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佐藤勉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐藤 勉
さとう つとむ
総務省より公表された肖像
2008年 撮影)
生年月日 (1952-06-20) 1952年6月20日(72歳)
出生地 日本の旗 日本 栃木県下都賀郡壬生町
出身校 日本大学工学部土木工学科卒業
前職 間組従業員
所属政党 自由民主党谷垣派古賀派→谷垣G→佐藤G→麻生派→無派閥)
称号 工学士(日本大学・1975年
親族 長男・佐藤良(栃木県議会議長)
公式サイト 衆議院議員 さとう勉 | 国へ未来へ次世代へつなぐ

内閣 麻生内閣
在任期間 2009年6月12日 - 2009年9月16日

内閣 麻生内閣
在任期間 2008年9月24日 - 2009年7月2日

選挙区栃木4区→)
比例北関東ブロック→)
(栃木4区→)
比例北関東ブロック
当選回数 10回
在任期間 1996年10月20日 - 現職

選挙区 下都賀郡北部
当選回数 3回
在任期間 1987年 - 1996年

その他の職歴
第58代 自由民主党総務会長
(総裁:菅義偉
2020年9月16日 - 2021年10月1日
第55代 自由民主党国会対策委員長
(総裁:安倍晋三
2013年 - 2016年
テンプレートを表示
2013年、アテネにて(右から3人目)

佐藤 勉(さとう つとむ、1952年昭和27年〉6月20日 - )は、日本政治家自由民主党所属の衆議院議員(10期)。

自由民主党総務会長(第58代)、総務大臣第11代)・内閣府特命担当大臣地方分権改革)、国家公安委員会委員長第78代)・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策防災)、総務副大臣第1次安倍改造内閣福田康夫内閣)、自由民主党国会対策委員長(第55代)、衆議院総務委員長、衆議院議院運営委員長、衆議院国家基本政策委員長栃木県議会議員(3期)を歴任した。栃木県議会議員の佐藤良は長男。次男は佐藤の政策秘書[1]

概説

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国家公安委員会委員長就任時の記者会見にて

1952年、栃木県下都賀郡壬生町生まれ。栃木県立壬生高等学校を経て、日本大学工学部土木工学科卒業。

1975年に日大を卒業し、間組に入社する[2]

1989年に36歳で栃木県議会議員に当選[3]

1996年第41回衆議院議員総選挙自由民主党公認で栃木4区から出馬した。新進党山岡賢次らを破り、初当選した。党内派閥は宮澤派に所属するが、2000年加藤の乱加藤紘一と行動を共にして後は、小派閥に転落した旧加藤 - 小里 - 谷垣派に身を置き、谷垣派の解散に伴い古賀派に所属した[2]

2006年衆議院総務委員長に就任。2007年安倍改造内閣総務副大臣に就任し、福田康夫内閣でも再任された[2]

2008年麻生内閣国家公安委員会委員長内閣府特命担当大臣沖縄及び北方対策防災)に任命され、初入閣。翌2009年6月、日本郵政かんぽの宿売却問題をめぐり鳩山邦夫総務大臣が辞任したため、総務大臣、内閣府特命担当大臣(地方分権改革)を兼務する。7月の閣僚の補充人事により国家公安委員会委員長及び内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、防災)に林幹雄が就任したため佐藤は退任し、9月まで総務大臣を務めた[2]

同年8月の第45回衆議院議員総選挙では、栃木4区で民主党の山岡に敗北。重複立候補していた比例北関東ブロックで復活し、5選。

2012年10月、所属していた古賀派を退会し、自由民主党総裁を退任後間もない谷垣禎一を中心に逢沢一郎中谷元らが旗揚げした勉強会「有隣会」に参加[要出典]。同年12月の第46回衆議院議員総選挙では、栃木4区で日本未来の党に移籍した山岡らを破り、6選。

2013年10月11日、体調不良のため辞任した鴨下一郎の後任として自由民主党国会対策委員長に就任した[4]

2014年12月の第47回衆議院議員総選挙では、栃木4区で7選。

自民党国会対策委員長や衆院議運委員長など議員生活の8割で議会運営に携わった。2015年の安全保障関連法の成立を主導。「自分が持つ国対技術の全てを注いだ」と振り返る[5]

