアカネズミ(亜種) A.p.giliacus 【北】
  • ヒメネズミ Apodemus argenteus 【北・本・島(対・屋・種・佐・隠)/
  • セスジネズミ(セスジアカネズミ) Apodemus agrarius 【島(尖)/絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト)】 2例のみ。海外には広く分布。
  • カヤネズミ Micromys minutus 【本・島(対・隠)】 日本で最小のネズミ類。
  • ハツカネズミ Mus musculus 【ほぼ全国】 史前帰化動物。
  • オキナワハツカネズミ Mus caroli 【島(南)】
  • オキナワトゲネズミ Tokudaia muenninki 【島(沖)/絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト)//希少】 本種とアマミトゲネズミ・トクノシマトゲネズミは、以前は一括してトゲネズミ(リュウキュウトゲネズミ)Tokudaia osimensis として扱われていたが、奄美大島・徳之島・沖縄島の個体群でそれぞれ染色体数などが異なることは、従来から知られていた。オキナワトゲネズミ(沖)・アマミトゲネズミ(奄・徳)の2亜種に分類されていたが、2001年にオキナワトゲネズミを別種として扱うことが報告された。外来種のフイリマングース・イエネコにより圧迫。「トゲネズミ」として天然記念物
  • アマミトゲネズミ Tokudaia osimensis 【島(奄)/絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト)//希少】 外来種のイエネコにより圧迫。フイリマングースが根絶されたことにより個体数は回復傾向にある。「トゲネズミ」として天然記念物
  • トクノシマトゲネズミ Tokudaia tokunoshimensis 【島(徳)/絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト)//希少】 外来種のイエネコにより圧迫。オキナワトゲネズミに続いて2006年にアマミトゲネズミから別種として新種記載された(Endo and Tsuchiya, 2006)。「トゲネズミ」として天然記念物
  • クマネズミ Rattus rattus 【ほぼ全国】 史前帰化動物。
  • ドブネズミ Rattus norvegicus 【ほぼ全国】 史前帰化動物。
  • ナンヨウネズミ Rattus exulans 【島(宮古島)】 日本では宮古島の宮古港にのみ分布する、との報告があるが(Motokawa et al., 2001)、採集は1955年以前であり、現在の分布状況は不明。
ケナガネズミ 奄美大島
ヌートリア科 Myocastoridae (かつては カプロミス科 Capromyidae とされた)
  • ヌートリア Myocastor coypus 【本】 中部以西。南米原産の毛皮獣が戦後野生化。農作物被害大。「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定。

ネコ目(食肉目)

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〔在来6科(迷行の1科除く)・移入3科:計9科〕

クマ科 Ursidae
  • ヒグマ Ursus arctos 【北】)
  • ツキノワグマ(ヒマラヤグマ、アジアクロクマ) Ursus thibetanus または Selenarctos thibetanus
    • ニホンツキノワグマ(亜種) U. t. japonicus (かつては Selenarctos thibetanus japonicus とされることもあった)【本/絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト):下北半島、紀伊半島、東中国地域、西中国地域、四国山地】 四国・九州では絶滅または絶滅寸前。
  • ホッキョクグマ Ursus maritimus 【北・本】 北海道、新潟県で各1例があり、北極圏から漂流したものと思われるが、後者はツキノワグマ(アルビノ)の誤記載の疑いあり。
アライグマ科 Procyonidae
  • アライグマ Procyon lotor 【北・本】 北米原産。1962年以来、ペットが各地で野生化。「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定。
イヌ科 Canidae
ホンドタヌキ
キタキツネ
イタチ科 Mustelidae
ニホンアナグマ
ジャコウネコ科 Viverridae
  • ハクビシン Paguma larvata 【北(奥尻島)・本】 かつては在来種であるとの説もあった。
マングース科 Herpestidae
  • フイリマングース Urva auropunctatus 【島(南)】 ハブ駆除のため沖縄島(1910年)、奄美大島(1979年)で放された。2005年に特定外来生物に指定され、2024年奄美大島では根絶された。鹿児島県本土で逸出個体が発見されたことがある。
ネコ科 Felidae
ツシマヤマネコ
アシカ科 Otariidae
  • アシカ(カリフォルニアアシカ) Zalophus californianus
  • トド Eumetopias jubatus 【海/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)】 10-5月に北海道沿岸に回遊。
  • オットセイ(キタオットセイ) Callorhinus ursinus 【海】 冬から春に、銚子沖に至る近海沖合いに回遊。
セイウチ科 Odobenidae
  • セイウチ Odobenus rosmarus 【海】 北極海周辺から、ごくまれに北海道・青森県に迷行。
アザラシ科 Phocidae

ウマ目(奇蹄目)

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〔移入(家畜種)1科〕

ウマ科 Equidae

クジラ偶蹄目(鯨偶蹄目)

