S/2003 J 15
S/2003 J 15 Philophrosyne[1] | |
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仮符号・別名 | Jupiter LVIII[2][3] |
見かけの等級 (mv) | 23.5[4] |
分類 | 木星の衛星(不規則衛星) |
発見 | |
発見年 | 2003年2月6日[1] |
発見者 | スコット・S・シェパード[1] デビッド・C・ジューイット[1] J. Kleyna[1] |
発見場所 | アメリカ合衆国 ハワイ島・マウナケア山[1] |
軌道要素と性質 | |
軌道の種類 | パシファエ群 |
木星からの平均距離 | 22,627,000 km[5] |
離心率 (e) | 0.1899[5] |
公転周期 (P) | 689.78 日 (1.888 年)[5] |
軌道傾斜角 (i) | 146.492°[5] |
近点引数 (ω) | 18.405°[5] |
昇交点黄経 (Ω) | 236.674°[5] |
平均近点角 (M) | 58.865°[5] |
木星の衛星 | |
物理的性質 | |
直径 | ~2 km[6] |
質量 | ~1.5 ×1013 kg[6] |
平均密度 | 2.6 g/cm3 (仮定値)[6] |
アルベド(反射能) | 0.04 (仮定値)[6] |
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S/2003 J 15(Philophrosyne[1])は、木星の第58衛星である[2][3]。
性質
[編集]S/2003 J 15 の見かけの等級は23.5であり、アルベドを0.04と仮定した場合、S/2003 J 15 の直径はおよそ 2 km と推定される[6]。また、密度を 2.6 g/cm3 と仮定した場合、質量はおよそ 1.5 ×1013 kg と推定される[6]。S/2003 J 15 の軌道傾斜角はアナンケ群とパシファエ群のものに近く、軌道長半径は両者の中間程度にある。そのためアナンケ群の最も外側のメンバーとする記述もあるが[7]、発見者のシェパードはパシファエ群に分類している[4]。
発見と名称
[編集]2003年2月6日から4月3日にかけての観測で、スコット・S・シェパード (Scott S. Sheppard) が率いるハワイ大学の天文学者チームによって発見され、S/2003 J 15 という仮符号が与えられた[8][9]。観測にはカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡とハワイ大学の望遠鏡が用いられ、2003年4月3日の小惑星センターのサーキュラーで発見が報告された[8]。
S/2003 J 15 は2003年の発見報告以来しばらくの間観測報告が無く、見失われた状態にあった[10][11][12]。しかし2017年になって、すばる望遠鏡、マゼラン望遠鏡、セロ・トロロ汎米天文台の望遠鏡を用いた観測でシェパードらによって再発見され[13]、同年6月9日に Jupiter LVIII という確定番号が与えられた[2]。
2019年2月にS/2003 J 15を含む5つの衛星の名称を一般公募すると発表され[14]、選考の結果、同年8月にPhilophrosyneという名称がS/2003 J 15の固有名として国際天文学連合に承認された[1]。Philophrosyneという名称はゼウスの孫娘で、ヘーパイストスとアグライアーの娘である精霊Philophrosyneに因んでいる[1]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i “Planet and Satellite Names and Discoverers”. アメリカ地質調査所. 国際天文学連合. 2019年8月21日閲覧。
- ^ a b c “www.minorplanetcenter.net” (PDF). 小惑星センター (2017年6月9日). 2018年11月20日閲覧。
- ^ a b “惑星の衛星一覧”. 国立天文台 (2018年10月5日). 2018年11月20日閲覧。
- ^ a b Scott S. Sheppard. “Moons of Jupiter”. Carnegie Science. 2018年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e f Jet Propulsion Laboratory (2015年2月19日). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年11月19日閲覧。
- ^ NASA (2017年12月5日). “In Depth | S/2003 J15 – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局. 2018年11月19日閲覧。
- ^ a b Brian G. Marsden (2003年4月3日). “MPEC 2003-G17 : S/2003 J 15”. 小惑星センター. 2018年11月20日閲覧。
- ^ Daniel W. E. Green (2003年4月11日). “IAUC 8116: Sats OF JUPITER, SATURN; C/2003 G2”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年11月20日閲覧。
- ^ Beatty, Kelly (2012年4月4日). “Outer-Planet Moons Found — and Lost”. Sky & Telescope. 2017年6月27日閲覧。
- ^ Jacobson, B.; Brozović, M.; Gladman, B.; Alexandersen, M.; Nicholson, P. D.; Veillet, C. (2012-09-28). “Irregular Satellites of the Outer Planets: Orbital Uncertainties and Astrometric Recoveries in 2009–2011”. The Astronomical Journal 144 (5). Bibcode: 2012AJ....144..132J. doi:10.1088/0004-6256/144/5/132 .
- ^ Brozović, Marina; Jacobson, Robert A. (2017-03-09). “The Orbits of Jupiter's Irregular Satellites”. The Astronomical Journal 153 (4). Bibcode: 2017AJ....153..147B. doi:10.3847/1538-3881/aa5e4d.
- ^ Gareth V. Williams (2017年6月5日). “MPEC 2017-L46 : S/2003 J 15”. 小惑星センター. 2018年11月20日閲覧。
- ^ “Help Name Five Newly Discovered Moons of Jupiter!”. Carnegie Science (2019年). 2019年8月21日閲覧。