2016年9月、衆議院議院運営委員長に就任[6]

2017年5月12日、麻生派、山東派との合流へ向け有隣会を離脱。そして有隣会離脱者を中心とする「天元会」を設立し会長に就任[7]。その後7月3日、合流により新派閥志公会が発足。佐藤は会長代理に就任[8][9]。10月22日の第48回衆議院議員総選挙では、栃木4区で8選。

2020年9月16日、自民党総務会長に就任。

2021年10月31日、第49回衆議院議員総選挙立憲民主党藤岡隆雄に迫られるも勝利し、9選。

2022年2月25日、御法川信英丹羽秀樹阿部俊子と共に、麻生派を退会[10]

2024年9月27日に行われた自民党総裁選挙において、1回目の投票では小泉進次郎に投じ[11]、得票数1位の高市早苗と2位の石破茂が進んだ決選投票では石破に投じた[11]

第50回衆議院議員総選挙では支援者に対して引退を表明したものの、撤回して出馬[12]。2024年10月31日の総選挙で立憲民主党の藤岡に敗れるが、比例復活で10選[13]

政策・主張

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憲法改正

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消費税増税

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  • 2012年の公開アンケートにおいて、消費税2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げる法律が成立したことについて「法律通りに引き上げるべきだ」と回答している[14]
  • 2014年の公開アンケートにおいて、「2017年4月に消費税率を10%に引き上げるべきだ」と回答している[15]
  • 2017年の公開アンケートにおいて、消費税2019年10月に10%に引き上げることについて「賛成」と回答している[16]
  • 「消費税0%の検討」を掲げた『国民を守るための「真水100兆円」令和2年度第2次補正予算に向けた提言』に賛同している[17]

その他

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  • 総務大臣として、「簡素にして温かい政府を目指し、行政改革を強力に推進」する[18]
  • 「地方公務員の定員の純減を進める」と主張[18]。地方公務員数を削減するように主張している。
  • 「定住自立圏構想」を推進[18]
  • 「郵政民営化の路線は間違いでない」と答弁[19]。民営化による歳出削減により社会保障を充実させるとしている。
  • 日本のTPP参加に反対[14]。(党は推進)
  • 2002年に例外的に夫婦の別姓を実現させる会に参加している。一方、2014年のアンケートでは、選択的夫婦別姓制度導入に反対[20]、としている。
  • 原発について当面は必要だが、将来的には廃止すべきとしている。[21]

不祥事

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日本歯科医師連盟から迂回献金

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2004年の東京地検特捜部が摘発した日歯連闇献金事件捜査過程において、2001年11月に日本歯科医師連盟から自民党を経由して、当時、厚生労働大臣政務官を務めていた佐藤に500万円が迂回献金として政治資金収支報告書に記載されずに渡っていた可能性が指摘された。民主党が佐藤を政治資金規正法違反容疑で告発し、特捜部は佐藤を収賄容疑で立件することも検討した[22]が、2004年12月、嫌疑不十分で不起訴処分とした[22][23]。その後、東京第1検察審査会による「不起訴不当」議決を受けて捜査を行ったが、2005年12月に再度不起訴処分とした[22]

佐藤は2008年の国家公安委員会委員長就任時、献金は既に返金していると述べた[22][24]

事前選挙運動疑惑

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第45回衆議院選挙活動が解禁されていない2008年9月25日未明,国家公安委員長就任の会見で,事故米の件での強制捜査に関して『私も今「選挙活動」ということで特に農家等々を訪れると,この件については本当に真剣に考えてくれという話があって,身につまされた状況だと思う』と発言した。会見後に「"政治活動"の言い間違いだった」と訂正したが,警察庁を管理する国家公安委員会のトップが公職選挙法が禁じる事前活動をしていると受け取れる発言だった。この会見で「事故米の食品転用問題など食の安全にどう取り組むか」との質問に対し「誠に悪質な事件」とした上で,前日に大阪府警などが「三笠フーズ」本社などの家宅捜査に着手したことを説明。「警察としては厳正に対処すべきものと考えている」などと説明したと報道された。[25]