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〔在来11科(迷行の1科除く)〕

イノシシ科 Suidae
  • イノシシ Sus scrofa
    • ニホンイノシシ(亜種) S. s. leucomystax 【本/】 亜種ではなく1種を立てるべきとの議論もある。
    • リュウキュウイノシシ(亜種) S. s. riukiuanus 【島(南)/絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト):徳之島/】 亜種ではなく1種を立てるべきとの議論もある。
    • ブタ Sus scrofa 【北・本・島(小)】 離島で野生化。また、イノシシとの雑種であるイノブタが各地でニホンイノシシと交雑。「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定。
シカ科 Cervidae
エゾジカ
  • ニホンジカ Cervus nippon
    • エゾシカ(エゾジカ)(亜種) C. n. yesoensis 【北/
    • ホンシュウジカ(亜種) C. n. centralis 【本/】 奈良(奈良県奈良市一円)のシカは天然記念物
    • キュウシュウジカ(亜種) C. n. nippon 【本/
    • ケラマジカ(亜種) C. n. keramae 【島(慶)//国内外来種】 1600年代に薩摩鹿児島県)から移入されたキュウシュウジカが島嶼の環境に適応して特異化したものとされる。農林資源への食害あり。個体数が少なく絶滅が危惧されるが、(国内)外来種としての側面を併せ持つためか、環境省レッドリストには記載がない。なお、IUCNレッドリストではCR(絶滅寸前)、日本哺乳類学会のレッドリスト(1997年)では危急亜種。ケラマジカおよびその生息地は天然記念物
    • ツシマジカ(亜種) C. n. pulchellus 【島(対)/】 独立種とする説もある。
    • ヤクシカ(ヤクジカ、ヤクシマシカ)(亜種) C. n. yakushimae 【島(屋)/
    • マゲジカ(マゲシカ、マゲシマジカ)(亜種) C. n. mageshimae 【島(馬)/】 環境省第4次レッドリストでは「馬毛島のニホンジカ」として絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト)に記載。
    • 】 タイワンジカ(亜種) C. n. taiouanus 【本】 観光用に放され和歌山県友ヶ島などで野生化。本土に渡れば在来亜種と交雑の恐れあり。
  • キョン Muntiacus reevesi 【本】 1980年ごろ、房総半島で野生化。
ウシ科 Bovidae
ニホンカモシカ
ナガスクジラ科
  • シロナガスクジラ Balaenoptera musculus 【海】 現生の動物中で最大。太平洋を回遊中に近海を通過するが、沿岸ではほぼ絶滅。
  • ナガスクジラ Balaenoptera physalus 【海】 夏に北上、オホーツク海や東シナ海に回遊。
  • イワシクジラ Balaenoptera borealis 【海】 夏に三陸沿岸・北海道太平洋海域に出現。
  • ニタリクジラ Balaenoptera brydei 【海】 太平洋側・東シナ海に回遊、五島列島から鹿児島県笠沙町沖、高知県大方町沿岸で4-10月に見られる。現・カツオクジラが種として分離されるまで、「カツオクジラ」は本種の別称だった。
  • カツオクジラ Balaenoptera edeni 【海】かつてはニタリクジラと同種とされた。
  • ミンククジラ(ナミミンククジラ、コイワシクジラ) Balaenoptera acutorostrata 【海】 春から初夏に三陸、夏に北海道沖やオホーツク海、日本海側では1年中。
  • ツノシマクジラ Balaenoptera omurai 【海】 1998年に山口県角島で死体が発見され、2002年に新種として発表。
  • ザトウクジラ Megaptera novaeangliae 【海】 小笠原諸島と南西諸島で繁殖、ベーリング海とカムチャツカ沖の餌場に回遊。
セミクジラ科 Balaenidae
  • ホッキョククジラ Balaena mysticetus 【海】 北極圏周辺に生息、国内ではオホーツク海からの放浪個体が大阪湾に迷入した1例のみ。北海道などで化石は出土している。オホーツク海の個体群は絶滅危惧であり、数百頭程度。
  • セミクジラ Balaena japonica 【海】 絶滅危惧であり、発見は極めて稀。夏から秋にオホーツク海及び知床半島をはじめとする北海道周辺や三陸沖、冬から春にかけて伊豆半島周辺から伊豆諸島小笠原諸島、熊野灘や奄美諸島などで見られることがある。北太平洋での全生息数は200頭以上だが、詳しい事は不明。
コククジラ科 Eschrichtidae
  • コククジラ Eschrichtius robustus 【海】 沿岸部を南北に回遊、日本では春と秋に太平洋沿岸を通過するが、日本海側でも確認されている。東アジア沿岸の個体数の総数は130頭前後。
マッコウクジラ科 Physeteridae
  • マッコウクジラ Physeter marcrocephalus 【海】 三陸・熊野沖など大陸斜面のある深い海域に多い。日本近海に産する大型鯨類では最も豊富。
コマッコウ科 Kogiidae
  • コマッコウ Kogia breviceps 【海】 宮城・石川県以南で漂着・観察例。
  • オガワコマッコウ Kogia sima 【海】 座礁例あり。日本では、熊野灘で比較的よく目撃される。
アカボウクジラ科 Ziphiidae
イッカク科 Monodontidae
  • シロイルカベルーガDelphinapterus leucas 【海】 北極海・オホーツク海周辺から、まれに近海に迷入。
  • イッカク Monodon monoceros 【海】 江戸時代に一度のみ、北極海周辺から、近海に迷入。