人物

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選挙歴

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当落 選挙 執行日 年齢 選挙区 政党 得票数 得票率 定数 得票順位
/候補者数
政党内比例順位
/政党当選者数
第41回衆議院議員総選挙 1996年10月20日 44 栃木4区 自由民主党 11万7851票 53.33% 1 1/4 /
第42回衆議院議員総選挙 2000年06月25日 48 栃木4区 自由民主党 11万5284票 48.81% 1 1/4 /
第43回衆議院議員総選挙 2003年11月09日 51 栃木4区 自由民主党 12万5031票 52.75% 1 1/3 /
第44回衆議院議員総選挙 2005年09月11日 53 栃木4区 自由民主党 14万304票 54.24% 1 1/3 /
比当 第45回衆議院議員総選挙 2009年08月30日 57 比例北関東(栃木4区) 自由民主党 10万9287票 40.20% 1 2/4 6/6
第46回衆議院議員総選挙 2012年12月16日 60 栃木4区 自由民主党 10万9762票 51.13% 1 1/5 /
第47回衆議院議員総選挙 2014年12月14日 62 栃木4区 自由民主党 11万4328票 59.13% 1 1/3 /
第48回衆議院議員総選挙 2017年10月22日 65 栃木4区 自由民主党 11万1167票 54.44% 1 1/3 /
第49回衆議院議員総選挙 2021年10月31日 69 栃木4区 自由民主党 11万1863票 51.10% 1 1/2 /
比当 第50回衆議院議員総選挙 2024年10月27日 72 比例北関東(栃木4区) 自由民主党 7万5260票 41.62% 1 2/3 5/7

所属団体・議員連盟

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脚注

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  1. ^ 岸田首相がベテラン秘書を辞任させて起用した長男・翔太郎氏 仕事はツイッター更新か”. NEWSポストセブン. 2022年10月18日閲覧。
  2. ^ a b c d 公式ホームページ プロフィール
  3. ^ 朝日新聞 (1989年03月04日). “3氏が質問 栃木県議会で代表、一般質問”. 朝刊 栃木. 
  4. ^ “佐藤勉氏が自民国対委員長に”. 下野新聞. (2013年10月12日). オリジナルの2013年12月19日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/20131219012404/http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20131012/1379169 2013年12月19日閲覧。 
  5. ^ 自民党新四役の横顔は 二階幹事長、佐藤総務会長…”. 日本経済新聞 (2020年9月16日). 2024年11月1日閲覧。
  6. ^ 衆院議運委員長に佐藤前国対委員長”. 日本経済新聞 (2016年8月24日). 2024年11月1日閲覧。
  7. ^ 佐藤勉氏ら新グループ設立 麻生、山東派と合流へ”. 日本経済新聞 (2017年5月12日). 2024年11月1日閲覧。
  8. ^ “自民派閥3派の合流決定 会長は麻生氏、党内第2勢力に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). http://www.asahi.com/articles/ASK5H5S30K5HUTFK00N.html?iref=sp_poltop_feature_list_n 2017年5月15日閲覧。 
  9. ^ “新・麻生派、59人で発足 自民党第2派閥に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). http://www.asahi.com/articles/ASK7352KQK73UTFK00P.html?iref=comtop_8_02 2017年7月3日閲覧。 
  10. ^ “麻生派49人に、第3派閥に後退…佐藤勉・元総務相ら4人が退会届”. 読売新聞オンライン (読売新聞社). https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220225-OYT1T50147/ 2022年2月25日閲覧。 
  11. ^ a b 栃木県選出7議員、3人は投票先を明かさず 自民党総裁選決選投票 石破新総裁に期待の声”. 下野新聞 (2024年9月28日). 2024年10月11日閲覧。
  12. ^ <衆院選とちぎ 注目区を行く>4区 「党の顔」続々 熱弁ふるう 立民「引き締め」 vs 自民「逆転を」:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年11月1日閲覧。
  13. ^ 自民・佐藤勉氏、栃木4区で敗れるも比例で復活当選確実:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年10月27日). 2024年11月1日閲覧。
  14. ^ a b c d e “2012衆院選 北関東ブロック 自由民主党 佐藤勉”. 毎日jp (毎日新聞社). http://senkyo.mainichi.jp/46shu/kaihyo_hirei_meikan.html?mid=D03001001011 2013年6月3日閲覧。 
  15. ^ “2014衆院選”. 朝日新聞 (朝日新聞社). https://www.asahi.com/senkyo/sousenkyo47/carta/AZZZZZ07Y.htm 2020年11月30日閲覧。 
  16. ^ “第48回衆院選 自民 栃木4区 佐藤  勉”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/senkyo/48shu/meikan/?mid=A09004001001 2020年11月30日閲覧。 
  17. ^ 賛同者一覧 国民を守るための「真水100兆円」令和2年度第2次補正予算に向けた提言”. 【議員連盟】日本の未来を考える勉強会. 2020年9月23日閲覧。
  18. ^ a b c 総務省|第171回国会(常会)総務委員会における総務大臣発言(平成21年6月16日)”. 総務省. 2019年11月8日閲覧。
  19. ^ 第171回国会”. www.shiokawa-tetsuya.jp. 2019年11月8日閲覧。
  20. ^ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
  21. ^ 毎日新聞,2017衆院選,選挙,総選挙,自民,栃木4区,佐藤 勉”. 毎日新聞. 2019年7月30日閲覧。
  22. ^ a b c d “迂回献金疑惑の佐藤氏起用 国家公安委員会のトップに”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年9月24日). オリジナルの2014年6月6日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/20140606013651/http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008092401001165.html 2014年6月6日閲覧。 
  23. ^ 2008/09/24時事通信
  24. ^ “国家公安委員長の一問一答 「献金、返金している」”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年9月24日). オリジナルの2014年6月6日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/20140606013601/http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008092401001170.html 2014年6月6日閲覧。 
  25. ^ 東京新聞「国会公安委員長もう「選挙運動」後に「政治活動」と訂正 佐藤勉氏就任会見で失言2008年09月25日夕刊
  26. ^ 「国会議員三ツ星データブック」、186国会版 国会議員三ツ星データブック、特定非営利法人「万年野党」著。ISBN 978-4905239239
  27. ^ 国会質問も議員立法も質問主意書もない『オールゼロ議員』、64人全氏名を公開 BLOGOS 2014年10月15日
  28. ^ 第201回国会 本会議 第3号(令和2年1月23日(木曜日))”. www.shugiin.go.jp. 2021年10月25日閲覧。
  29. ^ 自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 2018年4月11日閲覧。
  30. ^ a b 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年