マイルカ科 Delphinidae
  • シャチ Orcinus orca 【海】 8-11月に北海道東岸やオホーツク海南部で、2-3月に紀伊半島沖でよく見られる。
  • コビレゴンドウ Globicephala macrorhynchus 【海】 太平洋側の外洋と沿岸部。
  • ヒレナガゴンドウ Globicephala melas 【海】12世紀ごろに日本近海(北半球)では絶滅環境省レッドリスト)。他海洋では生存。
  • オキゴンドウ Pseudorca crassidens 【海】 沖縄・九州北部・和歌山の沖合いでよく見られる。
  • ユメゴンドウ Feresa attenuata 【海】 まれに沖縄から銚子沖で捕獲、座礁。1874年以来、1952年に80年ぶりに再発見。
  • カズハゴンドウ Peponocephala electra 【海】 沖縄でよく見られる。
  • ハナゴンドウ Grampus griseus 【海】 日本海や太平洋岸の沖合いでよく見られる。
  • マイルカ Delphinus delphis 【海】 北海道から九州の太平洋を回遊。
  • ハセイルカ Delphinus capensis 【海】 かつては、マイルカの亜種とされていた。西日本に多く、伊勢湾や土佐湾などには定住群が存在。
  • スジイルカ Stenella coeruleoalba 【海】 冬は紀伊半島以南、夏は北海道周辺まで、太平洋側に分布。過剰捕獲により、伊豆半島沖の個体群は壊滅。
  • マダライルカ Stenella attenuata 【海】 沖縄でよく見られる。スジイルカ同様、伊豆半島沖では壊滅状態。
  • ハシナガイルカ Stenella longirostris 【海】 小笠原海域に多い。
  • ハンドウイルカ(バンドウイルカ) Tursiops truncatus 【海】 冬は北九州以南の東シナ海、夏は北海道以南。
  • ミナミハンドウイルカ(ミナミバンドウイルカ) Tursiops aduncus 【海】かつては、同じハンドウイルカ属に属するハンドウイルカ(バンドウイルカ)の亜種とされることもあった。小笠原諸島や伊豆諸島において、ホエールウォッチングや、ドルフィンスイムの多くの場合はハンドウイルカではなく、このミナミハンドウイルカである。
  • カマイルカ Lagenorhynchus obliquidens 【海】 5月ごろに東北沖でよく見られる。
  • セミイルカ Lissodelphis borealis 【海】 春と秋に見られ、銚子以北の太平洋側では夏に見られることも。
  • シワハイルカ Steno bredanensis 【海】 三陸以南の太平洋、東シナ海に生息、夏には日本海にも。沖縄周辺に多い。
  • サラワクイルカ Lagenodelphis hosei 【海】 熱帯の外洋性、日本では漂着1例、捕獲2例。最新の1991年は和歌山県での群れの捕獲。小笠原ではさらに豊富。
ネズミイルカ科 Phocoenidae
  • ネズミイルカ Phocoena phocoena 【海】 日本海北部、銚子以北の太平洋沿岸。
  • イシイルカ Phocoenoides dalli 【海】 外洋性。日本海や、三陸沖など太平洋側にも分布。
  • スナメリ(スナメリクジラ) Neophocaena phocaenoides 【海】 能登半島・牡鹿半島以南の沿岸。瀬戸内海、有明海、伊勢湾などでよく見られる。阿波島(広島県)のスナメリクジラ回遊海面は天然記念物。各海域で減少傾向にあり、九州・大村湾や東京湾および房総半島以外の関東近辺は絶滅危惧。

ジュゴン目(海牛目)

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〔在来1科〕

ジュゴン科 Dugongidae

脚注

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  1. ^ Ohdachi et al. eds. "The Wild Mammals of Japan" Shoukadoh, 2009
  2. ^ 土肥昭夫ら著 『哺乳類の生態学』 東京大学出版会、1997年、8-9頁、ISBN 4-13-060167-9
  3. ^ Kahoku Shimpō (2017年). “Goron kinta elephant seal on the beach protected for the first time on the Japan Sea side” (Japanese). 2018年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月3日閲覧。

参考文献

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  • 阿部永ら著・財団法人自然環境研究センター編 『日本の哺乳類【改訂版】』東海大学出版会、2005年、ISBN 4-486016-90-4
  • 環境省自然環境局野生生物課編『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物1 哺乳類』 財団法人自然環境研究センター、2002年、ISBN 4-915959-73-2
  • 土肥昭夫ほか『哺乳類の生態学』東京大学出版会、1997年1月。ISBN 4-13-060167-9 
  • Ohdachi, Satoshi; Ishibashi, Yasuyuki; Iwasa, Masahiro et al., eds. The Wild Mammals of Japan. Shoukadoh. Kyoto. ISBN 4879746266 

関連項目

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外部リンク

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