外部リンク

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公職
先代
鳩山邦夫
日本の旗 総務大臣
第11代:2009年
次代
原口一博
先代
鳩山邦夫
日本の旗 内閣府特命担当大臣地方分権改革
第5代:2009年
次代
一時廃止 → 新藤義孝
先代
林幹雄
日本の旗 国家公安委員会委員長
第78代:2008年 - 2009年
次代
林幹雄
先代
林幹雄
日本の旗 内閣府特命担当大臣防災
第13代:2008年 - 2009年
次代
林幹雄
先代
林幹雄
日本の旗 内閣府特命担当大臣沖縄及び北方対策
第12代:2008年 - 2009年
次代
林幹雄
先代
大野松茂
田村憲久
日本の旗 総務副大臣
魚住裕一郎谷口隆義と共同

2007年 - 2008年
次代
石崎岳
倉田雅年
先代
奥山茂彦
田浦直
日本の旗 厚生労働大臣政務官
佐々木知子久野恒一と共同

2001年 - 2002年
次代
田村憲久
久野恒一
議会
先代
森英介
日本の旗 衆議院憲法審査会会長
2019年 - 2020年
次代
細田博之
先代
棚橋泰文
日本の旗 衆議院国家基本政策委員長
2017年 - 2019年
次代
森英介
先代
河村建夫
日本の旗 衆議院議院運営委員長
第79代:2016年 - 2017年
次代
古屋圭司
先代
中谷元
日本の旗 衆議院総務委員長
2006年 - 2007年
次代
渡辺博道
党職
先代
鈴木俊一
自由民主党総務会長
第58代:2020年 - 2021年
次代
福田達夫
先代
鴨下一郎
自由民主党国会対策委員長
第55代:2013年 - 2016年
次代
竹下亘